ワイシャツ&ドレスシャツの基本のカラーと言えば、やはりホワイト・白色が挙げられます。ホワイト・白色のワイシャツやドレスシャツは洗濯を繰り返していくうちにだんだんと黄ばみや黒ずみを感じてきた経験を持つ方もいるのではないでしょうか。スーツやネクタイと合わせて着用するシャツはいつもキレイにキープしたいものです。そこで今回は、ワイシャツやドレスシャツの汚れやすい箇所についてや汚れの原因、汚れの落とし方、汚れの予防方法について詳しく解説&紹介をしていきます。
ワイシャツの汚れやすい場所
ワイシャツやドレスシャツの汚れの目立ちやすい場所は決まっています。それはズバリ皮脂が出やすい場所です。人間は生きている限り常に新陳代謝しています。代謝が繰り返されるということは、汚れが出るということにつながります。したがって、シャツに直接触れる部分は汚れやすい箇所であると言えるのです。具体的に汚れやすい場所を見ていきましょう。
首まわり|ホルモンバランスや紫外線の影響を受けて皮脂がつまりやすい
首まわりは、男性と女性共にホルモンのバランスや太陽光に含まれる紫外線によってダメージを受けやすい部分なので皮脂も毛穴につまりがちです。
特に男性ホルモンは、皮膚を固くして皮脂分泌が盛んにする働きを持つので、汚れが溜まりやすい状況に置かれがちです。女性の場合は、メイクが襟などに付きやすいので化粧品に含まれるオイル汚れなども付きやすくなります。
ワイシャツの襟|首の後ろは特に皮脂分泌が多い
ワイシャツの襟は、首の中でも皮脂分泌が多い後ろ側に接する部分なので、最も黒ずみや黄ばみが目立ちやすい箇所の1つになります。また、首の後ろ側は身体を洗う時に直接見えづらい位置となるため、洗い残しがあったりシャンプーやコンディショナーなどの注ぎが足りずに汚れが残ったりと、汚れが溜まりやすい箇所となっています。
ワイシャツの脇|汗がたまりやすい
ワイシャツの脇は、汗をかきやすい箇所であることから黄ばみの原因になりやすいでしょう。脇の下は汗腺が多く、汗をかくことで体温の調節を行っています。脇の汗には暑さによる汗のほかにも緊張やストレスなどから汗が出やすくなります。思春期からミドル世代は特に汗をかきやすい状況です。
ワイシャツの袖|汚れがつきやすく目立ちやすい箇所
ワイシャツの袖は、皮脂汚れとホコリなどの汚れがミックスして付きやすい状況です。また、手元は常に動かす部位でもあるため、擦れによって汚れが多く目立ちやすくなります。人から見た時も手元の汚れは目に入りやすいので、注意が必要な箇所でもあります。
ワイシャツの主な汚れ原因
ワイシャツやドレスシャツの主な汚れの原因となるのが『黄ばみ』と『黒ずみ』です。この2つの違いについて解説していきます。
黄ばみ|皮脂が酸化すると黄ばみとなる
黄ばみは、人間の皮脂汚れがシャツの繊維に染みこんで変色した状態です。人間の身体からでた脂=油汚れの一種になります。空気に触れることで酸化して黄ばむ原因となります。繊維の奥にまで汚れが染みこむので、汚れが蓄積しやすくなっています。
黒ずみ|黄ばみにさらに汚れが付着した状態
黒ずみは、皮脂汚れが繊維に蓄積していくと段々と黒ずみに変わります。黄ばみ汚れにホコリなどの汚れが加わることで特別な対処をしない限り、洗濯でもなかなか落ちにくい状態になります。汚れを溜めないことが大切です。
ワイシャツ汚れの落とし方
次にワイシャツやドレスシャツの汚れの具体的な落とし方について紹介していきますが、まずは洗濯作業に入る前に、シャツの汚れが何による汚れかを確認しておきましょう。
先ほど紹介した皮脂やホコリによる汚れのほかにも、果物果汁などの水溶性汚れや、泥など水に溶けない不溶性汚れなどがあります。それぞれの汚れに合った汚れの落とし方を選びましょう。
【食器用洗剤】皮脂汚れをマイルドに落とす
食器用洗剤は、中性なので手肌にも刺激が弱めです。そのため、繊細な生地も傷めるリスクを抑えて油汚れを落とすのに向いています。ちなみに、自宅用のおしゃれ着洗いは中性なので、食器用洗剤と成分が同じです。
汚れのある部分を皮脂が溶けやすい温度のぬるま湯で濡らしてから食器用洗剤をつけて優しく馴染ませると汚れが浮きやすくなります。すすいだ後は、洗濯機でネットに入れていつも通り洗濯すればOKです。繊細な生地の場合は、馴染ませた後に全体的に押し洗いをして柔軟剤で仕上げてから軽く脱水します。
【固形石鹸】汚れに直接つけられる
固形石鹸は、弱アルカリ性の性質を持ちます。ぬるま湯で汚れのある箇所を浸して汚れを浮きやすくしたら直接汚れに擦り付けます。汚れによく馴染ませたら通常通り洗濯機で洗いましょう。
ちなみに、普通の石鹸と洗濯用石鹸の違いは界面活性剤の種類が異なります。洗濯用石鹸の方が、洗浄力が強く作られているのでシャツの汚れ落としには洗濯用石鹸がおすすめです。繊維に石鹸成分が残りやすいのでしっかりと泡立て馴染ませるのがコツです。
【セスキ炭酸ソーダ】黒ずみ汚れに効果的
セスキ炭酸ソーダは、天然成分を使用したアルカリ洗浄剤で石鹸や洗剤よりも少ない量で汚れを落としやすく環境面でも優しいのが特徴です。アルカリ洗浄剤の中でも弱めなので、手肌へのダメージが気になる方も扱いやすいでしょう。心配な方は手袋を着用して使用するのがおすすめです。
黄ばみのある部分をぬるま湯で濡らしたら、汚れのある部分に直接セスキ炭酸ソーダ水を吹きかけるか、浸け置きすると汚れを浮かしやすくなります。馴染ませた後は洗濯機で洗います。
【塩素系漂白剤】ホワイト・白色シャツに効果的
塩素系漂白剤は、一般的に生地を染めた薬剤の色も抜け落ちてしまうため、洗濯には適していませんがホワイト・白色のコットンや麻、ポリエステル、アクリルなどの漂白に効果的です。強い漂白作用があるので白さをキープしたい時に使うと良いでしょう。ぬるま湯に少量入れて薄めたら様子を見ながら浸け置きして通常通り洗濯します。
ちなみに、通常の塩素系漂白剤と衣類用の塩素系漂白剤の違いは、通常の塩素系漂白剤には洗浄成分が含まれているという点です。毛やナイロンなどの動物繊維や化学繊維には使えません。
【酸素系漂白剤】色柄物にも使える
酸素系漂白剤は、塩素系漂白剤と異なり色柄物にも使えるので扱いやすいでしょう。ぬるま湯に溶かして浸け置きしておくと、繊維奥に染みこんだ皮脂汚れも浮かせやすくなります。
また、食器用洗剤と混ぜた洗浄剤のペーストを黄ばみや黒ずみの気になる箇所にいらない歯ブラシなどで塗るのも効果的です。浸け置きやペーストを塗った後は通常通り洗濯します。
【重曹とクエン酸】アルカリと酸性の化学反応で汚れを落とす
重曹とクエン酸を使った方法は、重曹のアルカリ性とクエン酸の酸性を混ぜることで起きた化学反応を利用した汚れ落とし方法になります。化学反応と言うと、不安になるかもしれませんが、重曹とクエン酸を混ぜると中和作用で泡が発生します。
泡には繊維奥に入り込んだ汚れを浮かせる作用があり、黄ばみや黒ずみを落としやすくなります。方法は至ってシンプルで、重曹を水に溶かし汚れの箇所に塗り付けたら、クエン酸を溶かした水を吹きかけます。手袋をした状態で汚れの箇所を馴染ませると汚れが落ちやすくなります。後は通常通り洗濯機で洗いましょう。
【浸け置き】通常洗剤に浸けておくだけのお手軽方法も
浸け置きについては、上記でもいくつか記載しましたが、最もお手軽にお手入れできる方法として通常の洗濯用洗剤に浸けて置く方法があります。特別な洗剤や薬剤を必要としないので、まずは通常の洗濯用洗剤をぬるま湯に溶かした液体に浸けてみて様子を見るのも良いでしょう。ぬるま湯に浸けるだけでも皮脂汚れは浮きやすくなります。
ワイシャツの汚れ予防方法
ワイシャツやドレスシャツがいつもピカピカにケアされていると、袖を通した時の気持ち良さは格別でしょう。ちょっとしたケアで大切なシャツもキレイにキープしやすくなります。シャツを汚れから守るおすすめの予防法について紹介します。
予防法1.汗をかいたら拭きとる
汗がシャツに付いたままだと黄ばみの原因となります。そのため、汗をかいたら拭き取るか、汗とりシートなどを活用して汗がシャツに付くのをシャットアウトしましょう。
万が一、脇の汗で黄ばみができてしまった時は、熱めのお湯をかけてから洗濯機で洗うと黄ばみの蓄積汚れ防止に期待ができます。
予防法2.脱いだら直ぐに洗濯する
着用済みのシャツは、放置せずにすぐに洗うようにしましょう。放置することで黄ばみ汚れがどんどん酸化していき、蓄積されることで黒ずみ汚れとなってしまいます。洗う前は汚れの度合いに応じてアルカリ性洗剤や中性洗剤など使い分けて洗濯機で洗うと良いでしょう。
予防法3.ベビーパウダーでサラサラにしておく
ベビーパウダーは肌をサラサラにする効果があり、赤ちゃんの汗かぶれを防止したり、女性のメイク崩れの防止などにも使われています。ベビーパウダーをシャツの襟元や袖口にはたいておくことで、皮脂汚れが浸透しにくくなり、サラリとした質感をキープして快適に過ごしやすくできます。
直接、肌にはたくのも良いですが、シャツの織り目にパウダーが入り込むことで繊維奥に汚れが染みこむのを防止しやすくなります。
予防法4.専用テープで汚したくない部分をガード
襟や袖口に貼って汚れを防止する専用テープもあります。必要な箇所の長さに応じて自由にカットできるので便利です。
テープの種類によって網目状に穴が開いた通気性に優れたテープもあります。梅雨時など洗濯しづらい時や出張の際に着替えを極力減らしたい時などにも活用できます。
予防法5.洗濯のりでシャツをコーティング
洗濯の際に洗濯のりを利用すると、シャツ自体をコーティングできるので汚れ防止になります。また、シワ防止にも期待ができ、シワが伸びてアイロン掛けの負担を減らすことも可能です。
洗濯のりのタイプとしてはジェルタイプ・液状タイプ・スプレーがあるので好みに合わせて使い分けてみると良いでしょう。
予防法6.襟用洗剤で蓄積汚れをシャットアウト
最もスタンダードな方法として襟の汚れの蓄積を防ぐ方法として挙げられるのが、部分専用洗剤を使うことでしょう。
弱アルカリ性の部分用洗剤や、酸素系の漂白剤などを直接汚れにかけるか浸け置きするなど汚れの度合いに応じて調節します。洗濯の際に行える手軽な方法としてもおすすめです。
予防法7.クレンジングオイルで汚れを浮かせて定着を防ぐ
メイクをする方や日焼け止めを使う方は漂白剤などを使うと変色してしまう恐れがあります。そんな時に活躍するのがクレンジングオイルです。落ちにくい日焼け止めなどもクレンジングオイルが浮かして落ちやすい状態にすることができます。
まずは汚れ部分に直接、クレンジングオイルを馴染ませてからぬるま湯で洗い流してから通常洗濯すると、汚れが蓄積することなくキレイな状態を維持しやすくなります。
定期的にクリーニングに出す
自力で黄ばみや黒ずみを解消することが難しい場合は、定期的にクリーニングに出すと良いでしょう。汚れ落としのプロがワイシャツやドレスシャツを真っ白にキレイにしてくれます。
クリーニングに出す頻度としては、数週間に1度が目安となるのでワンシーズンに1回程度、クリーニングに出してメンテナンスしてあげると良いでしょう。
まとめ
今回、ワイシャツやドレスシャツの汚れやすい箇所から汚れの原因、汚れの落とし方、汚れの予防方法について詳しく解説&紹介をしていきましたがいかがでしたでしょうか。ワイシャツやドレスシャツのお手入れの仕方を知ることで、お気に入りのシャツをキレイに長持ちさせることができるほか、シャツをいつでも気持ち良く着られます。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店で気軽にワイシャツやドレスシャツ選びがしやすくなる手助けとなれば幸いです。