紳士服店などで既製品のスーツやスラックスなどのズボンを購入する際にセットで行うのがパンツの裾上げになるでしょう。裾上げをすることは自分にあった丈のパンツに仕上げるほかに、全身の印象をおしゃれに見せる効果もあります。その裾上げにも種類がいろいろとあるのはご存じでしょうか。裾上げについても仕上げ方や裾の形など種類が存在します。そこで今回は、裾上げの効果や相場、種類、裾上げの際に必要な股下の測り方、仕上げ方などについて詳しく紹介&解説していきます。
スラックスの裾上げとは
そもそも裾上げとは何かというと、男性の場合は主にパンツの裾上げを指します。既製品のスーツやスラックスを購入した場合、パンツ丈を自分の脚の長さに合わせて調整してもらう機会があるでしょう。
ある程度、パンツ丈はサイズごとに長さを変えて売られてはいますが、オーダーメイドではない限り、自分の脚の長さにピッタリの長さの丈や好みの着方に合わせた丈にすることができません。そこで、裾上げという作業をすることで、希望に合ったパンツ丈にすることができるのです。
スラックスの裾上げするとスッキリとした印象に
裾上げをせずに裾が長いまま着用したとしましょう。足元にはパンツがたるみダラリとしたしまりのない印象になってしまいます。自分の脚の長さに合わせて裾上げした場合は、足元にたるみができずにスッキリとさせることができるので清潔感がある着こなしにできます。
特に社会人にとってスーツスタイルは基本の服装となることが多いため、スッキリとした清潔感のあるパンツ丈は大切です。スーツスタイルがしっくりこないと感じている方は今一度、パンツ丈をチェックしてみると良いでしょう。
スラックスの裾上げ料金相場は880円から
一般的な店での裾上げ料金の相場は1,000円〜1,500円となっており、スーツ専門店や紳士服販売店で購入した場合は880円〜1,000円ほどとなっているようです。また、店によって仕上げの仕方で料金が異なることもあるので、スーツやスラックスを購入した店で確認すると良いでしょう。ちなみに、スーツ専門店の場合は混んでいる時期でなければ、当日中に裾上げをしてもらうことも可能です。
スラックスの裾上げ種類
スラックスの裾上げの種類は、大きく分けて3つあります。お店で仕上げてもらう方法以外にも自宅でできる裾上げなども紹介します。
【ミシン縫い】丈夫に仕上がる
ミシン縫いは、お店で裾上げをしてもらう場合のスタンダードな裾上げ方法です。ミシンを使って均等に縫い付けていくことで、ほつれにくい丈夫な仕上がりになります。1周ぐるりと縫うことで、浮きなどもできずキレイに仕上がります。
【手縫い】縫い目が目立ちにくい
手縫いは、“まつり縫い”という縫い目が目立ちにくい方法で縫えるため、縫い目が無いように仕上げられるのが特徴です。人から見られる職業の方などにおすすめの裾上げ種類となっています。
裁縫が得意な方ならば自宅でサッと裾上げすることも可能でしょう。すくう布地を1ミリ以下にすると、表面からほとんど目立たない仕上がりにできます。
【裾上げテープ】アイロンで簡単接着
裾上げテープは、裾上げしたい部分にアイロンでテープを貼り付けることで自宅でも簡単に好みの長さに裾上げできます。片面もしくは両面を接着させるタイプがあり、片面の場合は、テープ面が見える仕上がりになるので注意が必要です。
針や糸を必要としない手軽な方法ですがアイロンを使うため、シルク混紡やナイロンなど熱に弱い素材の場合は使えないことがあります。

股下の測り方
股下の長さを測ることで自分に合った理想的なパンツを選びやすくなります。股下だけでなく股上+股下を足した総丈で測る方法もありますが、今回は股下で測る方法を下記にて説明していきます。
股下を測るために必要な物と注意点
まず、股下を測るためにやわらかいテープ式のメジャー、お気に入り丈のスラックスを用意しましょう。メジャーは脚のラインに合わせて測るため、やわらかいものを選ぶと良いでしょう。
また、スラックスを履いたまま測定する場合は、ウエスト位置を腰骨に合わせてベルトを締めた状態で測ります。ちなみに、いつも履く靴を履いてベストな丈を直接、確認すると良いでしょう。いつも履く靴ではない場合、靴の厚みやかかとの高さによって希望する丈とは異なる数値になってしまうので注意が必要です。
ベストなパンツ丈の目安としては、足首もしくはくるぶしが見える丈が良いとされています。短い丈だとカジュアル、長め丈だとフォーマルな雰囲気になります。
手順1.
スラックスなどのボトムスを使って測る場合は、前身頃が平らになるようにスラックスを置きます。たるんでいたりスラックスが曲がって置いていたりすると正しく測れません。
スラックスを履いたまま測る場合は、脚の付け根から足首またはくるぶしまでを測ります。自分で測る場合は壁を背にして本などを脚に挟んで立ちます。
手順2.
スラックスなどのボトムスを使って測る場合は、スラックスの片側を折り曲げ、内股の付け根部分が見えるようにしたら、内股の縫い目がクロスする部分から裾までを測ります。裾まで直線で測るのではなく、縫い目に沿って測るのが正解です。縫い目がズレている場合は、前側のつなぎ目から測ります。
スラックスを履いたまま測る場合は、脚に挟んだ本などを目安に壁に印をつけます。壁の印から足首またはくるぶしまでの高さを測ります。
クッションの種類
次に、裾の仕上げによって全体のスタイルのイメージが変わるクッションの種類について解説していきます。
【ワンクッション】清潔感があるきちんと丈
ワンクッションは、その名の通り折り目が1つできるほどの余裕がある丈です。足の甲に裾が付いたときに折り目ができる丈なので、靴下も見えづらくなりフォーマルできちんとした印象になります。通常のスラックスの太さから比較的ゆったりとしたスラックスのラインに合います。
【ハーフクッション】スラックスがキレイに見える美ライン丈
ハーフクッションは、ワンクッションに比べて折り目ができる丈ではなく、たわむ程度の丈になります。ワンクッションよりも短い丈のため、動きやすくスッキリとした足元にしやすくなり、スラックスの太さも細いスリムタイプに合います。足の甲までスラックスのラインがキレイに出せるので、脚の美ラインを意識したい方におすすめの丈です。
【ノークッション】カジュアルで着やせ効果も狙える丈
ノークッションは、ハーフクッションよりも短い丈で、機動性に優れています。足首が見えることでスッキリとした印象になり、脚を細く見せる効果も得られます。夏シーズンのカジュアルスタイルにマッチし、スリムタイムのパンツとの相性も良いでしょう。職場の雰囲気によってはビジカジスタイルとしても取り入れることもできます。
裾の形の種類
スーツ専門店や紳士服店でスラックスを購入した際に、裾の仕上げについて問われることがあるでしょう。ビジネスであれば何となく「シングル」と答えている方も多いのではないでしょうか。裾の形を知ることでイメージに近い着こなしがしやすくなります。
【シングル】スーツスタイルにジャストマッチ
シングルは、ストンとした裾の形を指します。折り返したりしない分、足元はスッキリとして清潔感が出しやすいのが特徴です。ビジネスシーンではスタンダードな裾の形でフォーマルな印象を得られます。
【ダブル】ダブルスーツやスリーピースとも相性良し
ダブルは、スラックスの裾を折り返した裾の形です。折り返すことで立体感が生まれ、足元にボリュームを出せます。そのため、ダブルスーツやスリーピーススーツをバランスよく着こなすことができるのも魅力です。折り返している分、動きやすくカジュアルな印象になりやすくなります。
折り返し部分は裾の形をキープするため留めますが、ホックで留める方法と糸で留める方法の2つがあります。糸留めの場合は、ホコリが溜まりやすいので手入れの際に気を付ける必要があります。
【モーニングカット】動きやすく脚長効果に期待ができる
モーニングカットは、モーニングのパンツ裾が同じようなシルエットであることから名づけられています。スラックスの前側を短くしてかかと側を長くすることで、脚を長く見せる効果に期待ができます。
前側とかかと側では約1センチの違いを出すことにより、優雅で落ち着いたフォーマルな印象に仕上がります。動きやすい点から外回りなどが多い職種の方にもおすすめの裾の形です。
【ジーンズ仕上げ(タタキ)】外側に縫い目が見えるカジュアル仕上げ
ジーンズ仕上げ(タタキ)は、ジーンズとの名前のごとくカジュアルな仕上げがされた裾の形です。ミシンで裾を一周縫いつけることで強度は上がりますが、表から見た時にまつり仕上げとは異なり、縫い目が目立ちやすいのが特徴です。
そのため、フォーマルなスラックスタイプのパンツではなく、ジーンズやチノパン、カーゴパンツなどのカジュアルパンツの裾の形としておすすめです。
まとめ
今回、スラックスの裾上げ種類について裾上げの効果や料金の相場、裾上げ種類、股下の測り方、クッションの種類、裾の形の種類について詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。裾上げの知識を深めることでメンズ向け通販サイトや紳士服専門店でスーツやスラックスを購入した時に好みの丈に調節してパンツをおしゃれに着こなすことを目指せます。ぜひ、シーンに合わせてパンツの丈感を選んでみてはいかがでしょうか。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。