メンズのベルトを取り入れたコーデは、スーツスタイルだけに限定されたものではありません。プライベートシーンのカジュアルコーデや特別な日のオケージョンコーデにもベルトを使ったコーデはおすすめです。そこで今回は、ベルトのお手入れの仕方からベルトのサイズの見方や測り方、いいベルトの見極めポイント、おすすめのベルトコーデについて詳しく解説&紹介をしていきます。
手入れの仕方
ベルトのお手入れをしたことはあるでしょうか?夏場は汗もかきやすく、じんわりと汗を吸ってしまうこともあるでしょう。また、雨が多い季節の変わり目や梅雨時などもベルトに負担がかかりやすい状態となっています。お手入れの方法を知って、ベルトを長持ちさせましょう。
手順1.パンツからベルトを取り外す
パンツに通したままの革ベルトはベルトが痛む原因となります。常に曲げられた状態になることでベルトの縫い目に負荷がかかったり、湿気がこもった状態になったりしてカビが生えやすくなるなど、ベルトに負荷をかけてしまいます。また、パンツにベルトを通したままだとパンツが伸びるという可能性もあるので、面倒でもベルトはパンツから外して吊るしておくと良いでしょう。
ちなみに、ベルトの保管はベルト専用ハンガーやS字フックなどを使うと便利です。普通にハンガーの柄の部分に掛けてもOKです。
手順2.ブラシや布で汚れをとる
目に見えない細かい汚れなどは革専用ブラシを使うと、ベルトを傷つけずにツヤ出しにも使えて便利です。ブラシの種類には馬毛や山羊毛などがあり、保湿クリームを塗り広げた後にクリームを馴染ませるのにも使えるので1つ持っておくと良いでしょう。
また、馬毛の方が豚毛に比べて柔らかいので繊細な革生地におすすめです。通常、基本的にベルトに使用される革は丈夫な馬や牛の革が使われているため、豚毛ブラシでも使用する分には問題ないでしょう。
布の場合は、ベルトについたホコリ以外にも皮脂などの汚れも手軽に拭き取れます。基本的なお手入れには最もポピュラーなお手入れ方法です。硬い布地だとベルトに傷がついてしまうので、やわらかいスエードやベロアなどの生地を選ぶと傷がつくのを防げます。
手順3.汚れがひどい場合はレザークリーナーを使う
万が一、拭いても取れない汚れやシミができてしまった場合は、レザークリーナーを使ってお手入れすると、ダメージを受けた部分も元のキレイな状態に近づけることができます。
一般的にクリーナーは少量を使用し、揉むようにして汚れを落としていきます。表面に残ったクリーナーをふき取り乾かしたらお手入れは終了です。(※種類によって水拭きが必要なものもあります)
レザークリーナーを使った本格的なお手入れは、シーズンに1回程度が目安となります。あまり頻繁に行うと、ヒビ割れなどのダメージの原因となるので適度な頻度でのお手入れがコツとなります。
手順4.保湿クリームや防水スプレーを活用する
保湿クリームは、革の油分が不足している場合に使います。特に、レザークリーナーを使用した後はセットで使うと良いでしょう。クリームを使うことで革を柔らかく保てます。
また、革に使える革用防水スプレーを使用する前に吹き付けておけば、雨などの水分によるダメージを軽減できます。出かける直前に吹き付けるのではなく、出かける時にスプレーして完全に乾いている状態になってから外出しましょう。スプレー後は、軽く乾拭きするとムラなく全体にコーティング剤を行き渡らせられます。
ベルトの各サイズの見方と測り方
では次に、ベルトの各サイズの見方と測り方について説明していきます。自分の体型に合ったベルトを選ぶことで、スッキリとした見た目と快適なつけ心地を得られます。
ベルトの幅
ベルトの幅は、コーデのイメージを大きく左右します。幅広タイプであればカジュアルなイメージに、幅細タイプならばトレンドを意識したイメージに、幅広過ぎず幅細すぎないバランスの良い幅であればビジネスに合うきちんとしたイメージにできます。
ベルトの幅は大きく分けると7種類に分かれ、幅が広いものから40ミリ、35ミリ、33ミリ、30ミリ、25ミリ、20ミリ、15ミリがあります。ベルトの幅は太いほど主張が増すので、ベルトをポイントにしたコーデにしたい時は幅広タイプのベルトがピッタリです。スタッズがついたタイプやカウボーイベルトなど、装飾性があるタイプのベルトが多く見られます。
スーツスタイルには30ミリ〜35ミリ幅がスタンダードでおすすめです。幅が広すぎず細すぎないことで悪目立ちすることなく全体のコーデに馴染ませられます。
また、トレンド感あるスタイルを目指したいならば、幅細タイプのベルトを選ぶとスタイリッシュなイメージを目指せます。フォーマルスタイルにも合い、上品な印象にしたい時やトレンド感のあるコーデをしたい時におすすめのベルト幅です。
ベルトの長さ
ベルトの長さは、ベルトを付けた時の印象に関係してきます。長さの合わないベルトを選んでしまうとベルトがあまって不格好な印象になってしまうので、体型に合わせたベルトの長さ選びは必要です。ベルトの中には調節できない定尺ベルトもあるため、自分の体型に合わせたベルト選びが大事になります。
ベルトのピンを留める位置は3番目が基本となるため、ピン先から3番目のベルト穴までの距離が、ウエスト周囲に合っているかどうかがポイントとなってきます。長さのサイズ表記として、80/100という表示の場合であればベルト全体の長さが100センチ、ウエスト周囲が80センチということになります。海外の場合はインチで表示されており、Sが34インチ(86.36センチ)、Mが36インチ(91.44センチ)などのように表示されています。
ベルトの測り方
ベルトの測り方は、ベルトをテーブルなどの平らな場所に置いて、メジャーで測ります。自分のウエスト周囲とベルトの長さが合っているかを調べるには、ピン先から測ることがポイントとなります。ウエスト周囲とベルト穴が合わない場合は、バックルを外してウエスト周囲の距離とベルトの3番目の穴が合うようにカットして調整します。
体型に合わないベルト穴の位置で無理やり締めてしまうと、ベルト穴が傷ついて痛む原因になってしまうほか、見た目もスッキリとせずにスタイリッシュに見えなくなるので、自分のウエスト周囲に合わせた長さで使うようにしましょう。
いいベルトの見極めポイント
“いいベルト”とはどんなベルトになるのでしょうか。良いベルト選びのポイントついて順に説明していきます。
ポイント1.ベルトの側面の仕上げとこだわりのベルト穴
ポイントの1つ目は、ベルトの側面を見てみると分かります。ベルトの多くは革を合わせて作られているため、横から見たときに側面の角がキレイに削られていると角がなく滑らかな質感になります。ベルトをパンツに通す時に通しやすくなるほか、手に持った時の感触も良くなります。パンツ生地との擦れによるダメージも防ぎやすくなります。
ベルト穴もただ丸く穴をあけるのではなく、ピンの形状に合わせた形状にあけられているものは良いベルトの1つと言えるでしょう。また、ベルトの穴が劣化しにくいようにベルト穴の断面にコバ塗りでコーティングされていると、劣化を防ぎやすくなるため良いベルトと言えます。
ポイント2.真鍮製バックル
ポイントの2つ目は、バックルに使っている金属が“真鍮製”であるかどうかです。真鍮は「黄銅」とも呼ばれており、トランペットやサックス、トロンボーンなどの楽器にも使われています。錆びにくく加工しやすい点から楽器やインテリア製品、アクセサリーなど幅広く使用され、使いこんでいくうちにアンティーク調の表情が楽しめるのも魅力となっています。
ポイント3.根革の裏まで革が使われているか
ポイントの3つ目は、根革というベルトとバックル部分を固定する部位の裏側まで革が使われているかどうかです。バックルを挟みこんでベルト本体に留めてしまうため、裏側部分まで本革が使われているかどうかは一見では分かりません。ベルト使用素材の表示を見て、裏側も本革で作られているかどうかを確認してみると良いでしょう。
ポイント4.丁寧な縫製と念引きがされているか
ポイントの4つ目は、丁寧なミシン縫いがされているか、またはハンドメイドなどによるこだわりの縫製がされているかです。丁寧な縫製がされているベルトは、長年使用していても重ね合わせ部分がバラバラになるといったダメージが起きにくいでしょう。
また、念引きは革製品の仕上げとして熱したゴテで細い溝を作る仕上げを言います。念引きをすることでベルトに立体感を出すことができ、ベルトの密着度も増します。高級感が増した仕上がりでベルト全体のフォルムを美しく引き締める効果が得られます。念引きは、卓越した技術が求められるため、職人の技量が試される部分でもあります。
ポイント5.芯地に革を使用しているか
ポイントの5つ目は、ベルトの芯となる部分に革を使っているかどうかになります。これは根革部分に革を使用しているかと同様に、いいベルトかどうかが判断できる箇所となっています。
芯に革を使ったベルトは、使い続けていても硬くならずにしなやかさを維持できるため、身体に馴染んだつけ心地を得られます。また、手に取った時もしなやかさを感じられるでしょう。ちなみに、ベルトの厚みはある程度ある方が高級感ある仕上がりとなり、付けた時の安定感も増します。
おすすめのベルトコーデ
それでは、ベルトのお手入れの仕方やベルトのサイズの見方や測り方、いいベルトの見極めポイントが分かったところで、ベルトを使ったおすすめのコーデについてシーンごとに順に紹介していきます。
【ビジネスシーン】基本のブラックベルトがベスト
ビジネスシーンは、基本のブラック・黒色を使ったコーデがおすすめです。どんなスーツにも馴染むブラック・黒色は、清潔感や真面目さを必要とされるビジネスの場で使いやすく基本のベルトとして誰しも1本は持っているでしょう。幅は3〜3.5センチ程度でベルト穴は3つ目になるように調整して使用します。
グレー・灰色、ネイビー・紺色などのスーツとの相性が良く、シューズやバッグと色味を合わせると統一感が出てスタイリッシュなイメージに仕上がります。ブランドロゴのバックルを使ったベルトのようなものではなく、シンプルなタイプがベストです。
【カジュアルシーン】メッシュベルトで抜け感を
カジュアルシーンは、網目模様が特徴のメッシュベルトを取り入れてみるのもおすすめです。ジーンズにTシャツといった王道カジュアル以外にも、シンプルなTシャツまたはカットソーにジャケットを羽織ったキレイ目カジュアルにも合わせやすいでしょう。
ビジネスとは違って敢えて長さを残したベルト丈にすることで、ラフさと抜け感を出したカッコイイ着こなしを目指せます。
【フォーマルシーン】お祝いの席ならば幅細ベルトでスタイリッシュに
フォーマルシーンは、葬儀などのお悔やみの場ではシンプルなビジネスの場でも使えるブラック・黒色タイプのベルトを選びます。結婚式お祝いの席では華やかなイメージとなるようにブラック・黒色またはブラウン・茶色の細いベルト幅を選ぶと、スタイリッシュな着こなしになりオシャレな印象を得られます。
ネイビー・紺色などの変化球カラーもお祝いの席、特に二次会などの場では使いやすいでしょう。ネイビー・紺色のベルトなどのカラーベルトの場合は、スーツのカラーに合わせて使うとベルトだけが浮かずにステキな着こなしを目指せます。
まとめ
今回、メンズにおすすめのベルトのお手入れの仕方からベルトのサイズの見方や測り方、いいベルトの見極め方、ベルトを使ったおすすめのコーデなどについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。ベルトを使ったコーデにすることで、コーデの幅も広げやすくなるでしょう。ぜひ、ベルトを使いこなしてビジネスシーンからカジュアルシーン、フォーマルシーンまで思い通りのファッションスタイルを楽しんでみて下さい。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。