「アンコンジャケット」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。アンコンジャケットはラフでありながら着心地など機能性の高さから快適に着られるメンズジャケットとしてメンズファッションの通販サイトでも人気のアイテムとなっています。そこで、今回は1枚持っておくと重宝するアンコンジャケットについて起源や特徴・洗濯方法・保管方法・着こなしコーディネートなどについて1つずつ詳しく解説していきます。
アンコンジャケットとは
アンコンジャケットはビジネスシーンから休日のカジュアルシーンまで対応できるカジュアルなジャケットを指しており、ジャケットの内側の裏地や芯地・肩パッドをなるべく除いた、軽快に羽織れるジャケットです。春夏を中心にメンズファッション通販サイトでもたくさんのブランドから販売されており、ビジカジが定着してきているここ最近は特に、活躍するジャケットとして注目を集めています。
アンコンジャケットの語源
アンコンジャケットはunconstructed jacket(アンコンストラクテッド・ジャケット)の略で、日本語で“非構築的なジャケット”という意味を成します。構築された一般的なスーツは肩パッドや芯地などがあることで、カッチリとした印象になり、非構築なジャケットは、逆にリラックスした印象になります。
アンコンジャケットの歴史
“モダン・クラシック”をテーマにイタリア仕立店が目指した、古着のようなこなれた感じのジャケットがアンコンジャケット作りのきっかけとなった説や、イタリア有名ブランドが人工的に作られたシルエットのジャケットでは表せない肉体美を表現するために作ったという説、イタリアの富裕層が気軽に着られるリゾート着として作らせた説など、さまざまな説があります。
共通して言えるのは、独特でソフトな風合が粋に感じられるという点でしょう。現在では、そのソフトな風合いを生かしたアンコンジャケットが、各ブランドから販売されています。
アンコンジャケットの特徴
アンコンジャケットは先ほど述べたように、芯地や裏地・肩パッドなどを極力省いた気軽に羽織れるジャケットを指します。芯地や裏地・肩パッドなどが無いことでジャケット自体が軽く、芯地などが無いことでカッチリせず、柔らかな印象にできるのが特徴です。肩パッドが無い分肩幅も狭められ、なで肩の方もキレイにフィットさせられます。
また、袖に腕を通しやすいように、袖の部分のみ裏地を付けたタイプや、ストレッチ素材を使用したタイプなどがあります。以下にて一般のテーラードジャケットとは異なる点について挙げてみます。
アンコンジャケットとテーラージャケットとの違い
芯地や裏地・肩パッドが付いた一般的なテーラージャケットとは異なり、裏地を必要な部分以外はなるべく除いた「大見返し(広見返し)」という仕上げで作られています。コットンやリネンを使用した表地を裏地にも使用することで、通気性や吸湿性に期待が持てます。
アンコンジャケットのメリット
「アンコンジャケット」のメリットとは軽く軽快に活動できるというほかに、ビジネスカジュアルにも取り入れやすいといった点です。裏地や芯地が無いので一般のテーラージャケットよりも涼しく、抜け感が出しやすいのでおすすめです。また、出先でジャケットを脱いで腕にかけたい時もスーツのジャケットほど気を遣わず気軽に扱えるのも魅力です。
ラフ過ぎずカッチリとしすぎない見た目から、プライベートシーンの服装もキレイ目に仕上げられます。春や夏に人気素材のコットンやリネンの風合いを生かした着こなしコーディネートにピッタリです。
アンコンジャケットのデメリット
デメリットとなる点は、抜け感が出しやすい分、カジュアルな印象になりやすいということが挙げられるでしょう。ビジネスカジュアルがOKの場合は良いですが、取引先へ訪問する時などきちんとした服装が必要とされる時は、軽んじられているように捉えられてしまう恐れがあるので、着用するシーンを考えて取り入れると良いでしょう。
また、裏地が無い分、着脱時にインナーによっては摩擦で袖を通しにくいといったような着づらさを感じることがあるでしょう。裏地が無い分、一般のテーラージャケットに比べてシワになりやすい傾向もあります。
アンコンジャケットの洗濯方法
アンコンジャケットには自宅で洗えるタイプとクリーニング対応タイプがあり、ジャケットの洗濯表示に従って対応しましょう。自宅洗濯可の表示がある場合は、ジャケットの型が崩れないように軽く折り、厚手の洗濯ネットに入れて指定の洗剤を使って手洗いします。ポリエステル100%のような素材の場合は、洗濯機対応も可能の場合も多く、気軽に洗濯もしやすいでしょう。
乾燥させる際は、厚みのあるスーツ用ハンガーを使用すると型崩れの原因になりにくく、乾きやすいのでおすすめです。スーツ用ハンガーが無い場合は、ハンガーにタオルを巻くなど厚みを持たせることで代用可能です。乾かす際は、繊維が縮んでしまう恐れがある乾燥機での乾燥はしないようにしましょう。
アンコンジャケットの保管方法
シワにならないようにスーツ専用ハンガーなどを使用し、型崩れしにくい状態にして保管します。着用した場合は、基本的に陰干しし、ジャケットに付いた汗などの湿気を取り除いておきます。また、外出すると目に見えにくい花粉などのホコリもたくさん付くため、スーツブラシを使用してホコリを取り除いておくとカビの予防もできます。
アンコンジャケットの着こなし方
アンコンジャケットに合わせるインナーや、パンツとの組み合わせでコーディネートのイメージも変わります。シーン別にアンコンジャケットのコーディネートポイントについて見ていきましょう。
カジュアルシーンに合わせる時
Tシャツやポロシャツにアンコンジャケットを合わせると、抜け感を出しながらキレイ目に仕上げられます。デニムやチノパンのほか、センタープレスのパンツなどを合わせてもバランスが取りやすいのがアンコンジャケットの魅力です。一捻りあるオシャレを目指したい方には、アンコンジャケットの中にパーカーを合わせる上級者コーデもおすすめです。
アンコンジャケットをビジネスシーンに合わせる時
カジュアルな雰囲気が魅力のアンコンジャケットは、セットアップ風に仕上げると統一感が出て上品に仕上げられます。特に無地を選ぶときちんと感が出せるのでおすすめです。アンコンジャケットの中は白色・ホワイトの清潔感があるワイシャツや、細かいストライプなどの柄のシャツを合わせると良いでしょう。気温によって肌寒い時は、ニットを中に合わせるのもおすすめです。網目の細かいハイゲージニットを選ぶとキレイ目に仕上がります。
アンコンジャケットをフォーマルシーンに合わせる時
カジュアルでフォーマルに向かないイメージのあるアンコンジャケットも、生地や襟、ジャケット裾のスリットなどのデザインにこだわることで、カジュアルな印象になり過ぎず、フォーマルスーツとして活躍させられます。セットアップ風に上下を合わせると、より使いやすいでしょう。
カラー別アンコンジャケットのおすすめコーディネート
スーツの基本カラーと言えば黒色・ブラック、灰色・グレー、紺色・ネイビーが挙げられるでしょう。アンコンジャケットも例外ではなく、基本のカラーを持っているとコーディネートの幅が広がるのでおすすめです。夏らしい白色・ホワイトもカジュアルシーンに取り入れやすくおすすめとなっています。カラー別のコーディネートを順について見ていきましょう。
黒色・ブラックのアンコンジャケットのおすすめコーデ
フォーマル感が強い黒色・ブラックのジャケットも、アンコンジャケットならば堅苦しくなり過ぎず、程よいモード感を出せます。ジャケットの中に紺色・ネイビーのシャツを合わせるとスタイリッシュな印象に。白色・ホワイトのTシャツを合わせれば洗練されたキレイ目カジュアルに仕上げられます。
軽量化されているため着心地はもちろん、黒色・ブラックの引き締め効果でスタイルアップして見えるのも嬉しい点です。パンツは黒色・ブラックのほかにも茶色・ブラウン、ベージュ系を合わせると馴染みやすくおすすめです。
灰色・グレーのアンコンジャケット
明るい灰色・グレーに明るい青色・ブルーシャツを合わせるコーデは夏らしく爽やかな印象に。フレッシュ感が欲しい時にもおすすめです。合わせるパンツはブルージーンズや青色・ブルーのチノパンなどシャツと合わせると統一感が出て品よくまとめられます。
暑さが残る9月、10月は、季節感を意識して茶色・ブラウンや臙脂(えんじ)色・バーガンディーなどの秋色のパンツカラーを取り入れて合わせると洒落た印象に仕上げられます。
紺色・ネイビーのアンコンジャケット
紺色・ネイビーのアンコンジャケットは、ビジネスシーンでもカジュアルシーンでも取り入れやすいので1枚もっておくと使い勝手が良くおすすめです。インナーには同色系のシャツカラーやストライプのカラーを合わせると清潔感が増して、若々しい印象にできます。
パンツには茶色・ブラウン、ベージュ系のカラーを合わせると、全身のトーンが明るくなり、落ち着いた印象になりやすい深いカラーも軽やかにバランス良く合わせられます。シューズやネクタイも同じトーンでまとめると洒落た印象に仕上がります。
白色・ホワイトのアンコンジャケット
顔色を明るく見せてくれる白色・ホワイトのアンコンジャケットは、大人のカジュアルコーディネートに取り入れやすく、インナーのカラーも白色・ホワイト系に合わせることで知的な印象に仕上げられます。柔らかでライトな着心地と適度なリラックス感で、キレイ目コーディネートを好む方に特におすすめです。
まとめ
今回、アンコンジャケットについて起源や特徴・洗濯方法・保管方法・着こなしコーディネートなどについて詳しく解説してきましたがどうでしたでしょうか。ビジカジコーデや普段のコーデに1着あると重宝するアンコンジャケットは、キレイ目なシルエットを維持しながら着心地の快適性も得られる優れたアイテムです。アンコンジャケットを普段のコーデに積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。今回の記事が上手なアンコンジャケット選びの参考になれば幸いです。