主に春から秋頃の普段着として着用されることが多いスウェット。
近くのコンビニやカジュアルな格好で外出する時に、スウェットのトレーナーやスウェットのパンツを選択する人も多いかと思います。
動きやすくて着心地も良いスウェットですが、あらためてスウェットとはなにか?
よく混同しやすいトレーナーやパーカー、ジャージ、セーターなどと何がの違うのか
疑問に思われた事がある人も多いかと思います。
この記事ではスウェットの基礎情報や特徴をはじめ、各ファッションとの違いについて解説します。
スウェットとは
スウェット(sweat)は綿を平編みにしたニット生地です。ニット生地は1本の糸から編み込まれた素材で、スウェット生地はニット生地の一種に含まれます。
スウェットの由来はアメリカでスウェットシャツ(sweatshirts)と呼ばれる衣服からきております。スウェットシャツはアメリカの会社が開発した綿・コットン(cotton)の厚手生地で作られた、前後にボタンなどの開きがなく引っ張って(pull)頭からかぶって(over)着るプルオーバーのシャツになります。
スウェット生地の特徴
スウェット生地は①コットンやコットン混毛のファッション系コットンスウェットと
⓶ポリエステル素材のスポーツ系 ポリエステルスウェットの2種類があります。
スウェット生地の大きな特徴としては表地と裏地の異なる二重構造となっている点です。
表地は平編み・天竺編み(てんじくあみ)で編まれた「メリヤス」と呼ばれる生地になっており「伸縮性」があって「なめらかな肌触り」となっております。
裏地は①パイル状・ループ状に編み込み、少し浮かせたタオル地のような生地の「裏毛」と
②裏毛を起こして毛羽を一定の長さに立たせた生地の「裏起毛」の2種類があります。
2種類の記事が組み合わさる事で「伸縮性」「吸汗性」「吸湿性」「保温性」「防寒性」に優れた厚手の頑丈な素材となります。
その他、綿100%で構成されたスウェットやポリエステルと混紡したスウェット、繊維にスパンデックス(spandex)を混紡して、機能を向上させたスウェットなども存在します。
以上のように、スウェットは伸縮性に優れているため、動きやすくて着心地が良いのですが、伸びやすいという性質もございますので注意が必要です。
スウェットの袖は3種類存在する
スウェットの特徴として、もう一つ上げられるのが「袖」です。大きく分けて①セットインスリーブ ②フリーダムスリーブ ③ラグランスリーブの3種類があります。
①セットインスリーブ
肩から脇に向けて縫い目がある袖付けのことを「普通袖」「セットインスリーブ」「セットイン」と呼びます。
セットインスリーブはもっとも一般的な袖付きのスタイルなので、スウェット以外にも紳士服のジャケットやシャツなどカットソー(cutsew)の袖付けとしても採用されています。
原型どおりの袖付け線につけられた袖なので、平置きの時に袖が身頃よりに伸びます。
②フリーダムスリーブ
次に、肩から腕にかけてS字のような曲線で縫われている袖を「フリーダムスリーブ」と呼びます。
腕の動きがより自由になるように工夫されています。
③ラグランスリーブ
最後は首回り・襟ぐり(ネックライン)から脇下に向かって、斜めに切り替え線が入ったデザインを「ラグランスリーブ」と呼びます。
腕だけではなく、肩も動かしやすいのが特徴で、主に球技系のユニフォームやスポーツウェアによく見られるスタイルでもあります。
19世紀のイギリス(英国)のラグラン将軍が、当時の軍服の腕が動かしにくいため、紳士服店に依頼して作成したラグラン袖の軍服が「ラグランスリーブ」の由来と言われています。
スウェットとトレーナー・パーカー・ジャージ・セーターの違い
スウェットとよく混同しやすい「トレーナー」「パーカー」「ジャージ」は何が異なるのでしょうか。
①スウェットとトレーナーの違い
トレーナーとスウェットは基本的に同じファッションなので大きな違いはありません。
「スウェット」は先述の通りアメリカでスウェットシャツ(sweatshirts)を指します。
トレーナー(trainer)はスウェットシャツの和製英語で、トレーニングウェア、トレーニングシャツから名づけられました。「トレーナー」は日本独自の言葉なので、海外でトレーナーと言っても通じない事が多いため、海外でお買い物をする際は注意が必要です。
②スウェットとパーカーの違い
一言で申し上げると頭を覆うフード(hood)の有無です。
パーカーはトップスにフードがついており、逆にフードがないものを「スウェット」または「トレーナー」と呼びます。
③スウェットとジャージーの違い
どちらも伸縮性のある素材で作られているため運動に適しています。
ただし、スウェット生地の原材料は主に綿が使われますが、ジャージー生地の原材料は主にポリエステルが使われております。そのため、ジャージーはスウェットやトレーナーよりも軽くて速乾性に優れているものが多く存在します。
また、ジャージ(Jersey)はイギリスにあるジャージー島が由来です。
④スウェットとセーターの違い
どちらも編み物という点では共通しておりますが、セーターの生地には毛糸が使われているため、ウールで編まれたものは「セーター」、綿・コットンで編まれたものは「スウェット」となります。
まとめ
スウェット(sweat)は綿を平編みにしたニット生地を指します。
スウェットの特徴は表地と裏地の異なる二重構造となっている。
表地は平編み・天竺編みで裏地は裏毛と裏起毛の2種類がある。
スウェットは 「伸縮性」「吸汗性」「吸湿性」「保温性」「防寒性」に優れている。
スウェットの袖は肩から脇に向けて縫い目がある「セットインスリーブ」、肩から腕にかけてS字のような曲線で縫われている「フリーダムスリーブ」、首回り・襟ぐり(ネックライン)から脇下に向かって、斜めに切り替え線が入ったデザインの「ラグランスリーブ」の3種類が存在する。
スウェットとトレーナーは同じファッションで、スウェットはアメリカで言うとスウェットシャツを指し、トレーナーは和製英語で日本独自の言葉です。
スウェットとパーカーの違いは頭を覆うフード(hood)の有無です。
スウェットは主に綿が使われるが、ジャージーはポリエステルが使われている。
スウェットは綿・コットンで編まれたものに対して、セーターは毛糸が使われている。
伸縮性があって動きやすいスウェットは部屋着としてだけではなく、カジュアルファッションとしても運動用にも適しています。環境によってはオールシーズン着こなせる万能ファッションなので、ぜひお洒落なスウェットコーデを楽しんでいただけたらと思います!