メンズ・レディース問わず、ボトムスの王道ファッションであるジーンズ。シャツとジーンズのカジュアルコーデから、ジャケットとジーンズの紳士風コーデとしても好相性ですね。
生地の厚みによっては夏・冬に限らず一年中、着まわす方も少なくないのではないでしょうか。
黒色・白色などのジーンズも存在する中でジーンズと言えば青色を連想する人が多いかと思いますが、なぜジーンズは青色が多いのか?同じボトムスの呼称として知られているデニムやジーンズの違いはなにか?
今回はジーンズの由来や特徴をはじめ、デニムやジーンズの違いについて解説します。
ジーンズとは?
ジーンズ(Jeans)はデニム(Denim)などの厚手生地や綿生地(Cotton)を使用して作られたカジュアルなズボン(パンツ)を指します。また、ジーンズの素材となる細綾(ほそあや)の丈夫な綿布をジーン(Jean)と呼びます。
つまり「ジーンズ=ズボン」、「デニム=綿の厚地織布」、「ジーン=細綾」となります。
ジーンの細織を裁断してパーツごとに分けてから縫製するため、完成した衣料品をジーンズと呼びます。
綾織は織物三原組織の一つで縦糸(たていと)または横糸(よこいと)がそれぞれ浮いて、織面に斜方向に綾線が走っている織物で、この綾線があるため斜文織(しゃもんおり)とも呼びます。
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それぞれの違いが見えてきたところで、歴史や語源についてより細かく説明していきます。
ジーンズ誕生の歴史
まずは16世紀頃にジーンが誕生したと言われております。その後デニムが誕生しました。
ジーンズの原型は19世紀頃にアメリカのカリフォルニアで作られました。当時、金鉱山などの過酷な環境で働く労働者達のために、丈夫な生地を用いて耐久性の高い作業用のパンツを開発したのが始まりと言われております。
ジーンの語源
ジーンはイタリアの都市ジェノバという街の名前でJjean fustian(ジーン ファスティアン)が語源で、ファスティアンは綿と麻が原料の織物という意味です。
デニムの語源
デニムはフランス語のSerge de nimes(セルジュ・ド・ニーム)が語源です。当時は綿花などの栽培もされており、国内や海外に綿製品の貿易も盛んに行われておりました。
特に港町に近いフランス南部の「ニーム」地方が織物生産地として繁栄しており、アメリカなどの英語圏で取引されるようになりました。英語に訳される過程で「ド・ニーム」が「デ・ニーム」になまり、「デニム Denim」へと呼ばれるようになりました。
ジーンズの語源
上述の通り、ジーン生地の産地であるイタリアのジェノバを表すフランス語Gêne(ジェーヌ)が英語訳でJean(ジーン)となり、そこから複数形のJeans(ジーンズ)になったと言われております。
複数形になった背景としては、左右の足に着用するものを別として捉えており、それぞれ
英語で靴下(Socks)、パンツ(pants)、靴(shoes)など複数形で呼んでいたためです。
当時、ジーン(Jean)は生地を指しておりましたが、ジーンズ(Jeans)と複数形になったため、生地ではなくズボン(パンツ)を表すことになります。
ただし、諸説ございますので、ジーンズはズボンに限らずデニム生地で作られた衣類全般を指すこともあります。
ジーンズはなぜ青いのか
当初のジーンズは生成色(漂白あるいは染色される前の素材そのものの色)が主流でしたが、当時ジーンズを着用して鉱山で働く労働者のために、鉱山に潜む毒蛇や毒虫を避けるために青く染められました。
ジーンズはインディゴ(縦糸に使われる青い染料)で染められており、天然のインディゴの葉には虫や爬虫類をはじめ、両生類の嫌う成分が含まれております。
現在生産されているジーンズの多くは合成インディゴ染料のため、虫除け効果はほとんど期待できませんが、インディゴブルーのジーンズは当時、鉱山で働く人たちにとって、強い味方だったそうです。
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ジーパン(Gパン)とは?
同様のボトムズに対して、ジーンズやデニムの他にジーパン(Gパン)と呼ぶこともありますね。実は「Gパン」は日本でのみ使われている言葉で、この「G」が由来という説もございますが、他にも諸説あるため、ご紹介させて頂きます。
諸説① ジーパンの音声をアルファベットで表記した
ジーパンの「ジー」の音をアルファベット表記したとされております。また、ジーンの語源であるイタリアのGenova(ジェノバ)の「G」が由来という説もあります。
諸説② アメリカ兵が着用していたため
アメリカ兵のことを示す一般名詞として「G.I」=Government Issueと表記します。
なかにはG.I.ジョー(G.I. Joe)という言葉を聞いたことがある人も多いかと思います。
第二次世界大戦の頃に日本でジーンズが広まり、戦後アメリカ兵が着ていたジーンズの古着が東京・上野のアメ横などで多く出回りました。
アメリカ兵は普段、軍服を着用しておりましたが、休日は普段着にジーンズを着用する事が多かったようです。そのため「GIが履いていたパンツ」を略して「Gパン」という説もあります。
まとめ
ジーンズ(Jeans)は厚手生地などで作られたカジュアルなズボン(パンツ)。
ジーン(Jean)はジーンズの素材となる細綾(ほそあや)の丈夫な綿布。
デニム(Denim)は綿の厚地織布。
ジーンズの原型は19世紀頃に金鉱山で働く作業用のパンツとして開発された。
ジーンの語源はイタリアの都市ジェノバ(Jjean fustian=ジーン ファスティアン)
デニムの語源はフランスの都市セルジュ・ド・ニームが英語訳の過程で変化した。
ジーンズの語源はJean(ジーン)が複数形のJeans(ジーンズ)になった。
ジーンズが青色なのは鉱山に潜む毒蛇や毒虫を避けるため。
ジーパン(Gパン)の由来はジェノバの「G」やアメリカ兵の「GI」など諸説ある。
ジーンズとデニムの違いについて解説させていただきました。ジーンズの語源や歴史についても理解を深める事ができたかと思います。もし知人にジーンズやデニムの違いを聞かれたら、ぜひこちらの記事をご参考ください。
以上、「ジーンズ」や「デニム」「ジーパン」の違いについての解説でした!