ビジネスからカジュアルまで着回せる万能コートが欲しい方に「ステンカラーコート」は、イチオシのアイテムです。シンプルなシルエットなので、モダンな着こなしにも対応できます。ボトムスを選ばないAラインシルエットで、体型をキレイに見せてくれるのも嬉しいところ。そこで今回は、ステンカラーコートの特徴、人気の理由、バルカラーコートやトレンチコート、チェスターコートとの違い、シーン別の取り入れ方のポイントなどについて詳しく解説&紹介をしていきます。
ステンカラーコートの特色
ステンカラーコートの特性とはどんなものでしょうか。よく耳にするアウターの1つであるステンカラーコートについて説明します。
首に沿って立つ襟腰でスッキリ見え
コンパクトな襟が特徴です。後ろ側には高さがあり前になるほど低くなる襟は、顔周りをスッキリと見せてくれます。正面のシルエットは、ワイシャツのカラーシルエットならば、レギュラーカラーやワイドカラーに近いイメージです。一般的な体型の方から肩幅がある方、ガッチリ体型の方にも合う襟のシルエットとなっています。
装飾が少ないシンプルシルエット
ストンとしたAラインで、スーツやジャケットのスタイルもキレイにレイヤードしやすいでしょう。装飾が少ない分、素材や仕立ての良さ、デザインにこだわった高級スーツなどを活かせるコーデにできます。上半身が細く下半身は広がるシルエットなので、顔が小さく見えて脚が長く見えやすくなるのも嬉しいポイントです。
シンプルな分、素材や柄で変化を付けたファッションコーデにすると、オシャレに見えます。インナーのニットやスーツとテイストを合わせたステンカラーコートコーデは魅力的なコーデの1つになります。
着丈の種類が豊富
膝より上に10センチの長さであるミドル丈が標準とされていますが、腰より少し長さがあるヒップ中央くらいまでのショートタイプや、膝から膝下くらいのロングタイプもあります。あまり数は少ないですが、くるぶしくらいまでのマキシ丈という超ロングタイプも見られます。
ステンカラーはなぜ人気?
ステンカラーが毎年、流行に関係なく販売されているのはなぜでしょうか。下記にて人気の理由を分析してみましょう。
シンプルなフォルム
襟や全体のフォルムがスタンダードで男性、女性関係なく愛されるフォルムです。年齢を問わないのも良い点です。
以前、体型別スタイリングコーデが話題になりましたが、Aラインのフォルムは身長の高低差に関係なく全身を美しく見せてくれます。さらには着やせ効果にも期待ができるのも優れたところです。また、上品な印象も得られることから、社会人のアウターとしてもかなり使いやすいと言えるでしょう。
トレンドに流されない
トレンドに流されないのも人気の理由です。体型をキレイに見せる効果が高いシルエットであることや、主張が少ないスタンダードなデザインであることがタイムレスに着られる要因になっています。
ちなみに、ステンカラーコートは日本だけでなく、さまざまな体型の方が多い海外でも支持されています。流行のシルエットを追うのではなく、襟を立たせて着てみたり前を開けて中のインナーとのレイヤードを見せるようにするなど、自分流のアレンジで着こなす姿は私達も参考にできるでしょう。
着まわしがきく
ステンカラーコートは主にビジネスシーンで着用されるイメージを持つ方も多いかもしれませんが、シンプルだからこそ、ビジネスからカジュアルまで幅広いスタイリングに活かせます。
マフラーやストールを使って変化を楽しめるのもポイントとなっており、マフラーの巻き方を活かしたコーデもしやすいでしょう。
バルマカーンコートの違い
ステンカラーコートとはバルカラーコートのことなのでは?と、思っている方も多いと思います。違いについて解説します。
大きな違いない
実は、大きな違いはありません。むしろ、同じものとして認識されています。というのも、ステンカラーコートは「スタンド・フォール・カラー」がなまって伝えられて日本独自の呼び方になったという説もあり、シルエットなどからステンカラーコートとバルカラーコートは同義とみなされています。
ただし、丈や素材などオリジナリティあるタイプに変化を遂げているものもあるため、厳密には分けて呼ぶべきという声もあります。一般的な認識としては、同じととらえておいても問題ないでしょう。
アレンジされたタイプが増えている
ちなみに、アレンジされたタイプの例としては、上記でも触れたさまざまな丈の違いのほかにも素材や袖のデザインが見られます。
素材であれば、ポリエステルやナイロンの化繊、コットンやリネンなどの天然繊維、ウールやカシミアなどの動物繊維など種類も多く増えています。
デザイン的な面から言えば、ひも付きであったり、ラグランスリーブという襟の付け根から脇まで斜めに縫い付けられたデザインであったりと、通常の肩仕様とは異なるタイプも増えています。

トレンチとチェスターとの違い
秋冬のメンズアウターとして活躍するトレンチコートとチェスターコートとの違いについても解説しておきましょう。
トレンチは陸軍由来
トレンチコートも非常にステンカラーコートと似ていますが、発祥が異なります。トレンチコートは、かつてイギリスの陸軍が軍用アウターとして生み出されました。頑丈であること、水に濡れにくいことなどが求められ、戦争が終了すると時代と共に一般のコーデに取り入れられるようになったのです。軍服のルーツを感じるようなカッチリとしたシルエットが特徴です。
チェスターは貴族の乗馬服
チェスターコートは、正式名称を「チェスターフィールドコート」といい、元は貴族の乗馬服でした。イギリスの貴族社会では乗馬は貴族の学ぶべきものだとされており、服装もエレガントなスタイルが求められ、襟付きのシャツやジャケットやコートという装いが基本となりました。
ちなみに、イギリスの乗馬スタイルである“ブリティッシュスタイル”は、ダイナミックな動きをするのではなく、手綱や脚を使って品のある乗馬スタイルが特徴です。
品のある乗馬スタイルは、やがて19世紀半ばにオシャレ好きとして知られるチェスターフィールド伯爵が乗馬以外でも着用するようになると、徐々に一般の人へと広がって行きました。
トレンチコートもチェスターコートも由来が異なることで、似たような点を持ちながらもデザインや素材の違いなどが見られるようになったのです。
どんなスタイルに合う?
では、ステンカラーコートはどんなスタイルに合うのでしょうか。シーンに分けて考えてみましょう。
ビジネスシーン
ステンカラーコートの活用シーンとして、ビジネスシーンが最も多く見られるでしょう。定番のスーツスタイルからビジカジスタイルまで、コーデのポイントを説明します。
定番スーツ
定番のベーシックなスーツならば、難しいことを考えることなく羽織るだけでコーデが完成します。ステンカラーコートは、ブラックやネイビー、ベージュ、グレーなどの落ち着いたカラーが主流。スーツとカラーが違う場合でも、ベーシックな組み合わせならば違和感なく馴染ませられます。
ジャケパン
ジャケパンスタイルならば、ジャケットやボトムスのカラーに合わせてステンカラーコートのカラーを合わせると、統一感のあるこなれたスタイルにしやすくなります。スーツスタイルよりもややカジュアルなイメージになる分、オリーブなどの少しカジュアルテイストのステンカラーコートだとオシャレ感が増します。
カジュアルシーン
カジュアルシーンにステンカラーコートを取り入れたコーデは、品のあるスタイルに仕上がり、冬場だけでなく春先や秋の羽織として活躍します。
Tシャツやスニーカー
Tシャツとチノパンまたはジーンズにスニーカーというスタイルにもステンカラーコートはマッチ。ステンカラーコートを組み合わせることで、一気にキレイめスタイルに仕上がります。ネイビーよりはカジュアルなテイストになるベージュや、オリーブ、チェック柄などがより合うのでおすすめです。
ワイドパンツ
ゆとりがあるワイドパンツは、締め付け感がなくストンと下まで落ちるラインが体型カバーもしやすいと人気。
Aラインのステンカラーコートと合わせると、リラクシー感のある今っぽい雰囲気になります。トップスとボトムスのボリュームが出る分、明るいカラーで軽やかさを出すと、バランスの良いスタイルコーデにしやすいでしょう。
結論としてどんな服装にもマッチする
シンプルなシルエットでちょうどいいトラッド感があるステンカラーコートは、オンでもオフでも上品できちんと感あるスタイルに仕上がります。マフラーやストールなどで着こなしを工夫することで、定番のスタイルから今どきなスタイルまで楽しめます。
まとめ
今回、ステンカラーコートの特徴、人気の理由、バルカラーコートやトレンチコート、チェスターコートとの違い、シーン別の取り入れ方のポイントなどについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。シンプルなフォルムでスーツスタイルからカジュアルスタイルまで取り入れやすいステンカラーコートは、インナーを工夫してかさばりやすい冬のアウターもミニマムにすることも可能です。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。