インポート生地のスーツやジャケットは高級感があり、オンでもオフでも大人の魅力的なスーツスタイルを作りやすいと、インポート生地のスーツやジャケットを愛用する方が増えています。肌ざわりの良さや、独特なツヤ感など、日本製スーツやジャケットとは異なる魅力を持つインポート生地のスーツやジャケットに興味を示す方も多いでしょう。そこで今回は、インポート生地の代表的な生地や、主なインポート生地スーツの種類、特徴、選び方などについて詳しく解説&紹介をしていきます。
インポート生地の種類と特徴について
まずは、インポート生地の代表的な種類や特徴について紹介します。
キャンバス(帆布)
キャンバスは、帆布(はんぷ)とも呼ばれます。呼び方の違いがある理由として、キャンバスは海外から輸入されたインポートもの、帆布は日本製のものに使う場合が多いようです。丈夫で耐久性があります。ベトナムやカンボジア、インド、パキスタンなどで多く生産されています。
コットン
コットンは、世界各地で栽培されており、インドや中国、トルコ、アメリカなどで盛んに栽培されています。コットンの中には国際的な基準に従って栽培されているオーガニックコットンと呼ばれるコットンもあり、幅広い人に愛用されています。通気性や吸水性が良く、洋服から寝具などさまざまなものに加工されます。
リネン(麻)
リネン(麻)は、中国やインド、バングラデシュ、デンマーク、イタリア、ポーランドなど世界各地から輸入されています。通気性や放湿性に優れ、サラリとした質感で夏に好まれます。
ジャガード/ゴブラン
ジャガード/ゴブランは、スペインやベルギーなどヨーロッパで作られることが多く、立体的で温かみのある模様が特徴です。
オックス
オックスは、ボタンダウンシャツに使われるイメージが多い布地でしょう。スペインやアメリカなどから輸入されています。
ツイル
ツイルは、コットンやウール、シルクなどさまざまな素材を使用して作られ、種類があります。ツイルは柔らかく、厚手の生地で密度が濃く作られているため、丈夫でシワになりにくい特徴があります。イタリアなどから輸入されています。
スーツ&ジャケットなどに使われるインポート生地ブランドの種類と特徴
次に、スーツやジャケットなどに使われる代表的なインポート生地のブランド種類と特徴について国ごとに紹介します。
イタリア
イタリアスーツに使われるブランド生地を順に見ていきます。
デルフィノ
デルフィノは、イタリアの軟水が出る地域であるビエラ地方にある「タリア・デルフィノ」というメーカーであり、世界の中でも最高級ランクの生地をつくるメーカーとして知られています。発色性の良さや滑らかな質感で、身体に馴染む軽やかさなどが人気です。ハリ感がありシワになりにくく、通気性にも優れているのがポイントです。
ゼニア
ゼニアは、元は生地メーカーでしたが、現在はスーツ以外にもジャケットやベルト、靴、カバンなども手掛けており、イタリアファッションブランドの名前として知られています。紡績から染色、作成まで一貫して行うことで、ハイクオリティな生地を生み出しています。有名ブランドにも生地を提供しています。
ロロ・ピアーナ
ロロ・ピアーナは、老舗の高級ブランドとして知られ、繊維の生産から作成まで一貫して行っています。細い糸を使用して作成することで生地はとても柔らかく適度な伸縮性が得られ、快適な着心地が評判です。春夏シーズンに合う通気性の良い生地なども作成しています。
カノニコ
カノニコは、ビエラ地方を代表する生地ブランドとして知られています。最も歴史あるブランドとも言われ、軟水を活かした鮮やかな発色と滑らかな質感、上品なツヤ感があることから、世界各地に多くの愛用者がいます。
レダ
レダは、ビエラ地方を代表するブランドの1つです。羊毛の管理から行うことで良質なメリノウールを使用した生地作りを一貫して行っています。通気性やシワのできにくさ、ストレッチ性、ツヤ感などが優れており、ハイクオリティの生地を生み出しています。
アンジェリコ
アンジェリコも、ビエラ地方を代表するブランドの1つです。紡績から作成まで一貫した生地作りで、メリノウールを中心に生地に合わせて糸を使い分けたこだわりある生地作りをしています。柔らかい質感と発色性が魅力です。
イギリス
イギリスのスーツに使われるブランド生地を順に見ていきます。
アルフレッド ブラウン
アルフレッド ブラウンは、歴史あるブランドで落ち着いたスタンダードなカラーやデザインが多く、ツヤ感も抑えられています。そのため、フォーマルなシーンでも使いやすい生地です。
テーラーロッジ
テーラーロッジは、トラディショナルな雰囲気を継承した生地作りが特徴で、クラシカルなイメージにしたい時におすすめのブランドです。ハリ感やコシがあります。
エドウィン ウッドハウス
エドウィン ウッドハウスは、トラディショナルな要素と新しい革新的な要素の良いところどりをしたバランスの良い生地作りに定評があります。通気性に優れシャリ感がある独特な肌ざわりで、生地表面に立体的な表情をプラスできます。
インポート生地スーツの選び方
インポート生地スーツの選び方の方法について紹介していきます。
選び方1.シーズンに合わせて選ぶ
選び方の1つ目は、シーズンに合わせた選び方です。生地は基本的に温かい季節と寒い季節を意識した作り方をしています。
春夏
春夏は、通気性や放湿性を高めたベーシックな平織りが主流になります。平織りは経糸と緯糸を交互に交差させるシンプルな織り方なので、軽くて空気が良く通ります。春夏の人気素材はトロピカルやモヘアです。(※平織りではないタイプもあります)
秋冬
秋冬は、生地の密度が高い綾織りが主流です。綾織りは、経糸と緯糸を複数の束をある規則性を持たせて織ることにより、生地に厚みが出て保温性もアップします。秋冬の人気素材はフランネル(フラノ)です。(※綾織りではないタイプもあります)
選び方2. カラーから選ぶ
選び方の2つ目は、カラーから選ぶことです。日本製スーツはビジネスシーンに馴染ませやすい落ち着いたカラーが豊富ですが、インポート生地は明るく鮮やかなカラーのスーツも豊富です。好みに合わせて選んでみましょう。
選び方3. 質感から選ぶ
選び方の3つ目は、質感から選ぶことです。使用されている繊維の太さによってスーツの質感も変わります。スーツ生地の場合にはSUPER表記がされており、SUPERの表記されている数字が大きくなるほど繊維が細くなります。繊維が細いほど、ツヤ感やしなやかさ、発色が増します。
選び方4.目的から選ぶ
選び方の4つ目は、目的に合わせた選び方です。ビジネス用スーツなのか、フォーマル用なのかによってもふさわしい生地は変わります。ビジネス用ならば落ち着いたダークカラーでツヤ感を抑えたもの、パーティーなどのフォーマル用ならライトカラーでツヤ感とハリ感といったように目的に合わせて選ぶのも大切です。
選び方5.予算から選ぶ
選び方の5つ目は、予算に合わせた選び方です。インポート生地は日本製生地よりも生地開発や輸送費などのコストが価格に反映される分、高級品になります。SUPER表記の数字が大きくなるほど価格は高額になるため、どのランクのインポート生地を希望するのかをあらかじめ決めておくことも大事です。
インポート生地スーツのポイントまとめ
ここまでインポート生地スーツについて詳しく解説&紹介をしてきましたが、ポイントについてまとめました。
日本にないカラーや柄が豊富
日本にはない染料が世界には数多くあります。また、染色技術や柄の作り方も異なる場合も多く、国内スーツとは違う風合いを持つ生地が存在しています。
先進的なスーツ開発
スーツのルーツを古くから持つ海外では、作成技術も優れています。日本に比べて長年スーツ作成をしてきた分の技術力を生かした生地開発力があります。
まとめ
今回、インポート生地の代表的な生地や、主なインポート生地スーツの種類、特徴、選び方などについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。インポート生地の種類や特徴を知ることで、スーツスタイルをより楽しむ選択肢を増やせます。日本産スーツだけではなく、インポート生地スーツも揃えてみたいという方はぜひ、この機会にインポート生地スーツの購入の検討をしてみてはいかがでしょうか。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。