花粉の季節がやってきています。もうすでに鼻センサーが反応している方も少なくはないでしょう。花粉症ではなかった方も、いつ花粉症デビューするか心配している方も多いかもしれません。花粉症になってしまうと普段のコーデはもちろん、スーツスタイル時の花粉対策は必須です。そこで今回は、花粉症のメカニズムから飛散時期の対策、花粉飛散時期に役立つメンズコーデのコツなどについて詳しく解説&紹介をしていきます。
花粉症とはなんだろう?
花粉症はもはや身近な症状ではありますが、メカニズムをきちんと理解しているでしょうか。花粉症が発症する仕組みを知ることで、つらい症状も緩和しやすくなります。
花粉によって引き起こされるアレルギー症状
花粉とはスギやヒノキの花粉によるアレルギー反応なんだろう?と思われる方、正解です。アレルギー症状を引き起こす原因となるスギやヒノキの花粉は春に飛散します。スギやヒノキ以外にもシラカバ、オオバヤシャブシ、ハンノキなどあり、これらの花粉が鼻の内部に侵入すると免疫反応により鼻水やくしゃみが出ることになります。
花粉症が引き起こされるメカニズムとしては、アレルゲンが鼻腔内の粘膜に付着すると、体内に抗体が作られるのですが、皮膚や粘膜に存在するマスト細胞の表面にあるIgE(免疫グロブリン)と呼ばれる免疫に関与するタンパク質と結合することで、活性化して引き起こされます。
花粉が侵入してくると、アレルギー反応を引き起こす免疫細胞であるマスト細胞内のヒスタミンなどの物質を含む分泌顆粒が細胞表面に輸送され、血管や神経などに作用してくしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血、涙、頭痛などにつながる症状が現れるのです。
花粉の飛散時期は長い
花粉の飛散時期は、大よそ毎年1月下旬から4月で、ピークは2月半ばとされています。ちなみに、2025年は2月上旬から九州から関東の一部で飛散する予測がされており、スギ花粉の飛散のピークは2月下旬、ヒノキは3月下旬から4月上旬と言われていますから、少なくとも2ヶ月ほどは花粉対策が必要となってくるでしょう。
生活の乱れによって悪化することも
花粉症の煩わしい症状は、生活の乱れが関係していると言われています。生活習慣の乱れは花粉症だけでなく不眠や肌荒れ、高血圧など多くの身体の不具合を引き起こす原因となります。そのため、規則正しい生活はとても大切なことです。
花粉の飛散時期にするべきことは?
では、花粉の飛散時期にすべきことはなんでしょうか。順番に見ていきます。
花粉の接触を防ぐ
まずは、花粉の付着を防ぐようにしましょう。マスク、メガネ、帽子などが有効です。また、顔にバリア膜を築くことも重要です。花粉の付着を防ぐスプレータイプやクリーム、エッセンスなどがあるので、好みに合わせて使用するようにしましょう。敏感肌の方やお子さんも使える低刺激タイプのアイテムもあります。
薬の活用
薬の服用も一般的な対策に入るでしょう。抗アレルギー薬、アレルギー薬の一種である抗ヒスタミン薬、鼻噴霧ステロイド薬、目薬などがありますので、不快症状に合わせて選びましょう。
どのような薬を選べば良いか分からない場合や、一人一人の体質や症状に合わせて薬効成分を処方してもらいたい場合は、クリニックで受診しましょう。
生活習慣の見直し
花粉症の発症を避けるには、なるべく花粉と接触しないようにすることが一番ではあります。と言っても、仕事や用事がありますから、花粉を避けて暮らすのはまず不可能に近いことです。
よって、上記の対策を含めた十分な睡眠や栄養バランスを考えた食事、お酒をたしなまれる方は飲酒を控える、喫煙している方はタバコをやめる、スキンケアに気を配るといった配慮が必要となってきます。生活習慣を見直すことで、花粉の影響を受けにくい状態を作るようにしてみましょう。
スーツの花粉対策はどうするべきか
サラリーマンの制服とも言えるスーツについても、しっかりと対策しておきましょう。
花粉は目に見えないことを意識
花粉はとても小さいので肉眼では確認できません。したがって花粉を避けて生活することは無理な話です。
外出する度にスーツには無数の花粉が付着してしまいます。見た目的には花粉が付着しているようには見えないからといって、そのまま家に入るのは危険です。そのまま、家に入れば花粉を運び込んでいるようなもの。油断しないことが大切です。
スーツについた花粉をブラシがけで落とす
家に入る前にブラシでスーツに付いた花粉を落とすのが望ましいですが、人の視線などを気にすると、なかなか家の前で花粉を払うのははばかられます。
そこで、玄関でブラシを使ってスーツに付いた花粉を落とすことをおすすめします。落ちた花粉は舞い上がると家に入り込むことになるので、空気清浄機を玄関に置いておくとベストです。
ちなみに、スーツの素材がウールや化繊混紡やツイードならば、しっかりとした質感の豚毛ブラシ、カシミヤやシルク混紡なら柔らかい馬毛ブラシを使って花粉を落とすようにすると良いでしょう。
クリーナー・粘着テープ
花粉を払うのではなく、粘着テープやクリーナーでスーツに付いた花粉を取り除くのもおすすめです。
クリーナーは掃除機と同じ仕組みではありますが、静電気防止ブラシなどを採用することで、花粉が再び付くのを防止するタイプなどがあります。
コンパクトな粘着テープのローラータイプは、花粉だけでなくホコリを取り除けるので、普段からスーツをキレイに維持するために持ち歩いている方もいるかもしれませんね。テープ式は花粉が舞い上がらないのも良い点です。
定期的に洗う
スーツを定期的に洗うのも対策の1つです。ウォッシャブル機能のスーツならば汚れも取り除けるので気持ち良く着られるでしょう。ただし、ウォッシャブル機能のスーツではない場合、素材によっては洗濯によりスーツ生地を傷める原因になりますから、素材と頻度を考えて洗う必要があります。
花粉防止スプレー
花粉の付着を防止するためには、静電気を発生させず留めないようにすることがポイントです。これはスーツの素材だけでなく、服の組み合わせによっても発生する問題なので、コーディネートの仕方も気を付ける必要があります。
手軽なのは静電気防止スプレーを活用することです。花粉付着を防ぐだけでなく、抗ウイルスの機能、消臭効果があるもの、香りのありなし、携帯用など種類があるので好みや状況・目的に合わせて選んでみましょう。
花粉対策にはスーツの上に一枚羽織るのがおすすめ
手軽に花粉から守る対策としておすすめなのは、スーツの上に花粉が付着しにくい羽織りを活用することです。トレンチコートやスプリングコート、ウール素材ではないステンカラーコートなどを取り入れてみましょう。
ただし、ウールとポリエステルなどの化繊との組み合わせは、静電気が発生しやすい組み合わせになりますので、静電気防止スプレーをスーツにかけておくと良いでしょう。
スーツの素材の選定
スーツ生地の選び方も大切になります。寒い季節はともかく、暖かくなってきたら表面に凹凸があるウール素材のスーツではなく、花粉が付着しにくいサラリとしたポリエステル、ナイロンなどの素材のスーツを検討してみましょう。
ウール素材は凸凹があることで花粉が付着しやすくなり、繊維の中にも花粉が入り込みやすくなってしまいます。寒い時期はウール素材のスーツの方が暖かいからなるべく着ていたいという気持ちは分かります。そんな時は上記でおすすめした花粉防止専用または静電気防止スプレーなどを活用してみましょう。
花粉が付きにくいおすすめメンズコーデのコツ
花粉が付きにくいコーデのポイントを知っておけば、花粉飛散時期の不快な症状軽減につながります。以下の点に気を付けましょう。
フラットな素材を活用
まずは、サラリとした質感の素材を選ぶことが大事です。サラリとした質感ならば、花粉が付いても落ちやすくなります。一般的に凹凸が少ないナイロンやコットン素材のチノパンなどは花粉が付きにくいと言われています。
プラスとマイナスのコーデをしない
静電気が発生しづらいコーデにするということが大切です。静電気は花粉を引き寄せますから、プラスに帯電しやすいものとマイナスに帯電しやすいもののレイヤードコーデなどは注意が必要です。
マイナスの電気を帯びやすいのは、ポリエステルやアクリルが挙げられ、プラスの電気を帯びやすいのはウール、ナイロン、レーヨンなどが挙げられます。同じ化繊でもプラスとマイナスに帯電しやすい素材が違うので、レイヤードする時などは注意して組み合わるようにしましょう。
ニットやベストをコーデする時は花粉対策スプレーがおすすめ
春先でもまだ冷えますからスーツにニットやベストをプラスして防寒対策を行いたいですよね。静電気が発生しにくい=花粉を寄せ付けづらいコーデを簡単に行うためには、すでに紹介したお助けアイテムを使うことがおすすめです。静電気防止スプレーや花粉防止スプレーを使いましょう。
静電気防止スプレーは、界面活性剤を使うことで電気を流しやすくして静電気が発生しにくい状況を作ります。花粉防止スプレーは、イオンの膜を張って花粉が付着するのを防いだり、保湿することで静電気に引き寄せられやすい花粉を防いだりします。上手に花粉対策アイテムを使いこなすのがコツです。

花粉症かもと思われた時は
花粉症の代表的な症状である鼻水や目のかゆみなどがなかなか改善しないという時は、自己判断で改善を図ろうとするのではなく、専門家の診断を受けて症状を悪化させないことが大事です。
クリニックで診断を受ける
アレルギー専門医のいるクリニックは、血液検査や皮膚検査によるアレルギー反応検査を行っています。花粉症だと思ったら、違うアレルギーだったということもあるかもしれません。生活の見直しや市販薬を使用しても改善の兆しが見られない場合は、一度、専門クリニックで検査を受けてみましょう。
免疫療法もあり
花粉症などのアレルギー症状を根本から改善を目指す治療法として、免疫療法も挙げられます。こちらは、全ての方に効果が期待できるとはされていませんが、お子さんから受けられる舌下免疫療法はアレルギー反応を抑えることでアレルギー反応を弱めていく治療法となっています。詳しくはクリニックで確認してみましょう。
まとめ
今回、花粉症のメカニズムから飛散時期の対策、花粉飛散時期に役立つメンズコーデのコツなどについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。花粉症の仕組みを知ることで、花粉に悩まされる時期も快適に仕事に取り組めるようにしたいですね。スーツの素材や組み合わせなどに注意して、つらい花粉飛散時期をなんとか乗り切りましょう。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。