クールビスが浸透している近年、スラックスが活躍する機会が増えています。ビジネスシーンやプライベートシーンでも使いやすいスラックスは、何本か持っているという方も多いでしょう。メンズ通販サイトでも数多くのタイプのスラックスが販売されており、購入する時もどのタイプを選べばよいか迷ってしまうほどです。そこで、今回はスラックスの特徴やスーツのパンツとの違い、素材、お手入れの仕方などについて詳しく解説していきます。
スラックスとは
「スラックス」という言葉は、ビジネスシーンでも使えるパンツのことでは?と認識している方も多いでしょう。スラックスは、まさにジャケットに合わせやすいシルエットのパンツのことを指します。スラックスの特徴について細かく順に見ていきましょう。
スラックスの特徴
スラックスの「slack」という単語には“緩い・弛み・たるんだ”などの意味があり、ほど良いゆとりを持たせたパンツのつくりが特徴となっています。太ももに適度にゆとりを持たせているので、しゃがんだ時も太ももや膝周りが突っ張りにくく、動きの妨げになりません。ピッタリし過ぎないため、カジュアルな印象になりにくく、余裕のある大人っぽい着こなしが可能です。
スラックスのセンターに折り目が付いたセンタープレスタイプのスラックスが多く流通しており、メンズ通販サイトやメンズショップの店頭でも“品がある着こなしがしやすい”という理由から大変人気です。
スリムタイプからワイドタイプなど、スラックスのシルエットの種類も多く増えてきており、なりたいイメージに合わせて選ぶと上手なスラックス選びができます。ジャストなシルエットは、ビジネスシーンにも使いやすく、どの方にもおすすめです。
スラックスとメンズスーツのパンツとの違い
では、スーツのパンツとスラックスの違いは何でしょうか。そもそもスーツはジャケットとパンツの1セットのタイプを「スーツ」と呼びます。つまり、別々に販売されていれば「スラックス」という呼び名になり、パンツの作り自体には差が無いのです。
スーツのパンツを他のジャケットに合わせて着用することも可能ですし、そういった場合は、“スーツのパンツをスラックス的に活用する”ということになります。ちなみに、英国ではスラックスのようなジャケットに合わせやすいパンツを「トラウザー」と呼んでいます。
スラックスのシルエット種類
スラックスのシルエットもタイトなものからワイドのものまでさまざまなタイプがあります。ビジネスシーンにも使いやすい代表的なシルエットの種類について紹介します。
ビジネスコーデに定番の「テーパード」
テーパードは、裾に向かってだんだんとスリムになるシルエットを指します。ビジネスシーンでは定番のシルエットで、細目のタイプからワイドタイプまであるのが特徴です。腰回りはゆとりがあるため、楽に着られるのもポイントとなっており、ビジネスシーンには身体にジャストフィットするスラックスがおすすめです。
プライベートシーンのコーデをキレイ目に仕上げたい方には細目のテーパードのスラックス、人と差をつけたい方にはワイドな個性的なテーパードスラックスがおすすめです。
リラックス感が出しやすい「ストレート」
ストレートシルエットのスラックスは、裾の部分が細く絞られていない分、こなれたラフ感のある着こなしが楽しめます。センタープレスがあると裾までのストンとした落ち感が強調できるので、脚を真っすぐ長く見せたい方におすすめのシルエットです。
スラックスのタックについて
スラックスには、ヒダがついていないシンプルなタイプと、ヒダが付いた腰回りのゆとりを持たせた「タック」タイプのスラックスがあります。ヒダの数によって呼び方が異なり、それぞれ見た目の印象や機能性が異なってきます。具体的に1つ1つ見ていきましょう。
若々しい印象になるノータック
ノータックは、腰回りにヒダがないシンプルなスラックスで、若々しい印象になります。ヒダが無い分、裾までストンをしたシルエットで、脚のラインをキレイに見せたい方や、クールなイメージに仕上げたい方におすすめです。タックでゆとりを持たせていない分、しゃがんだ時に動きにくさを感じないか確認しておくと良いでしょう。
動きやすく幅広い年代に取り入れやすいワンタック
ワンタックは、ヒダが1つあるタイプのスラックスです。幅広い年代の体型に取り入れやすいことからメンズ通販サイトや店頭で良く見かけるタイプでもあります。タックが1つあることで、ノンタックタイプのスラックスよりも機動性が上がり、営業など外回りに出る方におすすめです。タックがあるタイプに抵抗がある方も取り入れやすいタイプのスラックスです。
体型補正効果があり落ち着いた印象になるツータック
ツータックは、腰回りに2つヒダが入ったタイプのスラックスで、お腹周りにゆとりがあるため、食後のお腹のラインも目立ちにくく、キレイなシルエットを維持しやすいでしょう。落ち着いた品のあるラインも特徴です。機能性が欲しい方、がっちりとした体型の方におすすめとなっています。
タックなしでも上下左右に伸びるストレッチ性抜群の4way スラックス
4wayスラックスは、タックがあるタイプのスラックスではありませんが、ナイロンやポリウレタン素材を使用することで、上下左右に伸縮性が得られるスラックスです。動きを妨げない快適性や軽さが特徴で、タックが無いためスッキリとしたシルエットを好む方におすすめです。小物を入れるポケットがついたタイプなどもあります。
スラックスの素材について
スラックスの素材には、コットンやウール・ポリエステルなどの化繊の3つが主に使われています。それぞれの素材の特徴や、着用した時の印象などについて順に見ていきます。
カジュアルな印象になるコットン
コットンを使用したチノパンやジーンズ素材のスラックスは、コットン特有のナチュラルな風合いがカジュアルな印象を生みます。ビジネスカジュアルからプライベートコーデまで幅広く対応できるのが特徴です。
上品に仕上げられるウール
ウール素材のスラックスは、品のある落ち着いた印象になります。コットンとは異なり、生地表面の滑らかさや光沢感からキレイ目に仕上げられます。また、滑らかな生地質感により、裾まで落ちるパンツラインが美しいのもポイントです。
また、ウールは吸湿性や放湿性に優れているため、織り方を変えることで夏や冬、どの季節にも取り入れられます。ちなみに、冬は生地を起毛させて空気を含ませることで保温性を上げ、夏はサマーウールなど夏に対応したウールで、サラリと着こなせます。シワになりにくいのもポイントです。
扱いやすくシワが付きにくい化繊
化繊のスラックスは、生地が丈夫なので汚れたら気軽に洗濯できます。軽くシワになりにくいのも特徴で、カジュアルコーデと相性が良くプライベートシーンに取り入れやすいでしょう。滑らかな質感ならばビジネスシーンや、フォーマルシーンにも取り入れやすく、1枚持っておくと便利です。リーズナブルな価格も魅力となっています。
ただ、吸湿性や通気性は、コットンやウールに比べて劣り、肌に張り付きやすいといった問題点も見られますが、生地の織り方によって張り付きやすいといった問題の改善も可能です。
スラックスの裾上げ方法
スラックスの裾上げの仕上がり具合で、全体の印象も変わってきます。標準的な仕上がりの目安として、一般的に靴を履いた状態で甲に軽く触れる程度が丁度良いと言われています。短か過ぎる場合は全体のバランスが取りにくく、長すぎる場合はたるみが出ることで野暮ったい印象になってしまいます。
裾上げの際には、普段合わせて履きたい靴を履いて行くと良いでしょう。また、ベルト用のループが付いているタイプのスラックスは、ベルトを着用するのが一般的な為、ベルトを着用した状態で裾上げすることをおすすめします。
スラックスの洗濯方法
スラックスの洗濯は、生地により異なり、洗濯表示に従って洗濯します。ポリエステルやポリウレタンなどの化繊のスラックスは自宅で気軽に洗濯できるのでお手入れも簡単です。
ウール素材は毛羽立ちや生地の縮みのリスクを避けるためにクリーニングに出すか、自宅洗いが可能な場合はデリケート素材用洗剤を使用して手洗いします。コットン素材はシワになりやすい性質があるので、洗濯ネットに入れて脱水を短時間にするとシワを軽減しやすいでしょう。
洗濯後は、ピンチなどでスラックスの裾を留めて干せるスラックス用ハンガーを使用すると余計なシワができず、形をキープしたまま乾かせます。
スラックスの保管方法について
スラック用ハンガーを使用すると収納時もそのまま吊るして収納できるので、たたむ手間も省くことができおすすめです。たたんでしまうと折りシワの原因となるので、リスクを減らすためにも裾を挟んで吊るすタイプのスラックス用ハンガーを用意することをおすすめします。
スラックスにシワができてしまったら
万が一、シワができてしまった場合はアイロン掛けをすることで、シワの改善を目指せます。生地素材によってアイロンの適温が異なり、熱に強いコットンやリネンは180〜200℃、ポリエステルなどの化繊とウールは140〜160℃が目安となっています。あて布を使うと生地に負担がかかりにくく、 生地を傷めるリスクを減らせます。
アイロンを掛ける順序は上部から順に進めていき、最後にセンタープレス部分のアイロン掛けを行うことで、シワになりにくくキレイに仕上げられます。
まとめ
今回、今回はスラックスの特徴やスーツのパンツの違い、素材、お手入れの仕方などについて詳しく解説してきましたがどうでしたでしょうか。スラックスの特徴やスーツのパンツとの違い、素材、お手入れの仕方などについて知ることは、ビジネスシーンやプライベートシーンなど場に合った上手なスラックス選びのヒントにできるでしょう。今回の記事が上手なスラックス選びの参考になれば幸いです。