ボタンダウンは、トラッドな装いには欠かせない人気のシャツです。制服のシャツとしても採用されており、学生から大人メンズまで幅広い世代が使える優秀アイテムと言えるでしょう。スタンダードなホワイトやブルー以外にも、チェックやボーダーなど数多くの柄があるのも魅力。そこで今回は、ボタンダウンの歴史や活躍するシーン、着こなしポイント、着こなしコーデ、おすすめのアイテムなどについて詳しく解説&紹介をしていきます。
ボタンダウンとは?
ボタンダウンは何のためにあるか疑問にもたれる方もいると思いますが、襟元のシルエットが崩れにくく、コーデをきちんとして見せてくれる効果があります。今一度、ボタンダウンシャツについて確認していきましょう。
襟の先をボタンで留めた仕様
ボタンダウンシャツは、ボタンダウンカラーとも呼ばれており、襟の先にボタンホール(ボタンを通す穴)が開いています。シャツの前身頃側にはボタンが取り付けられていて、ボタンを留められるようになっています。
襟の形をキレイに保つ
ボタンを留められることにより、第一ボタンを外した時に襟の形が崩れずキレイにキープしやすくなります。また、クルーネックのニットなどと合わせた時に、襟の先がニットの上に飛び出さずキレイに収まります。
ネクタイが無くてもサマになる
ネクタイを必要としないオフィスカジュアルスタイル時などにも使えます。ネクタイがないと、襟元がヘタりやすくなる問題を改善できるのでとても便利。もちろん、ネクタイを着用してもOKです。ネクタイはシンプルな結び方がオススメとなっています。
ボタンダウンの歴史
ラフな着こなしでもどこかカッコ良く決まるボタンダウンシャツ。そのボタンダウンシャツの由来について詳しく見てみましょう。
ポロ競技が発祥
ボタンダウンシャツの発祥は、ポロ競技からだと言われています。ポロは、馬に乗ってマレットと呼ばれる棒を使って球を打ち合う競技です。よって、襟元が乱れるとプレイの妨げとなり邪魔になります。
そこで考案されたのが、襟がめくれて邪魔にならないようにボタンで留めてしまうという方法。この方法を採る選手たちを見て閃いたのが、最高品質をつくり扱うことを理念とするブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)の創業者ヘンリー・サンズ・ブルックスの孫ジョン・E・ブルックスでした。彼がメンズ服にボタンダウンを取り入れたことで今日に至ります。
アイビールックに欠かせないアイテム
合理性に優れたボタンダウンシャツは、アイビールックにマッチすると大流行りしました。1960年代の高度成長期であった日本でも、アメリカの流行を受けて相当なブームになりました。
ゆったりとした紺色ブレザーにオックスフォード生地のボタンダウンシャツスタイルは、品の良さを感じさせられると、現在でもリバイバルされるほど人気です。
ちなみにアイビールックとは
アイビールックを知らない方もいるかもしれませんね。アイビールックは、アメリカ北東部の8つの名門大学で構成されたスポーツリーグで流行ったアメリカントラッドスタイルです。ネイビーやホワイト、ベージュといった品を感じるカラーが基本で、ラフでありながらもきちんとした印象が得られます。
ボタンダウンはどんなシーンで活躍するか
ボタンダウンシャツは主にカジュアルな印象がありますが、どのようなシーンで取り入れられるのかについて説明します。
クールビズ
クールビズ期間は暑い期間をどう快適に過ごせるかがポイントになります。ボタンダウンシャツは、ノーネクタイでも襟元がキレイに維持しやすいのでクールビズシーズンにピッタリのアイテムです。長袖タイプ、半袖タイプがあります。
ビジネスカジュアル
ボタンダウンシャツは、ビジネスカジュアルの場でも使いやすいシャツです。コットンやポリエステル、リネンなど素材も豊富なので、職場の雰囲気や着心地、シーン、気温に合わせて選べます。
ボタンダウンの着こなしポイント
ボタンダウンシャツの着こなし方にもポイントとなる部分があるので、知っておきましょう。
基本はボタンを留める
襟まわりのシルエットをキープするためにあるボタンですから、ボタンはきちんと留めるのが基本です。あえてボタンを留めないイタリアンスタイルなるものもありますが、留めるべきボタンを留めていないと間の抜けた印象に捉えられるおそれも。プライベートシーンはともかく、ビジネスシーンではきちんとボタンを留めるようにしましょう。
ネクタイ無しなら1番上のボタンは外す
ボタンダウンシャツは、1番上のボタンを留めたままにするとかなり詰まった印象に見えてしまいます。ネクタイがあればバランス良く見えますが、ノーネクタイだとシャツの密度が増して、窮屈な印象になりがちなので1番上のボタンは外しましょう。
1番上のボタンを外すことで、ボタンを留めた時に襟の折り返し部分のロールがキレイに見えるという効果もあります。
シーンに合わせた取り入れ方を
ボタンダウンシャツは、シーンによってはカジュアルでふさわしくない服装と判断されてしまうので注意が必要です。シーンごとに確認しておきましょう。
ビジネス
ビジネスシーンのボタンダウンシャツは、時と場合によって判断しましょう。クールビズやビジネスカジュアルではボタンダウンシャツもOKなのですが、会議や取引先との打ち合わせ、面接など、きちんとした服装が求められる際は、カジュアルに見えがちなボタンダウンシャツは控えるようにしましょう。
冠婚葬祭
葬儀、結婚式といったフォーマルな服装が求められる時も、ボタンダウンシャツは控えましょう。フォーマルスタイルが必要とされる場でのボタンダウンシャツは、意識の欠如とも捉えられる可能性があるので注意が必要です。カジュアルなパーティーなどでは問題ありません。
ボタンダウンの着こなしコーデ
ボタンダウンシャツを使ったコーデには、定番のスタイルのほかにもトレンドを取り入れた今っぽいコーデもあるので紹介します。
【アイビーリーグを彷彿させる】金ボタン紺ブレ×ボタンダウンホワイトシャツ
1950年代に流行ったアイビールックは、定番のスタイルとして時代を感じさせないスタイルとして人気です。ネイビージャケットにホワイトシャツは、ビジネスシーンの基本スタイルでもありますが、ボタンに金色を使っているのがポイント。
品の良い紺ブレザー&清潔感あるホワイトボタンダウンシャツに、トレンドシルエットのジーンズやベージュスラックスでさりげなくモダンさをプラスすると、余裕ある大人メンズのコーデに。ビジネスシーンだけでなくぜひ、休日も取り入れたいスタイルです。
【レジメンタルタイと相性よし】ネイビースーツ×ブルーボタンダウンシャツ×レジメンタルネクタイ
ネイビースーツは、ビジネスマンの必須アイテム。ブルーのボタンダウンシャツを合わせてトーンを合わせると、落ち着き感と品の良さが感じられるスタイルになります。スーツとシャツを馴染ませた分、斜めの縞模様のレジメンタル柄ネクタイでアクセントを。
ちなみに、斜めの縞模様のレジメンタル柄には右上がりと左上がりがありますが、イギリス式だと右上がり、アメリカ式だと左上がりという違いがあります。一般的にはヨーロッパ仕様のスーツであればイギリス式が合うとされています。
【アーカイブコレクションとしても注目】オックスフォードボタンダウンシャツ×ベージュチノパン
ボタンダウンシャツは長年人気のあるシルエットであるため、「ブルックス・ブラザーズ」からアーカイブコレクションとしてオックスフォード生地のボタンダウンシャツが登場するなど、評判となりました。
オックスフォード生地のボタンダウンシャツにチノパンのコーデは、誰もが似合う王道スタイルです。ボタンダウンシャツのコーデに迷ったら、まずはこの組み合わせがオススメです。
ボタンダウンと合わせたいアイテム
ここからは、ボタンダウンシャツと合わせたいアイテムについて紹介していきます。
ボタンダウンとジャケット
ジャケットとボタンダウンシャツとの相性の良さはすでにお墨付き。ビジネスシーンでもプライベートシーンでも使える万能アイテムです。ジャケットの生地感を選ぶことで、季節に合わせて使えます。
ボタンダウンとネクタイ
ボタンダウンシャツにネクタイもオススメです。ネクタイをする場合は、結び目がコンパクトなプレーンノットの結び方が◎。プレーンノットは、シーン選ばない結び方で、シンプルな結び方なので、適度なラフさが出せます。
ボタンダウンとニット
ボタンダウンシャツは、ニットと組み合わせても◎です。ニットをプラスすることで華やかさが増します。ニットの生地は、季節に応じて選びましょう。春ならば、コットンを混紡した素材などがオススメです。クルーネックや、3色のラインが特徴のクリケットデザインのVネックなど、好みのテイストに合わせて選んでみましょう。
ボタンダウンとジレ(ベスト)
ジレやベストをプラスするのもアリです。チェック柄ニットベストでクラシカルな雰囲気にしたり、ツヤ感のあるドレッシーなベストと合わせてスタイリッシュにしたり、イメージするスタイルに合わせて選びます。ジレやベストはジャケットよりもオシャレに見せたい時にもオススメなアイテムです。
ボタンダウンとチノパン
チノパンもボタンダウンシャツとは相性が良いアイテムです。カジュアルな要素を持つチノパンとボタンダウンシャツの組み合わせは、外すことがないコーデと言えるでしょう。チノパンはキレイめな雰囲気も持つので、ビジカジでも使えるスタイルコーデです。
ボタンダウンとデニム
デニムはかなりカジュアルな印象のアイテムですね。ボタンダウンシャツと合わせると、アクティブ感がアップして気取らない大人メンズコーデに。ジャケットをプラスすると、休日のキレイめカジュアルスタイルに仕上がります。
ちなみにボタンダウンにも種類がある
ボタンダウンシャツについて詳しく説明してきましたが、ボタンダウンシャツと言っても生地感や袖の長さが異なるタイプがあります。
その1つとして、“オープンボタンダウン”という第1ボタンが付いていないタイプのボタンダウンシャツがあります。オープンボタンダウンシャツは、首回りの開きが大きくなる分、スッキリと見せたい時にオススメです。
また、ポロシャツのボタンダウン仕様のものがあります。こちらは長袖や半袖など袖の長さに種類があるので、気温に応じて選べます。

ボタンダウンシャツ着用マナー
ここで、ボタンダウンシャツ着用時の守るべき点をおさらいしておきましょう。
・襟のボタンは留めるのが基本
・ネクタイ無しの時は1番上のボタンは外す(2番目までは開けない)
・フォーマルな場やきちんとした服装を求められる時は着用しない
以上の点を守ってボタンダウンシャツを取り入れてみましょう。
まとめ
今回、ボタンダウンの歴史や活躍するシーン、着こなしポイント、着こなしコーデ、おすすめのアイテムなどについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。定番のシャツであっても、生地やコーデの仕方によって印象も異なってくる面白さがあるのがボタンダウンシャツの魅力でもあります。ぜひ、いろいろなアイテムを組み合わせてみて、幅広いボタンダウンシャツコーデを楽しんでみてください。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。