日本の年間降水量は、国土交通省の調査によると世界平均の2倍にあたるそうです。(※1)そのため、1年に日本に降る雨も100日程度と多く、1年のほぼ1/3は雨の日ということになります。雨や台風で気圧が下がると寒暖の差による疲労も覚えやすいもの。頭痛に悩まされている方も多いことでしょう。そこで、今回は6月の憂鬱な雨の季節を快適に過ごすための梅雨の時期のスーツ選びにあると嬉しい機能やおすすめのコーデ、濡れてしまった時のビジネスマナーなどの対策について詳しく解説していきます。
※1(1971年から2000年にかけての平均値 国立天文台「理科年表2005」(2004年12月)から作成より)
梅雨を知ろう
梅雨はじめじめすることで洗濯物が乾きづらくなり、せっかくセットしたヘアや洋服もシワになりがちです。近年、集中豪雨などによる災害も心配されるなどの問題も起きています。しかし、そのような梅雨の時期も「五月雨」や「梅霖」、「麦雨」、「男梅雨」、「女梅雨」といった美しい言葉で梅雨の季節を楽しむ先人の知恵もあります。先人のように上手に梅雨の時期を過ごしたいですね。まずは、梅雨とはどういうものか、そして湿気がスーツにどのような影響を与えるのかについて説明していきます。
梅雨とは?
早いと5月下旬から始まり、長いと7月中旬あたりまで雨が降る季節を「梅雨」と呼びます。では、そもそも梅雨はなぜあるのでしょう。簡単に言うと、チベット高原で温められた空気が偏西風に乗り、海に囲まれた日本に来ると冷えた空気に押し上げられ上昇気流で雨雲を作るからです。常に大量の水蒸気が上空にある状態なので、グズついた天気が続いてしまうことになります。
梅雨の時期・湿気が与えるスーツへの影響と対策
湿度が高くなることで、スーツ生地の吸湿性によりシワができるといった事態が出てきます。スーツに限らず空気中に漂う水蒸気により、ピンと張った状態からふやけてしまう状態になるわけです。特に夏場の薄い生地のスーツ生地に起こりやすい現象です。そこで、シワを防止するために、シワになりにくい生地素材や生地の厚さのスーツを選ぶことが必要になります。
また、汚れがあると梅雨時期はカビが生えやすいので注意が必要です。もし、カビが生えてしまったら、ぬるま湯に浸したタオルでカビを叩くようにして拭き取ります。梅雨シーズンに入る前にクリーニングに出す、または家庭でケアをしておくと良いでしょう。
梅雨の時期に嬉しいスーツ機能
梅雨の季節はジメジメして湿度が高く、蒸し暑かったり肌寒かったりするもの。雨に濡れてもすぐに乾く機能や雨を弾く機能などがあれば、梅雨の時期特有の湿っぽい不快を軽減できます。雨の日に着るスーツのおすすめ機能について順に見ていきます。
撥水性&防水性
雨に濡れても雨そのものを弾いてしまえばスーツも湿りにくく、ジメジメとした不快感を覚えずに済みます。防水加工されていることで、サッと手で軽く払ったり、拭いたりするだけで生地そのものにもダメージを与えず快適度を保てて便利です。撥水&防水加工がされていない場合は、防水スプレーを活用して吹きかけておくと効果的です。全体に吹きかける前に、シミみならないか端の方で試してから使用するようにしましょう。
速乾性&通気性
スポーツウェアにも使われているポリエステルなどの化学繊維を使ったスーツだと、乾きやすく扱いやすいのでおすすめです。化繊配合が多いとカジュアルに見えがちですが、ウールなどの素材を組み合わせて織ることで生地に光沢感を出し、ビジネスシーンにも使いやすいおすすめのスーツ地になります。ポリエステルを使用することで丈夫で動きやすく、価格もリーズナブルになるため、梅雨の時期に気軽に取り入れやすいおすすめのスーツです。
防シワ性
速乾性に通じますが、早く乾くことでシワを防ぎやすくなります。こちらでもポリエステルなどの化繊を使用したスーツを選ぶことで、ハリのある状態を維持しやすく、脱いだり着たりした時もシワにならず扱いやすいでしょう。また、生地自体の密度を増して固く織ることで湿気によるシワを防ぐこともできます。
ウォッシャブル
ポリエステルまたは、ポリエステルなどの化繊が含まれた生地を使用し、家庭で水洗いできるように加工されています。クリーニング代が節約できるのもメリット。洗濯ネットを使い、中性洗剤で洗濯表示に従って手洗いか洗濯機で洗えます。洗濯後は、スーツ用ハンガーで型崩れしないように陰干し、パンツは数か所ピンチで挟んで乾きやすくします。
梅雨の時期におすすめのスーツカラー&コーデ
雨に濡れても目立ちにくい濃いカラーを選択するのが定番ではありますが、カラーコーディネート次第で、じめじめした梅雨の季節も明るく爽やかな印象にすることができます。雨が多い季節だからこそ、モチベーションが上がるようなカラーを取り入れてみましょう。メンズ・レディースともに明るい色を意識的に取り入れるのがおすすめです。
【爽やかなイメージで梅雨を涼やかに】紺色・ネイビー系×麹色・ベージュ
深みのある紺色ネイビーや麹色・ベージュは日本人の肌カラーにも合わせやすく、どの方にもおすすめのカラーコーディネートです。雨の跳ね返りなどで汚れやすいボトムス部分は、紺色・ネイビー系の深みのあるパンツを選び、トップス部分にベージュのジャケットを取り入れてみると軽やかさを出せます。女性はショートジレタイプのアウターに変えてみてもオシャレでおすすめです。
【社会人におすすめの定番色】灰色・グレー系×白色・ホワイト
濃いグレーも雨の日には使いやすいスーツカラーです。白色・ホワイトを組み合わせたコーデももはや定番となっています。そこで、メンズはスーツの柄を工夫してみることでオシャレな印象に。ストライプやチェックの柄があるスーツを選ぶことで、柄が無いタイプのスーツよりも変化が感じられるため、こなれたスタイリッシュな装いを目指せます。女性はノーカラーシャツを取り入れて抜け感を出したり、鎖骨周りにアクセサリーで飾ったりすると華やかになりおすすめです。
【汚れても目立ちにくい】黒色・ブラック、茶色・ブラウン系×麹色・ベージュ
ボトムスに黒色・ブラックや濃い茶色・ブラウン、トップスに麹色・ベージュを合わせたダークカラーの統一感あるコーデもおすすめです。ボトムスは泥はねなどの土汚れも目立ちにくいカラーで実用的にもピッタリ。トップスに明るいトーンの麹色・ベージュを合わせることで、男性・女性ともに大人っぽく社会人におすすめのスーツコーデを目指せます。
【意外と合わせやすい】緑色・グリーン、カーキ系×紺色・ネイビー
今季、抜け感が出せるとレディースのメイクでもトレンドになっている深みのある緑色・グリーンは、ボトムスに取り入れてトップスに紺色・ネイビーのジャケットをコーディネートすることで、落ち着いた印象にしつつも、中に着るシャツのカラーを白色・ホワイトや薄い青色・ブルーを合わせることで爽やかさが出て、人とは一味違ったオシャレを楽しめます。トレンド感が出せるのでデートにもおすすめのコーデです。
スーツが濡れてしまった時のビジネスマナー
取引先に訪問予定がある時にあいにくの雨天候ということも6月には多いことでしょう。そこで、雨の日のビジネスマナーについて注意する点について以下で説明をしていきます。
折り畳み傘など事前準備をしておく
まずは、濡らさないといったことが大切です。6月は雨が多い季節なので、いつ何時でも雨が降っても対処できるように、折り畳み傘を常備しておきましょう。男性・女性ともに、日傘兼用の傘だと真夏の季節も使えるので便利です。濡れた傘を入れる袋は100円ショップでも販売されているので、ぜひ用意しておきましょう。
濡れてしまったら・・
建物に入る前にタオルやハンカチで濡れた部分の水分を拭き取っておきます。大事な書類を濡れた手やスーツで濡らしてしまうことがないようにすることが大切です。スーツの水分を拭き取る際は、こすらないようにやさしくタオルやハンカチに吸い込ませるようにすると生地を傷めません。
まとめ
今回、梅雨の時期におすすめのスーツスーツコーデ&デートコーデやスーツが濡れてしまった時のビジネスマナーについて詳しく解説してきましたがいかがでしたでしょうか。雨の日に付いていると嬉しい便利な機能や、雨の日におすすめのスーツカラーコーデ、雨天時のビジネスマナーについて知ることで、ジメジメした雨の季節も少しでも快適に過ごせるヒントになれば幸いです。