暖かくなってくるとTシャツやカットソーが主役のコーデが増えてきます。Tシャツは洗いざらしのワイルドなタイプも良いですが、キレイ目なシルケット加工されたTシャツなどを使ったメンズコーデも魅力的です。そこで今回は、シルケット加工とは何か、マーセライズ加工との違い、シルケット加工のメリット、デメリット、シルケット加工の洋服の種類とおすすめのファッションアイテム、シルケット加工アイテムの洗濯の仕方などについて詳しく解説&紹介していきます。
シルケット加工とは
シルケット加工とは、コットンを苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)水溶液に浸けてシルクのようなツヤ感や強度を出した加工方法です。綿糸や綿布の状態から加工することで、丈夫でしなやかな質感のコットン生地を生み出せます。
シルケット加工とマーセライズ加工は同じ
シルケット加工とマーセライズ加工は同じです。呼び方は異なりますが、どちらも絹のようにスベスベとしてツヤ感あるシルキーな質感を生み出す加工を指します。
シルケットスムースは表面のなめらかな質感を指す
シルケットスムースは、シルケット加工された生地の表面を指します。ちなみに、スムースという言葉には“なめらか、平ら、スベスベした、シワをのばす”という意味があり、シルクのような肌ざわりの良い生地であることを感じられるでしょう。
シルケット加工のメリット
カジュアルなイメージになりやすいコットンをシルケット加工することで、以下のメリットが生まれます。順番に見ていきましょう。
メリット1.上質で高級感が増したイメージになる
メリットの1つ目は、上質で高級感が増したイメージにできるということです。コットンはどうしてもカジュアル路線になりがちですが、シルケット加工をすることで生地表面にツヤとハリが生まれ、型崩れしにくいきちんとした印象に着られるのが魅力となります。ジャケットのインナーとして取り入れても違和感なくキレイ目に仕上げられます。
メリット2.ツヤと発色に優れる
メリットの2つ目は、ツヤと発色に優れるということです。シルケット加工の最大の魅力はツヤ感のある仕上がりでしょう。なめらかなので手ざわりもよく、身体のラインを立体的にキレイに見せやすいのもポイントです。表面を平らにすることで流行りのニュアンスカラーもしっかりと染まり、くすみ感を楽しめます。
メリット3.耐久性がある
メリットの3つ目は、耐久性があるという点です。毛羽立ちが少ないスムースな生地表面なので、洗濯をしても繊維同士が絡むのを防いで元のなめらかな状態を維持しやすいでしょう。洗濯機で気軽に洗えるタイプも多く出ています。
メリット4.シワになりにくい
メリットの4つ目は、シワになりにくいということが挙げられます。コットンの糸や布を引っ張った状態で薬品に浸けるため、コットン特有のシワになりやすい点をカバーしやすくなります。
シルケット加工のデメリット
では、シルケット加工のデメリットとは何になるのでしょうか。メリットに比べてデメリットが少ないのもシルケット加工の特徴です。
デメリット1.ファスナー現象が起こりやすい
デメリットの1つ目は、生地同士がくっついてしまう“ファスナー現象”が起こりやすいという点です。なめらかな質感だと静電気が起きやすくなり、生地同士がくっつきやすい状態になります。対策としては、リブなどが入ったシルケット加工アイテムを選んだり、少し厚手のタイプを選んだりするとファスナー現象を抑えやすくなります。
デメリット2.横にスジが見えることがある
デメリットの2つ目は、横にスジが見えることがあるという点です。シルケット加工を施す過程で糸や布を引っ張って薬剤に浸けるため、コットン糸の太さに違いが出てしまいます。横にスジが入った状態に見えることがあるのはそのためで、対策としてはやはり表面が目立ちにくいリブタイプなどを選ぶと横にスジが見えにくくなります。
シルケット加工されたファッションアイテムの種類
シルケット加工の洋服の代表と言えば、Tシャツやカットソーがまず挙げられるでしょう。そのほかにも、タートルネックやモックネック、クルーネック、ニットなどがメンズ向け通販サイトや紳士服店でも良く見られるアイテムとなっています。
シルケットコットンはジャケットのインナーにもピッタリ
シルケット加工されたコットンは、通常のコットンアイテムと違って毛羽立ちがほとんど感じられないので、スッキリとした着こなしができます。そのため、1枚でメインとして着たり、ジャケットと組み合わせて着たり幅広い使い方ができます。
抗菌や防臭などの機能がついた加工がされているタイプもあり、ジャケットのインナーとして使うと汗ばみやすい梅雨時などもニオイを気にすることなくサラリとした質感で、肌ざわり良く快適に着られます。ジメジメしやすい時期や夏場、秋の始めから半ばなど、汗をかきやすい時期におすすめの素材です。
シルケット加工ファッションアイテムの洗濯の仕方
シルケット加工は強度が増し、縮みが起きにくい仕上げですが洋服アイテムによっては手洗いが必要なことも。正しいお手入れの仕方のポイントを知って、お気に入りのシルケット加工アイテムを長持ちさせましょう。
洗濯ラベルを確認する
まずは、洗濯ラベル表示を確認します。Tシャツやカットソーの場合は気軽に洗濯機で洗える場合が多いですが、ニットなど網目が大きくなるものはダメージを受けやすいので、手洗い表示となっている場合があります。
洗濯ラベルに桶に水を張った表示があれば、洗濯機で洗えます。洗濯機で洗う場合は、洗濯ネットを使用して擦れなどから守るようにしましょう。桶に手のイラストが描かれている表示ならば手洗いで洗う必要があります。
洗剤も合成洗剤または中性洗剤がOKなものと、ドライクリーニングのみOKという場合があるので良く確認しましょう。丸の中にPやFの表示があればドライクリーニングを指しているので、家庭用ドライクリーニング専用の洗剤で洗いましょう。また、漂白剤や蛍光剤が配合された洗剤は刺激が強いので使わないようにするとよりダメージを防げます。
念のため、最初の洗濯時は手洗いにしておくと、色移りなどの可能性を防ぎやすくなります。また、手洗いは洗濯機よりもやさしく洗えるので、シルケット加工アイテムを長持ちさせたい方は手洗いがおすすめです。
アイロンをする時は当て布を使う
洗濯後、シワを伸ばして日陰の風通しの良いところで干したとしてもシワができてしまった場合、アイロンでケアすることもできます。ただ、シルケット加工アイテムは、元々ツヤ感がある分、アイロンを当てるとテカりやすいので注意が必要です。
アイロンをかける際は、当て布をするとテカりを防ぎやすくなります。当て布は、コットンのハンカチや手ぬぐいなどのほか、アイロンかけ専用のアイロンクロス、アイロンカバーを使ってケアできます。当て布がついたアイロン台も販売されているので好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
まとめ
今回、シルケット加工とは何かについてや、マーセライズ加工との違い、シルケット加工のメリット、デメリット、洋服の種類、おすすめの取り入れ方、洗濯方法などについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。シルケット加工の洋服アイテムを取り入れることで、キレイ目カジュアルコーデからビジカジまで幅広く対応できます。ぜひ、今年はシルケット加工の洋服アイテムをコーデに積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。