軽くて動きやすいから疲れにくい。そんなスーツは、春夏のスーツとしてぜひ使いたいスーツになるのではないでしょうか。仕事中はもちろん、仕事帰りに子どもの迎えや買い物をする時も軽くて動きやすいスーツだと快適に過ごせます。そこで今回は、軽量スーツの特徴や生地の種類、軽量スーツの着こなし方、注意点などについて詳しく解説&紹介をしていきます。
春夏スーツは肩がこらないのがいい
春は、新社会人になる方や新たに仕事に就く方、新たな職場に異動する方などが多い時期。はじめましての方もいるからこそ、きちんと感があって肩がこらないスーツが魅力的です。
春夏は生地にこだわる
春夏スーツならば、ブラックやダークネイビー、ダークグレーといった定番カラーのスーツも、暑苦しく見えない生地にこだわりましょう。気温が急激に上がることも珍しくないので、生地選びは重要になります。
見た目はきちんと
サラリとした生地であっても、きちんとして見えるということがスーツにとって大事なポイントになります。薄くてペラペラの生地だと、スーツであっても貧相に見えてしまうことも。生地が薄くて安っぽく見えたり、シワになりやすかったりというのはだらしなく見える原因になります。
機能性スーツがお役立ち
座ったり立ったりしてもシワになりにくい、汗をかいてもすぐに乾く、通気性に優れて涼しいといった機能があるスーツが春夏シーズンに特に役立ちます。また、着るだけでスタイルアップして見えるようなシルエットだとよりグッドです。
軽量スーツとは?
軽量スーツは、スタンダードなスーツよりも軽い素材や仕立て方をしているスーツを指します。工夫された生地や仕立てのおかげで着心地が良いのも特徴です。
軽い生地でストレスフリー
生地の織り方によっても生地の重さは変わってきます。春夏スーツや軽量スーツに使われることが多い平織りは、経糸と緯糸が交互に織り上げていく手法のため、ほかの織り方に比べて生地の密度が詰まりにくいのが特徴です。ちなみに、軽い、薄いというだけでなく平織りの織り物は強度も高めです。
仕立てを工夫している
軽量スーツは仕立ても工夫しています。スーツを軽くするには、生地のほかにも仕立てを工夫することがポイントです。
スーツの裏地が全面にあるのではなく、背中の上部のみに付いている背抜きといわれる仕様や、ほぼ裏地を使用せずに肩パッドを付けないアンコン仕立ての仕様などにすることで、通常のスーツよりも軽いスーツに仕上がります。
通気性や速乾性があり快適
仕立てを工夫することで、軽量スーツには軽さ以外にも通気性や速乾性が上がるのが特徴です。スーツの肩パッドをメッシュ素材にしたり、スーツの裏地と表地に入っている芯地やポケットをメッシュ素材にしたりするということで風が抜けやすくなります。
ジャケットの切れ込み部分が背中の中央裾にあるセンターベントや、袖口のボタンの開け閉めができるようになっている本切羽も風が抜けやすくなり、快適に過ごしやすい仕様となります。
清涼性があるタイプも多い
接触冷感の素材として使われることが多いナイロンは、スーツでもお馴染みの素材です。ナイロンは熱伝導率が高いので、触れた時にヒンヤリとした質感を得られます。
ナイロンのほかにもポリウレタンやレーヨン、天然素材のリネン、シルク、コットンなどとの混紡生地も清涼感がある素材として軽量スーツに多く使われています。
ウォッシャブル仕様も多い
ウォッシャブル機能が付いた軽量スーツが多く見られます。軽量スーツの素材にはナイロンなどの化繊が使われやすく、耐久性があるので洗濯がしやすいのです。
洗っても型崩れしにくく乾きやすいので、汚れた時は気兼ねなく洗えます。ちなみに、ウォッシャブル表示が付いているものは、自宅での洗濯が可能です。
丈夫である
上記でも触れた通り、軽量スーツの素材としてナイロンなどの化繊が多く使われています。化繊は丈夫でヘタりにくいという性質がありますので、洗濯以外にも擦れなどの衝撃にも強く扱いやすいでしょう。軽量スーツは薄い生地であることが多いので、耐久性があると安心です。
ストレッチ機能もあり
上下左右に伸びる4wayストレッチなどフィット性に優れた軽量スーツも多く出ています。ストレッチ性が高いほど、着ていても窮屈な感じがしにくいので、快適に過ごせます。そのような点からも、営業職などアクティブに動き回ることが多い方に軽量スーツはオススメと言えます。
コンパクトである
軽量化されたスーツは、生地の厚みや仕立てなどの工夫がされているので、コンパクトになるのもポイントです。特に出張などでスーツを何着か持ち運びする際は、かさばりにくい軽量スーツがオススメ。シワになりにくいのも便利な点です。
ほかにも特殊加工されたものもある
上記のほかには、撥水機能が付いたタイプもあります。水を弾くので雨や水がかかってしまった場合でもスーツが濡れずに安心です。昨今不安定な気候が多いので、梅雨以外にも急な雨に対応できると嬉しいですね。
軽量スーツの素材種類
軽量スーツの素材には、ナイロンなど以外にも種類があります。順に見ていきましょう。
サマーウール
ウールと言うと、秋冬の素材と思われがちですが、サマーウールに使用する糸は細く、平織りで織り上げているため、秋冬用のスーツ生地とは違った質感になります。
糸が細いことで軽くて通気性にも優れ、汗をかいても素早く汗を吸い取り、べたつきにくい特徴があります。速乾性もあります。
リネン
リネンは、春夏の定番素材でもあります。素早く水分を放出する性質があるので、生地に水分がこもらず軽さを感じやすいでしょう。通気性にも優れてサラリとした質感なので、夏場の軽量スーツの素材として人気です。
コットン
コットンは、丈夫で吸湿性に優れます。春夏のジャケットやパンツの素材としても使用されることが多く、ウールとは違った軽やかさで季節感を感じられやすい素材です。
モヘア
モヘアは、アンゴラヤギの毛で高級品です。軽くて柔らかいのが特徴となっており、ツヤ感とハリ感もあります。そのため、上質な天然素材の軽量スーツを選びたい方にモヘア素材はオススメです。ウールやシルクとの混紡生地などもあります。
ポリエステル
ナイロンと同じく軽量スーツに使われることが多いポリエステルは、ウールとの混紡なども多く、シワになりにくいのが特徴です。ウールだけよりも軽さがあり、ツヤ感も出るので好まれやすい素材です。
ポリウレタン
ポリウレタンは軽量素材であり、ゴムのように伸び縮みする性質があり、ストレッチ性を生み出してくれます。身体にフィットして伸びるので、立ったり座ったりも楽です。また、しゃがんでも破れにくいといったようなメリットもあります。
軽量スーツの着こなし方
軽量化されたシンプルなシルエットである軽量スーツ。軽量スーツの着こなし方について説明します。
ジャケットをしっかり活用する
暑いと脱いでしまうこともある上着ですが、通気性やUVカット仕様など多機能タイプの軽量スーツならば、逆に上着を羽織ることで春夏の日差しから肌を守りやすくなります。
また、上着を脱いだ状態よりも上着を羽織っている方がスマートに見えやすいので、きちんと感あるコーデにしたい時にも役立ちます。
クールなカラーや明るいカラーを取り入れる
軽量スーツの軽やかさが増すカラーとして、ネイビーやブラックというクールなカラーは澄んだカラーを選ぶのがコツです。サラリとした生地感とクリアな発色のダークカラーが、スタイリッシュ見せしやすくなります。
また、春夏らしい明るいトーンのライトグレーやベージュのカラーも、より軽やかさが増した季節感ある着こなしにしやすいでしょう。
ワイシャツやネクタイでバランスをとる
シンプルなシルエットが多い軽量スーツには、きちんと感あるアイテムを合わせるのがコツです。シャツは、ホワイトなど清潔感のあるカラーがおすすめ。
ワイシャツの襟元のシルエットもスッキリしたタイプを選ぶようにしましょう。ネクタイで首元を整えるのもコツです。襟元がキレイだと、全体の印象が上品にまとめやすくなります。

軽量スーツの注意点
軽やかに見える軽量スーツだからこそ、気を付けたい点があります。以下の点に気を付けましょう。
会議の時などはジャケットを着用
会議や商談といった場では軽量スーツ着用時だけに限らず、一般的にジャケットを着用するのがマナー。軽量スーツは通気性も良く涼しさが感じやすいつくりなので、上着を着用しても負担になりにくいでしょう。
ラフ過ぎる着こなしにしない
インナーに使い込んだシャツなどを合わせてしまうと、緊張感のない着こなしになってしまう恐れも。リラックス感がありつつ、きちんと感ある軽量スーツの着こなしををするためには、組み合わせるインナーのシルエットや質感に気を配るようにしましょう。
汗をかいたら洗う
軽量スーツが通気性や速乾性に優れているといっても、汗を大量にかいた場合は洗うようにしましょう。軽量スーツの多くはウォッシャブル機能が付いています。ウォッシャブル表示があれば自宅洗いが可能なので、汚れのもとをきちんと取り除くようにします。
食べこぼしなどの汚れがついた時も同様です。汚れがあるまま放置すると、ニオイの発生やカビの元に。洗ってもすぐに乾くので洗いましょう。
正式な時は長袖シャツ
スーツの下に着るワイシャツは、長袖を合わせるのがスーツのマナーです。しかし、気温が高い日は半袖を着用したい場合もありますね。
クールビズスタイルでは、半袖スタイルも推奨されているスタイルなので問題はないのですが、軽量スーツに合わせる場合、裏地が省かれている場合が多いので、手首まわりの汚れや擦れに気を付ける必要があります。長袖と半袖シャツを状況によって使い分けるようにしましょう。
アンダーウェアに要注意
軽量スーツは生地が薄いため、透け感が気になる場合があるかもしれません。上着の下にはインナーがあるので比較的、問題は無いと思いますが、ボトムスの場合はアンダーウェアのシルエットが響かないような対策をしておくと心配いりません。
縫い目や継ぎ目がないシームレスのアンダーウェアだと、アンダーウェアのシルエットが響きにくくなりオススメです。カラーも透けないようなベージュやライトグレーなどが良いでしょう。
まとめ
今回、軽量スーツの特徴や生地の種類、軽量スーツの着こなし方、注意点などについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。軽量スーツの存在は知っていても着用したことが無いという方はぜひ、この機会に軽量スーツをまとってみることをオススメします。軽くて機能的な軽量スーツは、きっと快適なスーツ生活がしやすくなるでしょう。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。