“インポート生地のスーツやジャケットは上質さが際立つ”、“インポート生地スーツやジャケットだからこそのカラーと柄”、というようなことを耳にしたことはないでしょうか。インポート生地は輸入生地という大まかなイメージを持つ方は多いと思いますが、インポート生地の産地や日本製との違いなどについて明確に知る方は少ないかもしれません。そこで今回は、インポート生地とは何か、インポート生地スーツの主な産地、インポート生地スーツと日本製スーツの違い、インポート生地スーツのメリット、日本製スーツのメリットなどについて詳しく解説&紹介をしていきます。
インポートって?インポート生地とは?
“インポート”という言葉は、洋服に限らずカバンや靴、時計などあらゆる製品などについても使います。改めて意味を確認してみましょう。
インポートとは“輸入”、“導入”、“持ち込む”という意味
インポートとは“輸入”、“導入”、“持ち込む”、“取り込む”という意味があり、一般的に海外から持ってきたものに対して使うという認識です。ちなみに、ファイルを読み込む作業も“インポート”という言葉を使いますが、これは“取り込む”という言葉で使用されており、海外から持ってきたという意味ではありませんのでご注意を。
インポート生地は海外で織られた輸入生地
インポート生地は、海外から輸入された生地ということになります。海外で糸を織って布を作り、染色して輸入されることから国内の生地とは異なった質感を持ちます。
インポート生地の主な産地
スーツやジャケット、小物やファブリック用品などに使用されるインポート生地の主な産地について紹介します。
イタリア
イタリアは、インポート生地スーツのメイン産地の1つです。軽く柔らかく、ツヤ感がある生地で知られています。個性的なカラー使いも特徴で、高級生地として人気があります。
イギリス
イギリスは、イタリアと同じようにインポート生地スーツのメイン産地の1つになります。イタリア産に比べてイギリス産はしっかりとした生地でハリ感があるため、シワになりにくい特徴があります。こちらも高級生地として知られています。
スコットランド
スコットランドは、羊毛を使用したナチュラルで素朴な質感のツイード生地の産地として知られています。秋冬のスーツ素材としても使われます。
アメリカ
アメリカは、USAコットンというコットンの産地として知られています。カラフルなカラーと豊富な柄で、Tシャツやポーチやバッグなどの小物、キルト製品など幅広く使われています。
ドイツ
ドイツは、ジャカード織機を使った立体的な生地が有名です。刺繍のような繊細な美しさで、洋服だけでなくカーテンの生地やベッドリネンなどにも使われています。
フィンランド
フィンランドは、北欧テキスタイルと呼ばれる幾何学模様や、植物の柄などが大胆にデザインされた布地が有名です。特徴的なデザインを活かした洋服やバッグ、クッションカバー、ラグなどあらゆるものに使われています。
スペイン
スペインは、ジャガード織やゴブラン織のようなアンティーク柄の生地から、革新的なデザインなど多くの柄のある生地が見られます。
オーストラリア
オーストラリアは、羊の生息地としても知られ、良質なメリノウールの産地として知られています。スーツ生地としても使われており、柔らかな質感が人気です。
アジア
アジアは、エスニック生地など独特な民族調柄などで知られます。洋服や小物など多くの物に使われており、コットンの産地であるインドのインド綿などが有名です。
インポート生地(海外製)スーツと日本製スーツの違いが出る理由とは
次にインポート生地(海外製)を使ったスーツと日本製スーツの違いについて解説します。
違いが出る理由1.織り方
理由の1つ目は、生地の織り方です。平織りと綾織りという織り方の違いや、単糸または双糸を使用するかどうかによって生地の表情や質感などが変わります。インポート生地の中でも国によって織り方が変わるため、仕上がりに違いが現れます。
違いが出る理由2.染色に使用する水質
理由の2つ目は、生地を染める水の質です。カルシウムやマグネシウムが少ない軟水の方が染まりやすい面がありますが、発色の面では硬水の方が勝るなどの違いがあります。
違いが出る理由3.使用する糸の太さ
理由の3つ目は、スーツ生地を織るために使用する糸の太さです。特にイタリアのスーツ場合は、やわらかな質感が好まれるため、スーツ生地を織る糸は細い糸が選ばれる傾向にあります。

インポート生地(海外製)スーツのメリット
インポート生地(海外製)スーツのメリットについて解説します。
インポート生地(海外製)スーツのメリット1.ハリ感
インポート生地スーツのメリット1つ目は、ハリ感です。インポート生地の中でもイギリス産のスーツは双糸を使用しているため、しっかりとしたハリ感ある質感に仕上がります。
インポート生地(海外製)のメリット2.耐久性
インポート生地メリット2つ目は、1つ目のメリットにつながりますが、単糸ではなく2本の糸を撚り合わせた双糸で作られるものについては、耐久性の向上が期待できます。
インポート生地(海外製)スーツのメリット3.ツヤやかな光沢
インポート生地スーツの3つ目は、ツヤやかな光沢です。多くのイタリア産スーツは、細い糸を使用してスーツ作りをしているため、スーツ生地表面が滑らかになり、独特なツヤ感が得られます。華やかなスーツスタイルに仕上がります。
日本産スーツのメリット
日本産スーツのメリットについて解説します。
日本産スーツのメリット1.適度なハリ感
日本産スーツのメリット1つ目は、適度なハリ感です。日本製スーツはイギリススーツの流れを汲んだスーツ作りがされているため、厚みがあってしっかりした作りになっています。そのため、耐久性にも期待ができ長持ちしやすいでしょう。
日本産スーツのメリット2.落ち着いた色味とツヤ感
日本産スーツのメリット2つ目は、落ち着いた色味とツヤ感です。派手なカラーではなく、ビジネスシーンに取り入れやすい馴染むカラーが国内産スーツには多く見られます。また、適度なツヤ感なので悪目立ちもしません。
日本産スーツのメリット3.コスパが良い
日本産スーツのメリット3つ目は、コスパが良いということです。インポート生地(海外産)は、生地開発のためのコストに加え、輸入してくる手間代がかかります。それらのコストが価格に跳ね返り、価格が高くなる傾向です。その点、国産生地スーツは国内で布地作りからスーツ作成ができるため、価格を抑えやすくなります。
日本産スーツのメリット4.日本人に合ったサイズ感
日本産スーツのメリット4つ目は、日本人に合わせたサイズ感だということです。日本人の体型に合わせて作られているので、浮きが出にくく身体に馴染んだ快適な着心地が得られやすくなります。
インポート生地(海外製)スーツと日本産スーツのどちらが優れる?
インポート生地(海外製)スーツと日本産スーツはそれぞれ異なる魅力があり、優劣をつけるのではなく、シーンや目的に合わせて魅力を活かしたスーツスタイルを楽しむのがおすすめです。
まとめ
今回、インポート生地とは何か、インポート生地スーツの主な産地、インポート生地スーツと日本製スーツの違い、インポート生地スーツのメリット、日本製スーツのメリットなどについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。スーツの最高級素材とされるインポート生地を使ったスーツスタイルは、高級感があり大人のスーツスタイルを目指す方におすすめです。国産スーツとは一味違った着心地やスーツスタイルを目指したい方、ぜひ、インポート生地を使ったスーツの購入検討をしてみてはいかがでしょか。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。