スーツをカッコよく着こなしたい!そんな時にスーツの印象を左右する1つとなるのがパンツの裾丈です。長すぎるとだらしない印象になり、短すぎるとカジュアル過ぎてスーツにマッチした着こなしができません。そこで今回は、メンズスラックスやズボンの裾上げ&裾直しの方法やポイント、シーンに合った裾丈、注意点などについて詳しく解説&説明をしていきます。
スーツの裾上げ&裾直しの方法
パンツやスラックスの丈は、紳士服専門店でスーツ購入した時は購入した時に自動的にパンツ丈を調整してもらう機会が多いでしょう。メンズ向け紳士服の通販サイトなどでスーツやスラックスを購入した時は、希望の裾丈にするためにお直し専門店に持ち込んだり、自力で丈を調整したりする必要があります。以下にて理想的なパンツ丈にするための方法について紹介していきます。
自分でスーツの裾上げをする
自分で裾上げをする場合は、今すぐパンツ丈をどうにかしたい方や、お金をかけずに裾上げをしたい方におすすめです。難しいと思われる裾上げもコツを掴めば意外と簡単にできてしまいます。
ちなみに、ミシンが無い場合や縫い目を目立たせたくない場合は『手縫い』がベストです。針と糸・ハサミ・まち針があれば簡単にセルフで裾上げ可能です。この場合、“まつり縫い”という縫い方をすると表面に縫い目があまり出てこないので、目立たずキレイに仕上げられます。
『ミシン』が家にある場合は、裾を均等に縫い付ける“たたき縫い”や、“まつり縫い”のモードを選んで好みの縫い方で裾上げできます。“たたき縫い”は丈夫なのでほつれにくいのがメリットです。ミシンのほかにミシン用の糸・ハサミ・まち針が必要となります。
そして、最もお手軽な方法が『裾上げテープ』を使った裾上げ方法です。裾上げテープを使えば、裁縫ができない方や裁縫をする環境が整っていない方でも手軽にパンツやスラックスの裾上げができます。
裾上げテープは粘着式となっており、多くの場合はアイロンの熱を利用して好みの裾丈に調整することが可能です。必要なものはアイロン・ハサミ・水(蒸気が出るアイロンの場合)です。アイロンの熱を使わない両面テープのようなタイプもありますが、こちらは一時的な裾上げに適しています。
スーツの購入店に依頼する
紳士服専門店などで購入した場合は、購入したお店に依頼することができます。スーツ専門店ならば、スタッフの方も慣れているので希望通りの丈にお直ししてもらえます。シングルやダブルなどの裾上げの仕上げ方法も選べるほか、混んでいる季節で無ければ、裾上げも当日中にしてもらえるでしょう。
スーツのお直し専門店に依頼する
お直し専門店に持ち込んで依頼した場合は、その道のスペシャリストが対応してくれるので繊細なスーツ生地や高級素材であっても信頼してお任せしやすいでしょう。
素材に合わせた裾上げの仕方や、パンツやスラックスのシルエットに合わせた裾上げも考えて直してもらえる点もお直し専門店のメリットと言えます。最短で当日から1週間ほどの日数が裾上げの目安となります。(※シルエットに合わせた裾上げは別料金になる場合があります)
クリーニング店に依頼する
クリーニング店に依頼する場合は、いつものお洗濯依頼のついでに裾上げを頼めるので便利です。洋服のお直しサービスを扱っているクリーニング店は大手クリーニング店に多く、裾上げだけでなく専門の技術者がウエスト直しやほつれなども対応してもらえる場合があります。
ちなみに、お直し専門店に外注依頼しているクリーニング店もあるようなので、裾上げの料金は割高になり、日数についてもスーツ販売専門店やお直し専門店に直接依頼するよりも納期がかかる傾向があります。依頼する前に、お直し専門店などと比べてみると良いでしょう。
スーツの裾上げポイントや目安
スーツのパンツやスラックスの裾上げのポイントや目安についてですが、好みやシーンに合わせたおすすめの裾丈というものがあります。順番に解説していきます。
スーツの裾上げ平均は1~2センチが目安
スーツのパンツの裾上げをする時の目安としてはかかとと地面の間が1〜2センチとなります。裾上げする際の布を切る幅ではありません。あくまで身長に合わせたパンツの丈感が重要となります。
縫い目に沿って測る
裾上げのポイントとなるのが、パンツやスラックスの縫い目に合わせて裾上げする長さを測ることです。パンツの裾から足の付け根部分までの距離を測ることで、脚の長さにあったピッタリのパンツやスラックスに仕上げられます。
計測する場合は、実際に履いているよりも床や机などの平らな場所に置いて計測すると良いでしょう。一度計測しておけば、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店でのお買い物などもより楽になります。
靴と合わせてみる
試着コーナーなどで靴を脱いだ状態でパンツやスラックスの丈を調整する場合、靴を履いていない分、理想とする丈感に仕上げられないリスクが生じることがあります。そのため、実際にパンツやスラックスに合わせたい靴を履いて丈感を確認してみると良いでしょう。
靴にかかるたるみ(クッション)によってスーツスタイルのイメージも変わってきます。特に新しいスーツを新調する際などは、合わせて履きたいと思う靴でお買い物に行くことをおすすめします。
スラックスの太さに合わせる
スラックスの太さに合わせるのもポイントとなります。シルエットによって丈感のちょうど良いバランスが変わってくるためです。
細身タイプのパンツやジーンズなどのズボンであれば、短めのクロップドパンツと呼ばれる足首が見える丈や、アンクルパンツと呼ばれるくるぶし丈などの丈感だとバランス良くみえておすすめです。
現在、ゆるっとしたシルエットで人気のワイドタイプであれば、長めの丈感がマッチします。ストンとしたパンツのラインが脚をキレイに見せてくれるので、脚長効果を狙いたい方などにおすすめのパンツでもあります。スタイルアップにつながります。
スーツの着用シーンで選ぶ
スーツを着用する場として最も多いのはビジネスシーンでしょう。ビジネスシーンならば、きちんと感、カジュアルシーンならばかしこまりすぎないリラックス感、フォーマルシーンならば目的に合わせた丈感などが求められます。それぞれのシーンに合わせたおすすめの丈感について説明していきます。
ビジネス
ビジネスシーンで求められるのは、“信頼感”を得られるスーツスタイルです。信頼を得るためには身だしなみに気を使ったパンツの丈感選びが大切です。
あまり短い丈感だとカジュアルな印象になり靴下も目立ちやすくなるので、靴の甲にパンツがかかって軽くたるみができるワンクッションまたは、靴の甲に軽く触れるほどでたるみがあまり出ないハーフクッションと呼ばれる丈感がおすすめとなっています。
カジュアル
カジュアルシーンであれば、軽快感やリラックス感が出しやすい短め丈などがおすすめです。夏場であれば足首やくるぶしが見える涼し気な丈のパンツスタイルが毎年の様に人気となっています。
ビジカジスタイルであれば、シングルだけでなくダブルの仕上げもおすすめです。また、縫い目が表に出てくるカジュアル感が強い“タタキ”仕上げと呼ばれる仕上げの場合は、普通から短め丈までどちらも合います。“タタキ”仕上げのパンツにはチノパンやジーンズが挙げられます。
フォーマル
冠婚葬祭の場で着るフォーマルスーツは、基本的に慶事と弔事のいずれの場合でも裾を短くし過ぎないことが大切です。カジュアル感が出てしまわないようにきちんとして見えるパンツの丈感が求められます。靴の甲にたるみが出るワンクッションもしくはハーフクッションが望ましいでしょう。
スーツの裾上げ&裾直しの注意点
裾上げ&裾直しは単にパンツの裾を脚の長さに合わせればいいということではありません。パンツのシルエットによって気を使わなくてはならないこともあり、男性と女性によってもパンツ丈の調整の仕方が異なります。注意点を知っておくことで、短すぎた!長すぎた!という失敗を防げます。注意点について確認していきましょう。
男性と女性で測り方が異なる
男性と女性のスーツのパンツ丈の測り方は異なります。男性はスーツ着用時にベルトを着用するのが必須となり、女性はヒールのある靴を着用することなどから男性と女性とではパンツ丈の測り方が変わってきます。
どちらの場合も共通して言えるのは、きちんとした印象のパンツの丈感にするためには、基本的に足の甲にあたるくらいの丈感がベストです。ストレートやテーパードなどのシルエットによっても変わってきますが、長すぎず短すぎないパンツ丈がバランス良く見えておすすめです。
ちなみに、女性であればヒールが高い靴を履く場合やフレアタイプのパンツの場合、ヒールの部分が始まる部分からヒールが隠れるくらいまで好みに合わせた丈感を選ぶことができます。
左右の長さが違う場合もあり
姿勢などによる身体の歪みなどから左右で脚の長さが異なる場合があります。左右で脚の長さに合うように裾上げも調整する必要があります。脚を組む習慣などがある方など心当たりがある方は、実際にパンツをはいた状態で股下を測ってみると良いでしょう。
測り方としては、パンツやスラックスなどのズボンをはいた時に希望する丈感に合わせてパンツにまち針をうって印をつけておきます。実際にパンツを着用することで体型に合わせた理想的な丈感に仕上げられます。
縫い目が見えないようにする
プライベートのカジュアルスタイルやビジカジスタイルならばあまり問題とないのですが、縫い目が表に目立つ“たたき縫い”などはカジュアルな印象になるので、ビジネスシーンでは避ける方が良いでしょう。スーツのパンツやスラックスの裾の縫い方としては“まつり縫い”がベストです。
縫製の糸の色はスーツの色に合わせて
縫製の糸の色はスーツおよびスラックスの色に合わせます。襟の部分に入れるデザイン的なステッチとは違って、裾上げのための糸の色は目立ちにくい色を選ぶことが鉄則です。スーツスタイルの印象を決めるのは全体のバランスです。一部分だけが目立ち過ぎないように注意しましょう。
急に裾がほつれた場合は裾上げテープを活用
急に出先で裾を留めていた糸がほどけてしまった!などの緊急時には近くに裾上げテープが売っている店を探しましょう。100円ショップなどでも裾上げテープは売られています。
アイロン式ではなく両面テープや片面テープなどの種類があるので、パンツやスラックスの裾の状態に合わせて選びます。洗濯すると粘着力が弱まるので、自宅でセルフで裾直しするかお直し専門店で裾を早めに直しましょう。
まとめ
今回、メンズスラックスやズボンの裾上げ&裾直しの方法やポイント、シーンに合った裾丈、注意点などについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。スーツやスラックスを購入した際に必要になる裾上げについて詳しく知ることで、スーツやスラックスなどのズボン選びもより楽しみやすくなるのではないでしょうか。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。