“コットン”と聞くとどこかオシャレな響きがするため、“綿”とは違うものではと思う方もいるのではないでしょうか。コットン・綿を使用した洋服は、肌にやさしく敏感肌の方でも取り入れやすいため、時代問わず人気のある素材です。メンズ向け通販サイトや紳士服店でも良く見かける素材でしょう。そこで今回は、コットンと綿の違いやメリット、注意点、コットンを使用した洋服の特徴などについて詳しく解説&紹介していきます。
コットンとは
コットンはメンズのジャケットやスラックス、スーツ、Yシャツなどを始め、カジュアルの定番であるTシャツやチノパンのほか、タオル、シーツなどのファブリック製品など幅広く使われています。やわらかな手ざわりで老若男女問わず愛される素材です。
コットンと綿の違い
結論から言うと、コットンと綿は全く同じものです。コットンは綿の英語表記になります。洗濯ラベルなどの英語で書かれた表示と見比べてみると分かりやすいでしょう。日本語のラベルには綿と書いてあるところ、英語で書かれているラベルは“cotton”と表示されているのを確認できます。
コットンは天然素材
コットンは、多年草の綿からとれる種子毛を使用して作った天然素材です。よくコットンの中でも耳にすることが多い“オーガニックコットン”は、化学肥料や農薬を使用していない有機栽培のコットンを指しており、肌に負担がかかりにくいことから敏感肌の方や小さいお子さんなどにも人気があります。環境にも配慮された作り方でも注目されています。
また、環境に配慮したコットンと言うと“リサイクルコットン”もあります。工場でコットン製品を作る際に出た廃棄物を使用して作られたコットン素材で、新たに栽培されたものではないので、環境にやさしい素材です。ほかの素材と組み合わせて使用されることもあります。
コットンのメリット
それでは、次にコットンのメリットについて見ていきましょう。コットンにはさまざまな優れた点が挙げられます。
メリット1.夏は涼しく冬は暖かい
メリットの1つ目は、夏は涼しく冬は暖かいという点です。コットンは吸水性と通気性を併せ持っているので、素早く汗を吸い取って放出させることができます。そのため、サラリとした質感が得られ涼しく感じるのです。また、コットンの中心部分の構造が空洞になっていることで、冬場でも上に衣類を組み合わせると熱を逃がさず暖かく着られます。
メリット2.高い耐久性で丈夫
メリットの2つ目は、高い耐久性で丈夫という点です。水に強く熱に強いという特性を持つため、洗濯しても傷みにくく気軽に洗濯できます。毎日着るシャツや下着はもちろん、汗ばむ季節の洋服選びにピッタリです。また、熱に強いためアイロンかけをしても熱でダメージを受ける心配がないので扱いやすいでしょう。
メリット3.静電気が起きにくい
メリットの3つ目は、静電気が起きにくいという点です。コットンは吸水しやすい特性があると説明しましたが、吸水性があるということは電気を逃がしやすい状態であるということになります。そのため、乾燥している冬の時期に帯電しにくく静電気が起きにくいコットンは優秀だと言えるでしょう。
メリット4.やわらかい肌ざわり
メリットの4つ目は、やわらかい肌ざわりという点です。コットンには保湿性があり、ふんわりとした肌にやさしい質感を持つことから、敏感肌の方にもおすすめの素材です。コットンの繊維の先がなめらかで肌に刺激しにくい構造となっているので、やさしい手ざわりが得られます。
メリット5.染めやすく発色に優れている
メリットの5つ目は、染めやすくて発色に優れているという点です。コットンは気温や圧力に影響を受けにくく、染まりやすく発色しやすいという特質があります。糸の状態で染める“先染め”、布の状態で染める“後染め”、製品にした状態で染める“製品染め”のいずれの場合にも対応でき、色や柄などが楽しめます。
メリット6.虫に食われにくい
メリットの6つ目は、虫に食われにくいという点です。動物性繊維に比べて植物性繊維であるコットンは、比較的虫に食われにくい素材です。コットンは動物性繊維と異なり、繊維の中にタンパク質を含まないため、虫食いの被害が起きにくい素材となっています。
コットンの注意点
吸水性や通気性もあり着やすいコットンにも注意点があります。注意点を知って上手にコットンを取り入れるヒントにしましょう。
注意点1.縮みやシワができやすい
コットンの注意点1つ目は、縮みやシワができやすいという点です。コットンは吸水性に優れる分、洗濯をすると繊維の中に水が入り膨らみます。そのため、繊維と繊維の間が狭くなり縮みやすくなります。
また、繊維の間が狭くなるということは、元の繊維があった箇所から位置がズレるということでもあります。乾くと繊維がズレた状態で元の大きさに戻ろうとするため、均一に戻らずにシワになってしまいます。縮みやシワを防ぐには洗濯時にちょっとした工夫がポイントになります。
注意点2.乾きづらい
コットンの注意点2つ目は、乾きづらいという点です。こちらも吸水性に優れるがゆえに天候の悪い日などには繊維の中の水分が空気中に放出されにくくなり、イヤな臭いの原因になる場合があります。特に生地が厚い場合は乾きづらくなるため、洗濯の際に干し方に注意が必要です。
注意点3.色落ちや変色が起きやすい
コットンの注意点3つ目は、色落ちや変色が起きやすいという点です。染まりやすい特性がある反面、色が移りやすいという特性もあります。特に色が濃いものは、ほかの洋服に色移りしやすくなります。
また、コットンがホワイト・白色である場合は、ほかの色の濃い洋服から色が移ってしまう可能性があります。こちらも洗濯時に意識的に注意することで防ぎやすくなります。
コットン服の特徴
コットン素材を使用した洋服アイテムの特徴を見ていきましょう。特徴を活かしたスタイリングにすることで、快適でおしゃれなメンズコーデを目指せます。
【コットンジャケット】ライトな着心地で初心者にもおすすめ
コットンジャケットは、繊維がやわらかく春や夏のジャケットに良く使われます。薄くても丈夫なので扱いやすく、リラックスしたコーデにしやすいでしょう。ジャケット単体で着たり、セットアップ風に着たりしてラフ感あるコーデを楽しめます。トレンドのオーバーサイズのジャケットは、コットンジャケット初心者の方もトライしやすくおすすめです。
【コットンスーツ】丈夫で季節問わず使いやすい
コットンスーツは、カジュアルで使いにくい素材であるかというと必ずしもそうではありません。コットンを使用したスーツは丈夫なのでお手入れもしやすく、身体に馴染んだ着心地を得られます。トレンドのニュアンスカラーのような中間色も表現しやすく、いつもとちがったスーツカラーをそろえたい方にもおすすめです。コットンとウールの混紡生地のスーツなどもあります。
【コットンスラックス】蒸れず肌ざわりが良い
コットンスラックスは、通気性があることから夏場など汗をかきやすい季節も爽やかに着られます。コットンのシワ感やハリ感の独特な風合いを活かしてカジュアルスタイルに取り入れたり、チノパンを使ったビジネスカジュアルに取り入れたりしやすいでしょう。コットンスラックスは、カジュアルにもキレイ目スタイルにも使いやすいアイテムです。
【コットンインナー】肌にやさしく通気性や吸水性も◎
コットンインナーは、吸水性と通気性があるのでどの方も季節問わずに使えるのが魅力です。肌にチクチクとした刺激もないため、敏感肌の方も取り入れやすいでしょう。肌に直接ふれるインナーだからこそ、毎日、気軽に洗える素材としてコットンはおすすめです。ポリエステル素材などに比べて汗を吸いやすく、静電気が起きにくいのもおすすめできる点です。
コットンアイテムの洗濯方法と干し方のコツ
上記で注意点について説明しましたが、洗濯の際のちょっとした工夫をすることで、シワや縮み、色移り、乾きづらい&変色しやすいといった悩みを改善しやすくなります。ポイントについてまとめました。
ポイント1.洗う前に色分けしてネットに入れる
洗濯する時は、色の濃い物と分けて洗います。色の薄い物と濃い物を分けて洗うだけで色褪せや色が移るといったリスクを防ぎやすくなります。また、洗濯ネットを使うようにすることで、繊維同士が擦れて色が移るのを防ぐと共に、毛羽立ちのダメージを避けられます。
ポイント2.干す前にシワを伸ばす
縮みやシワを防ぐには、洗濯が終わって洗濯機から出した時点でシワを伸ばすことです。軽く引っ張ってシワをとります。襟元や袖口、裾口などは、折れてめくり上がりやすい箇所なので丁寧に広げましょう。軽く叩いて均等に生地を広げると、シワと縮みを防ぎやすくなります。
ポイント3.乾かす時は風通しの良い日陰で
干す時は、イヤな臭いを発生させないためにも洋服と洋服の間に風が通るように適度な隙間を空けて干します。理想は20センチほどですが、室内などでスペースが空けられない場合は、下から風を当てるとニオイが発生しにくくなります。ちなみに、ニオイが付いてしまった時は煮沸するか、衣類専用の漂白剤につけるとニオイがとれやすくなります。
外で干す際は、直射日光が当たらない風通しの良い日陰に干します。直接日光が当たると生地が焼けてしまいダメージになります。基本の干し方はハンガーにかけて干す方法ですが、重さがあるコットンアイテムの場合は、平干しをすると重さで生地が伸びるリスクを防ぎやすくなります。
まとめ
今回、コットンと綿の違いやメリット、注意点、コットンを使用した洋服の特徴、洗濯や干し方のコツなどについて詳しく解説&紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。コットンの特性を知ると、コットンの快適性を活かした着こなしコーデを楽しみやすくなります。ぜひ、これから汗ばむ季節を迎えるにあたり、ぜひコットンを使ったコーデをしてみてはいかがでしょうか。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。