真夏はもちろん、蒸し暑くなる梅雨あたりから秋の半ばの期間などはクールビズを意識する季節ではないでしょうか。特にスーツ着用を必要とする方は、クールビズは切り離せないポイントでしょう。そこで今回は、蒸し暑い季節や盛夏を乗り切る「クールビズ」に対応した機能や、おしゃれに見せる着こなし、マナーなどについて詳しく解説していきます。
クールビズ(COOL BIZ)とは
涼しく過ごしやすい衣服を着用するのが「クールビズ」と認識されている方も多いでしょう。 “涼しい服装の取り組みをする”ことで地球環境の改善にもつながる取り組みについて今一度確認していきましょう。
クールビズは快適に過ごすための環境省主導の取り組み
クールビズは、消費電力が大きい冷房の温度設定を室温28度とすることで電気使用量の負担を小さくし、二酸化炭素の排出量を減らすための過ごしやすい服装提案として環境省により推奨された提案です。2005年度を皮切りにスタートし、2023年の現在、クールビズという言葉はすっかり世間に浸透した取り組みとなりました。
クールビズは2020年まで5月1日~9月30日と提示
2005年度に始まったクールビズ活動は2020年度まで指定されていましたが、2021年度からは気温上昇が問題になってきている観点から現在では期間を指定せず、企業ごとに判断を求めるようになりました。
電力使用を抑制したスーパークールビズの取り組みもされている
服装の軽量化・電力抑制というクールビズの取り組みに加えて、東日本大震災をきっかけとした、さらなる電力不足問題の懸念を解消するべく、不必要な電力削減(昼休み中の電気消灯など)、グリーンカーテン、就業開始時間の前倒しなどが提案されており、対策はライフスタイルにまで及んでいます。
クールビズとスーパークールビズの服装の違いにおいては、特に紳士服に強化した服装の定義がされており、ノーネクタイやノージャケットよりもクールビズでは不可とされるポロシャツやアロハシャツ、スニーカーなどの着用がOKになっているなどの違いがあります。
出展:環境省HP「令和5年度 クールビズについて」
クールビズ(COOL BIZ)のマナー
すっかり社会に浸透しているクールビズですが、クールビズの定義やその着こなしについてもマナーが存在します。今さら改めて聞きづらいクールビズについて、新社会人の方にも分かりやすく説明していきます。
見られることを意識した着こなしをする
少しでも涼しくしたいからといってシャツのボタンを必要以上に外すのはNGです。第一ボタンまで留めないのは許容範囲とされますが、胸元がはだけたりするのは、ビジネスの場にふさわしくありません。
また、腕まくりについても注意が必要です。個人的に仕事に取り組む際には問題になりませんが、腕まくりをする際に乱暴にまくり上げたり、袖をまくり上げたりしてしまうと、シワの原因になり、清潔感を欠く装いになってしまいます。
会社訪問時や商談時などはネクタイ&ジャケットを着用する
会社訪問時や商談時は、相手の方に礼節をもって接するためにも、ネクタイやジャケットは身に着けて臨むようにします。そのため、ネクタイやジャケットは会社に常備しておくと良いでしょう。ジャケットは、シワになりにくい素材を選び、ネクタイも落ち着いたカラーや柄のものを選ぶと心配ありません。
クールビズ(COOL BIZ)に対応した機能
クールビズに対応した機能というと、まずはサラリとした着心地といったような快適性を重視した機能が挙げられるのではないでしょうか。クールビズに外せない機能について順に見ていきましょう。
接触冷感
肌に触れた際に、体熱を素早く逃し、サラっとした質感で快適に過ごしやすくする便利な機能です。夏を中心に、蒸し暑くなる梅雨あたりから下着や洋服を着用する方も増えてくるでしょう。ポリエステルやレーヨンの化繊素材のものが多く見られますが、リネンやシルクといった自然素材も熱伝導性が高く、夏場に過ごしやすい素材となります。
イージーケア
防シワ加工されていると、汗をかきやすい季節や盛夏にも気兼ねなく洗濯できて便利です。洗濯後の面倒なアイロンケアの手間を省けるため、暑い気温下でのアイロン作業をしたくないといった方や、家事の時間を少しでも節約したいといった方におすすめの機能です。シャツやジャケットなどに加工されることが多く、多少のシワができてしまった場合もスチームアイロンで軽くケアすれば目立つシワもすぐに改善しやすいでしょう。
吸水速乾や消臭
吸水性と速乾性を高めることで、汗をかいても素早く吸収し空気中に拡散させることで、肌表面をサラリとさせ、1日快適に過ごしやすくします。また、消臭性を持つ成分や吸着性や分解性を持つ物質を繊維に含ませたり織り混んだり加工することで、不快な臭いを抑制できます。コットンやポリエステル、レーヨンなどを使用した衣服によく使われています。
クールビズ(COOL BIZ)の服装
クールビズの服装スタイルと言えばノーネクタイスタイルや半袖スタイルが基本になります。ネクタイをしない時のシャツの種類や、ネクタイを必要とする時のネクタイの種類、合わせるパンツや靴などについて具体的に見ていきましょう。
シャツ
今や各ブランドの通販サイトでもさまざまなクールビズに対応したシャツが販売されています。シャツは一般的に「襟つき」がビジネスの場ではマストですが、職場の雰囲気によって「襟なし」シャツがOKな場合もあります。職場の雰囲気に合わせて選ぶようにしましょう。
ポロシャツ
ポロシャツは、コットン100%やポリエステルなどの化繊との混紡から作られた素材のタイプなど多くの種類があり、スポーツからビジカジ、私服まで幅広いシーンで取り入れられています。襟が付いていることできちんとした印象にしやすく、動きやすくストレッチ性に富むタイプや吸水性に優れたポロシャツも豊富にあるため、クールビズにも適しています。ただし、カジュアルな服装となるため、ポロシャツ着用が可能な職場に限られる場合が多いでしょう。
ボタンダウンシャツ
ボタンダウンシャツは、ノーネクタイでも襟先をボタンで留めることで、型崩れせずきちんとした印象にしやすいデザインシャツです。ボタンが付いていることで程よくカジュアル感が出せるのもポイント。若々しい着こなしが簡単にでき、若い方からシニアの紳士層までどの方にも取り入れやすいシャツです。
スタンドカラーシャツ
スタンドカラーシャツは、クリエイティブ系の方など比較的服装に自由な職場の愛用者が多く見られるデザインです。襟部分が通常のシャツの襟よりも短い分、首回りがすっきりとして堅苦しくなく解放感が得られると人気です。襟が短い分、カジュアルに見られやすいため、職場の雰囲気に合わせて取り入れることが大切でしょう。クライアントとの面会や商談などの場合には一般的に向かないタイプのシャツですが、抜け感を出しやすく、カジュアルまで対応できるのが魅力です。
パンツ
パンツは、通気性が良く吸水性に優れた生地素材のタイプがおすすめです。蒸れを防いでサラリとした質感のコットンとリネン混紡や、接触冷感加工された生地素材のパンツがおすすめです。汗をかきやすい時期なので、形状記憶タイプを選ぶとクリーニングに出す際や自宅で洗濯した場合も型崩れしにくくおすすめです。
画像は接触冷感のテイジンメンズショップ( TEIJIN MEN’S SHOP)の【ストレッチ】TCマイクロピケ ノータックパンツ グレー(左) ベージュ(右)
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ネクタイ
ノーネクタイで過ごせる期間であっても、商談や面談などきちんとした場ではネクタイを必要とします。ネクタイは、夏らしい清涼感が感じられる青色・ブルー&ネイビー系のカラーや、淡いカラーのネクタイ、夏の季節にぴったりなニットタイ、風が通りやすいフレスコ織りネクタイなどがおすすめとなっています。
靴
靴は、通気が良いソールを使用したビジネスシューズや、軽やかさとおしゃれ感が出せるローファーがおすすめです。ローファーは、靴で覆われた面積が少なくなるため、抜け感が出しやすくなります。合わせる靴下は黒色・ブラックや灰色・グレー、白色・ホワイトを基本にし、肌が見えない丈の長さを選びます。職場によってローファーはカジュアルのイメージが強いということでNGの場合もあるので、職場の雰囲気に合わせて取り入れてみてください。
バッグ
バッグも季節を意識して夏らしい素材やカラーを選ぶと見た目も涼しくなり爽やかな印象になります。商談など改まった場ではブリーフケースが基本となりますが、普段は書類が入るサイズのトートバッグや、両手が空くリュックタイプのデイパックなどもおすすめです。本革仕様のタイプなども数多く出ており、ビジネスシーンにも取り入れやすいでしょう。
まとめ
今回、クールビズは何月からか、正しい服装やマナーなどについて詳しく解説してきましたがいかがでしたでしょうか。クールビズの定義を知ることで、真夏の暑さを快適にしながら清潔感があるきちんとした印象を保つことは、社会人として大切になります。職場の雰囲気に合わせながらぜひ、上手なクーズビズ対策をしてみてください。今回の記事がクールビズ対策の参考になれば幸いです。