ワイシャツやドレスシャツは襟デザインによっていくつもの種類があることをご存じでしょうか。襟は小さな面積ながら顔に近い位置にあるため、全体のコーデの印象も変えるほどの影響力があります。よってワイシャツやドレスシャツを選ぶ際に襟の形もしっかりと頭に入れて選ぶ必要があるでしょう。そこで今回は、ワイシャツやドレスシャツの襟の形の種類やシーンに合わせたワイシャツの襟の形などについて詳しく解説&紹介をしていきます。
ワイシャツ&ドレスシャツの襟の種類
ワイシャツやドレスシャツを一枚で着用するのに丁度良い季節となり、ぜひともシャツをサラリとカッコよく着こなしたいものです。シャツのそれぞれの襟の形の特徴を知って目指したいスタイルに活かしてみましょう。
【レギュラーカラー】定番の襟
レジュラーカラーは、襟の開きが75〜90度でビジネスなどきちんとした場所で使えるスタンダードな襟の形です。シャツ一枚で着たり、セーターやカーディガンとレイヤードしたりしても襟の形がキレイに見えるので一枚持っていると便利なシャツです。気取った感じにもならずどの方にも合います。
【ワイドカラー】襟元スッキリ
ワイドカラーは、襟の開きが100〜140度で襟が横に開いているシルエットから襟元がスッキリとして見えて、肩につながるラインもキレイに見せられる襟の形です。英国でも人気のシルエットでウィンザー公が愛用していたことからウィンザーカラーとも呼ばれています。
肩幅が広い方や体格が良い方に合い、こちらも着る人を選ばずキレイ目な印象に仕上がります。ノーネクタイでもバランスよく着られるので、ビジカジスタイルにもおすすめです。
【セミワイドカラー】レギュラーとワイドの中間
セミワイドカラーは、襟の開きが90〜100度でワイドカラーとレギュラーカラーの中間にあたる襟の形です。適度なリラックス感ときちんと感のどちらもバランス良く取り入れられる襟と言えます。そのため、ビジネスやフォーマルまで幅広く取り入れられるのがメリットです。
また、様々な場面で取り入れやすいということは、どのようなスーツにも合わせやすいということにもつながります。第一ボタンを外しても型崩れしにくくキレイな襟のシルエットをキープしやすいので、シャツ選びに迷ったらセミワイドカラーを選ぶのをおすすめします。
【ボタンダウンカラー】ビジカジにピッタリ
ボタンダウンカラーは、襟の先のボタンホールにボタンを留められる仕様になった襟の形です。ボタンの装飾性からビジカジにピッタリなシャツとなります。ボタンダウンの発祥はポロ競技であり、激しく動いても襟がめくれないシャツとして考案されました。
襟が前身頃に固定されることで襟の形も崩れずに、第一ボタンを開けた時もキレイにシルエットをキープしやすくなります。カジュアル感が強くなるので、職場の雰囲気に合わせた使い方が必要になるでしょう。レイヤードスタイルにもおすすめです。
【ホリゾンタルワイドカラー・カッタウェイカラー】洒落た雰囲気
ホリゾンタルワイドカラー・カッタウェイカラーは、襟の開きが140〜180度とかなり広く、襟元の抜け感を出すのにちょうど良い襟の形です。華やかさがあるのでパーティーなどにも取り入れやすいでしょう。
ちなみに、ホリゾンタルカラーに比べてカッタウェイの方が襟の開きが大きくリラクシー感が増します。襟の開きが大きいので、ネクタイの結び目を大きくしたり太目のネクタイを合わせたりするとバランス良く仕上がります。
【ナローショートカラー・ショートポイントカラー】コンパクトな襟
ナローショートカラー・ショートポイントカラーは、スタンダードなシャツの襟よりも小さい襟の形です。襟の落ち返しが少ない分、控えめな印象になり、カジュアルなイメージになります。
ちなみに、ナローカラーは襟の開きが約60度以下なのでタイトなスーツスタイルと相性が良いでしょう。軽快なイメージやコンパクトにスタイルをまとめたい時におすすめの襟の形です。
【ウィングカラー】ドレッシーな襟
ウィングカラーは、襟が立ち上がったシルエットで主にパーティーなどの華やかな場で着用する襟の形になります。ちなみに、ウィングカラーの“ウィング”とは“鳥の翼” を意味します。襟先が鳥の羽のように見えることから名づけられています。
折り返しの部分が襟先だけであることから通常のネクタイではなく、蝶ネクタイやスカーフを巻いている様に見えるアスコットタイと呼ばれるタイをするのが普通です。一般的には蝶ネクタイと合わせるのが定番となっています。
【バンドカラー・スタンドカラー】リラクシーな雰囲気に
バンドカラー・スタンドカラーは、襟の折り返しがないいわゆるノーカラーなので首が短く見えてしまう方や襟元の解放感を得たい方におすすめの襟の形です。Tシャツやカットソーとは違って襟の折り返しが無くてもきちんとした感じに見せられるのが魅力です。
ちなみに、バンドカラーの方が襟の立ち上がりが低く、クラシックな印象が控えめとなる分、カジュアルな印象になります。バンドカラー・スタンドカラーのどちらも首元をスッキリとさせられてジャケットと合わせた時に上品でスタイリッシュなイメージにしやすいでしょう。
【ドゥエボットーニ】ノーネクタイでもキレイに見える
ドゥエボットーニは、イタリア語で襟の立ち上がった部分に第一ボタンが縦に二つ並んだ襟の形です。襟の立ち上がりがあることで襟を立体的に美しく見せることができます。
華やかさがあるシルエットなので、ノーネクタイで使用したい時やフォーマルでも取り入れやすいでしょう。ちなみに、ノーネクタイの時は縦二つのボタンは留めずにラフに着るとスタイリッシュなイメージに仕上がり、ネクタイを着用した場合は結び目の位置を立体的に魅せられます。
【タブカラー】ネクタイを立体的に魅せる
タブカラーは、ネクタイを着用して着る襟の形です。ネクタイを締めた時に結び目が立体的になるように襟と襟の間に紐(タブ)が付いています。紐をつなぎ合わせるとその分、ネクタイが上方へと浮くので首まわりを華やかにしたい時におすすめです。
ネクタイの締め方もディンプル(ネクタイの結び目に下にできるくぼみ)を作るようにするとさらにデコラティブで華やかな着こなしを目指せます。
【ピンホールカラー】襟元が引き締まった印象に
ピンホールカラーは、タブカラーと同じようにネクタイを立体的に見せる襟の形です。襟と襟の間に“ハトメ”という金属の棒を通すことでネクタイを上方へと持ち上げてネクタイを立体的に見せます。
ハトメにチェーンが付いたタイプなどもあり、装飾性が高いのでパーティーなどのドレスアップスタイルにピッタリです。また、首元にボリュームを出すことができるので、首の細さが気になる方などにもおすすめとなっています。
【ワンピースカラー】ノーネクタイにおすすめ
ワンピースカラーは、襟と前ボタン部分がくる位置にあたる“前立て”が一体化した襟の形です。そのため、一枚仕立てのワンピースの様にたとえられた名前がついています。別名を“イタリアンカラー”とも言い、襟の立ち上がり部分がなく抜け感を出しやすいでしょう。
クールビスにもおすすめの襟の形で、第二ボタンが通常のシャツよりも下の位置に取り付けられているので、襟を開いて着た時にスタイリッシュに見せられるのも魅力です。首元もスッキリとし、涼しげな着こなしを目指せます。
シーン別のワイシャツの選び方や与える印象
ワイシャツやドレスシャツには様々な襟の形があることを解説してきましたが、シーンに合わせた襟の形は一体どの形がベストなのかについて悩んでしまうかもしれません。そこで次にシーンに合ったワイシャツの選び方とイメージについて説明していきます。
ビジネスシーン
ビジネスシーンに求められるのは、誠実さや真面目な印象を相手に与える“きちんと感”です。デコラティブな装飾性よりも信頼される落ち着いた襟の形のシャツが好ましいでしょう。また、襟が開きすぎるタイプは避けます。
おすすめなのは、レギュラーカラーやワイドカラー・セミワイドです。この三つのタイプの襟の形であれば、不快感を与えることなくきちんとしたイメージの着こなしを目指しやすくなるでしょう。スーツと合わせて着用した時にもシャツだけが浮くことなく馴染み、年齢や季節も問わずおすすめとなっています。
カジュアルシーン
カジュアルシーンは、ボタンダウンやホリゾンタル・ナローショートカラー・ショートポイントカラー・バンドカラー・スタンドカラーがおすすめです。抜け感がある着こなしからビジネス時には難しいラフ感ある着こなしを目指せます。
プライベートでも取り入れやすいノーネクタイで着られる襟の形であれば堅苦しくなく、リラクシーな着心地も得られます。バンドカラーやスタンドカラーのカラーシャツも長年年齢問わず人気となっており、季節に合わせた着こなしコーデにも活かせます。
フォーマルシーン
フォーマルシーンは、慶事は華やかな襟の形もOKですが弔事の場合は、ビジネスと同じようにレギュラーカラーやワイドカラー・セミワイドが良いでしょう。華美になり過ぎず襟が目立ちにくい襟のシャツを選びます。
パーティーなどの華やかな場であれば、ホリゾンタルワイドカラー・カッタウェイカラー・ナローショートカラー・ショートポイントカラーや、立体的な華やかさを出せる襟の形のウィングカラー・タブカラー・ピンホールカラーがおすすめです。
まとめ
今回、ワイシャツやドレスシャツの襟の形の種類やシーンに合わせたワイシャツの襟の形などついて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。ワイシャツやドレスシャツの襟デザインについてより深く知ることで、シーンに合わせたシャツ選びもしやすくなるのではないでしょうか。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。