日本の夏場平均気温は上昇しており、亜熱帯化しているとも言われています。状況によってはまだまだ気温が上がっていく可能性も考えられるでしょう。ただでさえ暑いのに、緊張や加齢による影響で汗が止まらない場合も。特に汗をかきやすい方ならば、汗の問題は大きな悩みに繋がっているかもしれません。ですが、汗対策にしっかり取り組んでおけば、汗をかきやすい方も不快感の軽減を目指せます。そこで今回は、スーツ時の汗対策方法、汗をかいた時のお手入れ方法などについて詳しく解説&紹介をしていきます。
スーツのズボン・スラックスなどの汗対策は必要か?
スーツスタイルの時に汗をかくと何かと気を使います。汗をかけばニオイも発生しますし、シワやシミの恐れも出てきます。そのため、汗をかいても大丈夫なように事前に対策をしておくと、汗をかいた時のストレスを減らせます。
汗対策しないとイヤな臭いが発生
近年、“スメルハラスメント”という言葉がメディアでも話題に上ります。略してスメハラとも呼ばれ、体臭や香水・タバコなどのニオイが周りの人に不快感を与えることが問題になっています。汗をかけば皮脂などをエサにした細菌も繁殖しやすい状態となり、イヤなニオイも発生しがちです。
シミ&黄ばみになる
汗がスーツに蓄積していくと、シミや黄ばみの原因になります。これは繊維の奥に染みこんだ汗に含まれる皮脂よごれが酸化することによって起きる状態で、清潔感が損なわれるだけでなく、スーツの劣化にもつながります。一度ついた黄ばみは、洗剤に浸け置きしたり衣類用の漂白剤を使用したりして落とす必要があります。
スーツの寿命が縮む
汗をかいて頻繁に洗うと、汚れは落ちてもスーツ生地はどうしても傷みやすくなります。また、洗うのをためらいアイロンで消臭や除菌しようとすると、熱に弱い素材(主にポリエステルなどの化繊)は回数を重ねるごとに生地表面が伸びや溶けるといった原因になります。
スーツ着用時の汗対策はどうする?
では、スーツ時の汗対策はどうすれば良いのでしょうか?汗をかく前の対策法と汗をかいてしまった後の対策法について紹介していきます。
汗をかく前の対策法
夏前や夏場・秋の始めはまだまだ暑い日が続きます。気温が上がると分かっているならば、汗をかく前に以下の方法にて対策しましょう。
通気性の良いスーツを選ぶ
スーツの通気性は大事です。コットンやリネンの混紡だと風が通り汗をかきにくくなります。また、コットンやリネンは放湿性を持つため、蒸れにくくなってイヤなニオイの発生抑制が可能です。汗が速く乾くことで、汗ジミもつきにくくなります。
また、スーツの織り方は平織か綾織かによっても生地の厚さが異なるので、涼しさに関係してきます。平織りのスーツだと、縦糸と横糸をシンプルに交差させた織り方であるので、生地も薄目に仕上がります。夏のスーツにおすすめです。
下着にこだわる
アンダーウェアの役割は大きいでしょう。吸収や防臭などの機能がついたタイプが多く出ているので、機能性下着を味方に汗対策を行います。
マイクロ繊維を使用したタイプや、和紙を使用したタイプなど各メーカーでも吸湿性と放湿性、冷感接触などの機能を兼ね備えたアンダーウェアが開発されています。シルエットやデザインなど、好みや用途に合わせて選びましょう。
ロング丈のシャツを選ぶ
背中に汗をたくさんかきやすいといった場合は、背中部分が複数層になった汗を吸い取りやすい下着や、メッシュ生地がついた下着などで対策もできますが、あえて着丈が長いシャツを選ぶのも汗対策の方法の1つです。布地が多くなればその分、汗を吸い取る余裕が生まれます。汗対策用の下着やアイテムを購入しなくても手持ちのシャツですぐ対策できるのもポイントです。
下半身の汗対策にはステテコ
ステテコは“ズボン下”とも呼ばれ、昔から愛用されるアンダーウェアでもあります。夏場は汗対策にサラリとしたコットン素材やメッシュ、冬場であればウールやカシミヤを素材とした保温性のあるタイプなどがあり、1年中活躍します。
下半身の汗対策ならば吸湿性のあるコットンやドライ感のあるポリエステルやナイロン・レーヨン混紡などがおすすめです。ステテコを着用することで、お尻が蒸れて座った形に汗ジミができるといった心配を防げます。座り仕事が多い方にステテコはかなりおすすめです。
汗専用アイテムを活用
ドラッグストアやスーパーでも手軽に手に入る制汗剤や汗取りパッドなども活用してみましょう。制汗剤は汗が出る部分にフタをしたり、汗腺を引き締めたりすることで汗が出るのを防ぎます。汗を完全に止めることはできませんが、複数回塗り直すことで効果を期待できます。制汗剤はスプレーやクリーム・スティックなど種類も多くあります。好みに合わせて選びましょう。
汗とりパッドは、しっかりと汗を吸ってくれるので、汗をかきやすい脇部分など汗ジミが気になる部分に取り入れると良いでしょう。肌に直接貼るシールタイプもあります。
汗をかいた時の対策法
「汗を大量にかいてしまった!」という時にはシンプルなケアが有効です。
汗は拭き取る
まずはかいた汗を拭き取ります。タオルでも良いのですが、汗ふきシートがあると便利です。こちらもコンビニやドラッグストアなどで簡単に手に入ります。顔用やボディ用などの種類があり、無香タイプ、香りがあるタイプ、清涼感があるタイプなどがあります。大判のシートなどもあるので、シーンなどに合わせて選ぶと良いでしょう。
着替える
汗でビチョビチョになってしまったら、着替える方が早いですしサッパリできます。インナーやビジネス用シャツ、ジャケット、パンツ(スラックス)などを職場に用意しておくと汗をかいてしまった以外にも急な雨などの場合にも対応できます。
身体をクールダウン
シャワーを浴びれば汗やニオイ、不快感を一掃できます。出張などでホテルに宿泊する際は、シャワーを浴びて汚れを落とすと共に身体をクールダウンさせましょう。シャワーを浴びることができない場合は、脇の下や太ももや首など太い血管が通る部分をピンポイントで冷やすと汗がひきやすくなります。
汗だくのスーツやズボン・スラックスのお手入れの仕方は?
汗だくになったスーツ、今すぐどうにかしたいものですね。ケアの方法について説明します。
ブラッシング
まずは、スーツについた汚れを取り除きます。今すぐクリーニングに出せない場合や洗濯できない場合、洗濯が難しいといった場合にブラッシングでスーツに付いた汚れを落としておきます。ハリのある豚毛のブラシだと、ポケットにたまったホコリなども効率的に取り除きやすくなります。
固く絞ったタオルで汗抜き
汗が染みこんだ部分に水に浸して固く絞ったタオルを叩くようにして汗を吸わせます。この時、擦ってしまうと毛羽立ちの原因となるので、叩くようにして汗を吸い取るのがポイントです。タオルを使った後は、スーツが湿っている状態なので風が抜ける場所で陰干しをしましょう。
スチームアイロンを投入
スチームアイロンを使うと除菌やニオイとりがしやすくなります。汗を固く絞った濡れタオルで吸い取ったら、スチームアイロンを使ってプラスでケアすれば、汗をかいた後のニオイやシミなどの対策もだいぶしやすくなるでしょう。普段のスーツのケアならばこの方法が有効です。
ウォッシャブルスーツなら自宅で洗う
ウォッシャブル機能があればキレイサッパリ洗ってしまいましょう。スーツ生地が傷まないように軽く折り畳んだら洗濯ネットに入れて弱モードもしくは手洗いで洗います。ウォッシャブル機能があるスーツは、速乾素材を使用している場合が多いので、夜洗えば翌朝には乾いてすぐに着られるといったメリットもあります。
クリーニングに出す
ウール混紡素材や加工されたウールならば自宅で洗うのも可能な場合がありますが、100パーセントウール素材であったり、繊細な生地を使用したスーツであれば、クリーニング店に出すことをおすすめします。水温や専用洗剤、汚れの落とし方などに対しての専門意識を持っているので、自宅で洗濯をして「縮んでしまった!」などのリスクを減らせます。
まとめ
今回、スーツ時の汗対策方法、汗をかいた時のお手入れ方法などについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。汗の対策をしておくと、仕事に取り組みやすくなり1日を快適に過ごせるでしょう。汗をかいてしまった場合も、着替えなどを用意しておけば汗をかくことへの心配も減らせます。備えあれば憂いなしです。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。