衣替えは夏前と冬前のザックリ2回に分けて行うイメージですが、季節の移り変わりに応じて気温も大きく変わっていくため衣替えも何回かに分けて行ったり、ある程度時間をかけながら衣替え実施したりする方も多いのではないでしょうか。スーツも冬素材と春夏素材があるので、気温に応じて上手に入れ替えていきたいものです。そこで今回は、スーツの春の衣替えについて、収納のメリット、収納方法、収納場所、預ける方法などについて詳しく解説&紹介をしていきます。
スーツの収納時期が迫る
花粉が飛ぶ季節になってくると春の訪れも近く感じます。冬スーツの収納もそろそろ考えていく時期です。春シーズンのスーツの衣替えはいつがベストなのでしょうか。
スーツの春シーズンの衣替え
冬素材のスーツから春夏素材のスーツ素材に入れ替えていく目安となるのは、3月下旬から4月初旬になります。ここで注意しておかねばならないのは、まだ先と考えていても3月下旬から4月初旬はとても忙しい時期になるということです。
3月下旬は年度末で決算関連の業務で忙しくなりますし、人事異動や退職する方に向けた送別会などもあります。また、4月初旬は、新しい職場に慣れるまでバタバタしがちですし、歓迎会などもあるでしょう。そういうことを考えると、余裕があるうちに準備しておくとスーツの入れ替えもスムーズです。
最高気温が15℃を越えてきたらスタート
気温的な目安としては、最高気温が15℃を越えてきたあたりが目安となります。昼間はかなり暖かく感じるようになり、長袖にベストや薄手のニット1枚でも過ごしやすくなるでしょう。アウターも薄手のスプリングコートやジャケットが活躍するようになります。
スーツを収納することで得られるメリット
スーツを何度も入れ替えるのは面倒、と感じるかもしれません。ですが、スーツを収納することで得られるメリットもあります。どのような点が良いのでしょうか。確認してみましょう。
定期的なスーツのメンテナンスができる
スーツの入れ替えを行うことで、定期的にスーツのメンテナンスをすることができます。食べこぼしや雨、ホコリなどによるさまざまな汚れ、そのほかにもシミやシワ、ニオイ、カビ、虫食いなど、気付いていなかったトラブルを発見できる機会になります。
手持ちのスーツを管理
手持ちのスーツにどんなものがあるのかを見直すことで断捨離したり、ほつれや破れのある箇所をお直し専門のショップに依頼したりできます。
スラックスのウエスト部分が苦しいから布を足してもらいたいという場合や、股ズレ部分を補修したいといった場合もお直し専門のショップに対応してもらえるサービスがあります。スーツを収納する作業はスーツ管理に役立つと言えるでしょう。
スーツの保管環境を整えられる
スーツを収納する環境を整えることができます。クローゼットは意外と繊維くずが落ちやすい場所なので、ホコリが溜まってしまいがちです。ホコリが湿気を吸うとカビの発生にもつながります。掃除をすることでクローゼットの中に風も通せるので一石二鳥です。
アイテム&素材&色ごとに収納
スーツ収納をする際にジャケットやスラックス、シャツ、ネクタイなどの小物などを分類して収納すると、見やすくなり便利です。秋や冬の素材で分けたり色で分けたりすることで、普段はあまり着ていなかったスーツやシャツ、ネクタイを積極的に活用できるなど、有効活用する良い機会になります。
スーツの収納の仕方
スーツをしまう際に、除菌スプレーをかけて終了、ということをしていませんか?一時的な保管であればそれでOKでも、長期間収納するとなるとそれでは不十分なことも。スーツの収納の仕方について見直していきましょう。
スーツを洗うのが前提
スーツも洗ってしまうのが基本です。スーツは普段着とは違って着る度に洗濯するわけではありません。よって、襟元や袖口に汗汚れや皮脂汚れ、ニオイなどが蓄積している状態です。汚れがあるままクローゼットにしまえば、カビや黄ばみ、虫食いなどのトラブルにつながってしまいます。
スーツを洗う場合は、洗濯表示ラベルをチェックしてから自宅で洗うか、クリーニング店に出すようにしましょう。
スーツのポケットにもチェックを忘れずに
スーツを洗う前に忘れないようにしたいのは、ポケットの中身です。花粉が気になる季節になってくると、ティッシュをポケットに入れている場合もあるでしょう。ポケットにティッシュを入れたまま洗濯してしまった時の悲劇はなんとも言えないものです。
ほかにも小銭やボールペンなどが入ったまま洗ってしまう場合もあり得るでしょう。ポケットにティッシュやコインなどが入っていると、ほかの洗濯物にダメージを与える場合がありますので必ずポケットの中身はチェックするようにしましょう。
スーツの保管には衣類収納カバーを使用
スーツをクリーニング店に出すと、ビニールの保護カバーが付けられています。これはクリーニングに出した方のためのものというよりも、クリーニング店側でスーツを汚さないために付けられているカバーになります。
よって、自宅で保管する時は、スーツ専用の保管カバーを使いましょう。そのままで収納すると風が通らずにカビやニオイ、変色などの原因になります。
スーツ用ハンガーを使用
これもクリーニング店で返される時に針金ハンガーで返されることが多いため、気を付けたいことです。
針金ハンガーは薄くかさばりにくいのですが、スーツの収納に使用すると布地の一部分に負担がかかりやすくなり、型崩れの原因になります。また、スーツは意外と重みがあるので、針金ハンガー自体が変形してしまう恐れがあります。よりスーツの型崩れを起こしやすくなるので避けるようにしましょう。
理想的なハンガーは木素材のハンガーです。木には吸湿性がありますからスーツに残る余分な水分を吸収して調整する機能に期待ができます。カビの発生を抑えやすくなりスーツの保管に適していると言えるでしょう。肩の部分に厚みがあるスーツ専用ハンガーが理想的です。
吊るし収納が厳しいならスーツをたたんで収納
スーツを吊るスペースがあっても風が通らないようにギッチリと詰まった状態で吊るすのはスーツを保管する環境としては好ましくありません。たたんで収納や収納ケースを活用するのも1つの方法です。
スーツをたたんで収納する方法にはいくつか方法がありますが、最もスタンダードな折り方は、以下の方法があります。
1.スーツの上着の前ボタンを留める
2.スーツを裏返す
3.肩の付け根から袖を後ろ側に折る
4.縦半分に折ったスラックスを2つ折りにする。さらに半分に折ったものを、折ったスーツの上着に重ねる。
5.スーツの上着を2つに折る。(スーツの上着の中にスラックスが折り込まれる形になる)
防虫剤や除湿剤を活用
スーツを吊るして収納する場合、たたんで収納する場合、いずれの場合も湿気や虫食いのリスクから守るために除湿するように心がけましょう。特にたたんだ場合は、湿気がこもりやすい状態なので、除湿はポイントになります。
除湿するためには、除湿剤が手軽です。化学反応で除湿するタイプや炭など種類があります。除湿器はコンセントを必要とするタイプと、充電することで電源を必要としないタイプがあります。いずれの場合も好みや状況に合わせて選ぶようにすると良いでしょう。
こまめに湿気対策をすることも大切です。天気の良い日はクローゼットの扉を開けて空気を入れたり、サーキュレーターや扇風機で風を送ったりすることも除湿対策になります。防虫剤も忘れないようにします。
スーツは毎回、クローゼットにしまうべきなのか
ちなみに、スーツは毎回きちんとクローゼットにしまうべきなのか、という疑問が湧くかもしれません。その点について説明します。
一時的に吊るせる場所があると好ましい
結論から言うと、一時的な保管場所がある方が望ましいです。1日着ていたスーツは汗やホコリなどが付いていますから、すぐにクローゼットにしまうのは良くありません。季節によっては花粉も付着しています。一時的な保管の場所をつくるようにしましょう。
一時的な収納スペースの例
一時的な収納スペースにはどこが適しているのでしょうか。玄関脇の壁にフックがあればハンガーに吊るして、ホコリや花粉を除去する対策も可能です。ラックを使用しても良いでしょう。
ちなみに、椅子にスーツの上着をかけたりスラックスをかけたりするのはおすすめしません。型崩れとシワの原因になり、できたシワを直すなどの手間が増えることになりかねないからです。見た目もスタイリッシュなフックもたくさん販売されていますので、好みに合わせて選択してみましょう。
ちなみにスーツケースに収納する場合は

収納ケース以外に普段は使わないスーツケースに収納したい、という場合があるかもしれません。注意点を見てみましょう。
収納ケースにしまう時と基本的に同じ
スーツを収納ケースにたたんでしまう時と同様の折り方で問題はありません。スーツの上着を裏返しにして片方の袖に入れ込むという方法もありますが、簡単な方法でしまってもOKです。
そのまま持ち歩くならスーツ専用ケースを使用した方が◎
もし、そのままスーツを持ち歩くならば、たたんだままでも良いですが、シワになりにくいスーツ専用ケースに収納して運ぶ方がおすすめです。スーツ専用ケースには専用バッグやガーメントバッグ、スーツケースがあるので、持ち運びやすさや好みに合わせて選びましょう。

スーツの自宅収納に限界を感じたら
もしも、自宅でスーツの保管が難しいという場合には以下の方法があります。
クリーニング店の預かりサービス
クリーニング店によっては預かりサービスを行っている店があります。最大で9ヶ月間預かってもらえるなど、スーツが必要となる季節までスーツを預かってもらえるので、クローゼットが狭い方にもおすすめです。
トランクルーム
トランクルームもあります。こちらは24時間自由に出し入れできるので気軽に保管しておけます。空調や除湿の管理をしているトランクルームがおすすめです。
衣類保管サービス
段ボールにスーツをたたんで送付すると、管理してもらえる衣類保管サービスもあります。オプションでスーツのクリーニングやハンガー収納による管理をしてもらえるところもあります。
まとめ
今回、スーツの春の衣替えについて、収納のメリット、収納方法、収納場所、預ける方法などについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。スーツは毎日使うものですので、いつも気持ち良く着られるようにしたいですね。きちんと管理して収納していれば、お気に入りのスーツも長く着られるようになります。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。