“ニットタイ”と言うとどんな印象を持っている方が多いでしょうか。カジュアルだからビジネスシーンには向かないタイ、というイメージを持つ方が多いかもしれません。ですが、ビジカジが浸透している昨今、ニットタイの需要は増えてきています。ノーネクタイよりもカジュアル仕様のニットタイを取り入れることできちんと感が出せてかつオシャレに見せられるニットタイはぜひ取り入れてみるべきアイテムでもあります。そこで今回は、ニットタイとは何か、ネクタイとの違い、ニットタイの魅力、ニットタイの結び方、ニットタイのマナー、ニットタイのシーン別のおすすめコーデ、ニットタイの保管方法などについて詳しく解説&紹介をしていきます。
ニットタイとは
そもそもニットタイとは何でしょうか。ニットタイは“ニット”と名の付く通り、縦糸と横糸を交互に織って作ったのではなく、1本の糸を輪を作りながら編み込む方法で作り上げたのがニットタイです。1920年代に欧米のリゾートを中心に流行したタイで、アメリカントラッドでも欠かせないアイテムの1つとなっています。
ニットタイとネクタイの違い
ニットタイとネクタイは生地の作り方の違いのほかにも形や柄などの違いがあります。順に見ていきましょう。
ニットタイの形
ニットタイの形は、剣先は通常のネクタイの剣先のような形のタイプと、スクエア型のタイプがあります。剣先タイプはニットならではの柔らかさがあるため、剣先も鋭く尖ったシルエットではなく、丸みを帯びたマイルドな印象にできます。
また、ニットタイの幅ですが広い順にワイド・レギュラー・ナローの3つに分けられます。幅が異なることで全体のコーデの印象も変わるので、シーンに合わせた取り入れ方をするとイメージに合ったコーデを目指しやすくなります。ニットタイの最も人気がある幅は、抜け感が出しやすいナロータイプとなっています。
ニットタイの柄
ニットタイの柄は、無地のシンプルなタイプからボーダーやドット柄や格子柄など様々なタイプがあるほか、糸を編む際に模様を入れた編み込み方法を使った柄などもあります。ボーダーやドットはカジュアル感が強くなり、胸元にポイントを持っていきたい時などにおすすめです。
ニットタイの素材
ニットタイの素材は、シルクやコットン素材が主流です。そのほかにもリネンやウール、カシミヤなどの天然素材や化学繊維素材タイプがあり、季節や予算などに合わせて選べます。ニットタイは、一般的に夏をイメージすることが多いかもしれませんが、素材を選ぶことで季節問わず取り入れられます。
ニットタイの魅力
ニットタイの魅力は、なんと言っても編み込んだ生地による柔らかい風合いでしょう。タイをしているのに堅苦しくなり過ぎないのもポイントです。いつものネクタイに比べてリラクシー感や抜け感を出しやすく、オシャレな印象にしやすいタイと言えます。
シルク素材などを選べばドレッシーな印象になり、職場の雰囲気にもよりますがスーツに組み合わせた使い方も違和感なく取り入れることができるでしょう。
また、結婚式の様な華やかなシーンやビジカジ、プレゼントなどにもおすすめです。ニット素材ならではのシワになりにくさもニットタイの魅力の1つとなっています。
ニットタイの結び方
ニットタイの結び方は、通常のネクタイと同じように結べます。ですが、いつものネクタイと異なり、ニットタイには芯となる素材が無かったり、短め丈であったりする場合があります。ニットタイの特徴に合わせて結び方を選びましょう。下記にて2つの結び方を紹介します。
ニットタイの結び方1.プレーンノット
プレーンノットは最もポピュラーなネクタイの結び方でニットタイにも使える結び方です。シーンを選ばず、ネクタイへのダメージも少ない結び方とされています。
手順1.大剣が上になるように交差させる
ニットタイを首にかけて幅の狭い小剣が下になるように幅が広い方の大剣をクロスさせます。クロスさせる位置はタイのつなぎ目が目安となります。
手順2.大剣を小剣に巻き付ける
小剣に大剣を1周巻き付けてループを作ります。この時、小剣を指で押さえた上に大剣を巻き付けると次の工程がスムーズになります。
手順3.大剣を内側から前に通す
小剣に巻き付けた大剣を、交差させたタイ首元下の手前から外側の作ったループに通します。
手順4.小剣を下に引いて結び目を整える
ループに大剣を通したら、小剣の方を下に引いて結び目を整えます。襟下にキレイに収めたら完成です。
ニットタイの結び方2. オリエンタルノット
オリエンタルノットは、ボリュームが出やすいニットタイに向いた結び方だとされています。プレーンノットよりも結び目がコンパクトになり、ほどけにくいのが特徴です。
手順1.ニットタイを裏側にして首からかける
オリエンタルノットのポイントは首にかけた時点でタイを裏側にしておくことです。こうすることでキレイにタイを結べます。
手順2.小剣を大剣の上に交差させる
プレーンノットでは大剣を上にクロスさせましたが、オリエンタルノットの場合は小剣が上になるようにクロスさせます。
手順3.大剣を持ち小剣に巻き付ける
クロスさせた形をキープしながら今度は大剣の方を持ち小剣に巻き付けます。この時に小剣側を谷折りにしておくと結び目をさらにコンパクトにできます。
手順4.大剣を内側から前に通す
プレーンノットの場合と同じように、小剣に巻き付けた大剣を交差させたタイの首元下手前から外側の作ったループに通します。
手順5.小剣を下に引いて結び目を整える
ループに大剣を通したら、小剣の方を下に引いて結び目を襟元にバランスよく収めます。プレーンノットよりも結び目がコンパクトである分、大剣と小剣の長さがそろいやすくなります。
ニットタイのマナー
ニットタイは抜け感が出せる分、カジュアルな印象になりがちです。ニットタイを取り入れる際のマナーについて知っておきましょう。
シーンに合わせた取り入れ方をする
まずは、シーンに合わせた取り入れ方が最も大切です。特にビジネスシーンでは改まった雰囲気であればあるほど、ニットタイの着用がNGな場合があります。
業種などによってニットタイがOKな職場もあれば、金融業など信頼性を重視する業種の場合はニットタイのカジュアル感がNGな場合もあります。あくまでまわりの雰囲気に合わせた取り入れ方をしましょう。
ニットタイは緩めた締め方をしない
2つめに気を付けたいのが、ニットタイを緩めて締めないことです。ニットタイは元々、ニット生地からできていることから全体的に柔らかい印象を与えます。
ニットタイを緩めてしまうとソフトな印象と言うよりも、一気にだらしない印象になり、いわゆるニットタイが“ダサい”というネガティブな印象になってしまいかねません。何事もほどほどが大事です。
ニットタイのシーン別おすすめコーデ
それでは、具体的にニットタイを取り入れたおすすめのコーデについて紹介します。ぜひ、ビジカジスタイルやプライベートのカジュアルスタイルなどの参考にしてみて下さい。
ビジネス&ビジカジシーン
ビジネス&ビジカジシーンでは、一般的に派手なカラーではなくブラック・黒色やネイビー・紺色、チャコールグレー・濃灰色などのスーツに馴染みやすいカラーがおすすめです。また、剣先が尖ったタイプであれば、よりきちんと感あるコーデを目指せます。
初心者も取り入れやすいおすすめのコーデは、グレー・灰色ジャケットにダークネイビー・ブラックのニットタイとスラックスの組み合わせです。落ち着き感のあるいつものスーツスタイルにニットタイを合わせることで、軽やかさを出しやすくなります。
カジュアルシーン
カジュアルアルシーンは、ボーダーやドットなどの柄物など好みに合わせて自由に取り入れられます。特に剣型ではなく、ニットタイの代表的なシルエットであるスクエアエンドであれば、オシャレ感が増してカジュアルスタイルにマッチしやすいでしょう。
おすすめのコーデは、ネイビー・紺色ブレザーやギンガムチェック柄シャツなどに合わせたアメリカントラッドスタイルに取り入れたコーデです。元々は、アメカジスタイルに積極的に取り入れられてきた経緯があるため、ニットタイ初心者の方でも失敗することなく、全体のコーデに馴染ませたニットタイコーデにチャレンジできます。
襟元や袖口がホワイト・白色のクレリックシャツやボタンダウンのシャツとの相性も抜群です。
ニットタイの保管方法
ニットタイは柔らかく基本的にはシワになりにくい素材ですが、素材によっては結んだ部分がシワになりやすいといった点もあります。シワになりにくくキレイにキープしやすい保管方法について紹介します。
方法1.丸める
丸めると言っても、ただ丸めてしまえばいいということではありません。小剣の方から緩めに巻いていくとシワになりにくく、生地も傷めずに保管することができます。ニット生地は伸びやすいので、引っ張りながらきつく巻くと伸びてしまいます。適度な余裕をもって巻きましょう。
方法2.平置き
スーツ販売専門店や紳士服ショップでも良く見かけることがある平置きスタイルは、ニットタイの一部分に負荷がかかる恐れを最小限に抑えられるためおすすめです。スペースに余裕がある場合は、平置きが良いでしょう。
まとめ
今回、ニットタイとは何か、ネクタイとの違い、ニットタイの魅力、ニットタイの結び方、ニットタイのマナー、ニットタイのシーン別のおすすめコーデ、ニットタイの保管方法などについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。ニットタイを取り入れることで、マンネリしがちなスーツコーデも新鮮になり、ノーネクタイよりもキレイ目なコーデを目指せます。普段、ニットタイをしない方もニットタイを使ったコーデにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。