ビジネスシーンにかかせないアイテムと言えば、スーツやワイシャツのほかにベルトが挙げられます。ベルトをすることでスーツスタイルもキリリと引き締めて見せやすくなり、きちんとした印象をつくれます。また、スーツスタイル時のベルト着用は身だしなみの1つと言えます。そこで今回は、ベルトの歴史から各部分の名称・マナーなど、ベルトの基本情報について詳しく解説&紹介をしていきます。
ベルトとは
ベルトはサイズに合わないパンツを調整して着用しやすくしたり、ウエストマークすることでスタイルを良く見せたり、オシャレに見せたりできる便利なアイテムです。ベルトの歴史や由来、着用するメリットについて順番に説明します。
ベルトの歴史や由来
ベルトの起源は古代ギリシャ時代にさかのぼります。ベルトの語源はラテン語の「バルテウス(BALTEUS)」からきており、剣をはくために必要な革製のアイテムでした。当時は肩から剣を吊るすスタイルでしたが、時代と共に腰に巻き付けるスタイルへと変化し、現在のベルトに近い形へとなりました。
ただ、ベルトの役割を果たすアイテムとしてもっと以前から使用されていたとの説もあり、洋服として身体に身に付けた布を抑えるものであったり、採取したものを吊るすのに使われたりと、生活に根付いた使用がされていたと考えられています。
時代が変化するにつれて洋服が上下にセパレートしたスタイルが定着してくると、ベルトが必ずしも必要とされることはなくなりましたが、ファッション性や実用性から変わらずポイントとなるアイテムであることには変わりません。オシャレにこだわりがある方ならば、ベルト使いも着こなしのこだわりポイントとなるでしょう。
ベルトの魅力
では、ベルトの魅力とは何でしょうか。それはズバリ、機動性が上がりきちんとした印象に魅せられるという点でしょう。ベルトを着用することでサイズの合わないスラックスなどのパンツがずり落ちるのを防ぎ、パンツを着用した時の安定性を図れます。
また、ベルトを着用することでワイシャツがパンツの外に飛び出ないようにキレイに収められるので ウエスト周りをスッキリと見せられるのも魅力です。ウエストを固定することで、ワイシャツにシワが寄るのも防げます。
ビジネスシーンやフォーマルシーン、カジュアルシーンに合わせてベルトのデザインを選んで着こなしのアクセントとすることができるのもポイントです。
さらに、ネクタイと並んでベルトはプレゼントとして人気です。ほかのアイテムに比べ、お手頃価格で購入できることもあり、父の日や誕生日祝いの品としておすすめです。
ベルトの構造と部位名称
ベルトは、バックルと呼ばれる部分とベルト穴を留める部分、腰に巻く部分で構成されています。それぞれの部位について詳しく解説していきます。
ベルトの尾錠(びじょう)
尾錠(びじょう)は、ベルトの表情ともなる部分で「美錠」とも書きます。いわゆる“バックル”と呼ばれる部分で、ステンレスやアルミ、金などの金具のほか、プラスチック素材などがあります。ビジネスシーンやフォーマルシーンで使われるのは金具素材、プラスチック素材はカジュアルシーンで主に使用されます。
ベルトのツク棒
ツク棒は、その名の通り棒状の部品です。ベルトの穴に通して尾錠(びじょう)に引っ掛けることで、固定します。ちなみに、ベルトの穴に通して使うタイプをピン式、ベルトの穴が無くベルトを挟んで固定するタイプはバックル式、バックル裏にあるでっぱりをベルトの穴に差し込むタイプをトップ式と呼んでいます。
ベルトの定革(ていかく)
定革(ていかく)は、ベルトをツク棒で尾錠(びじょう)に固定した後、ベルトがズレないように固定するループ状の部品です。ベルト本体にリング状の部品が固定されて取り付けられているので、ベルトをしっかり押さえられます。
ベルトの根革(ねかわ)
根革(ねかわ)は、尾錠(びじょう)とベルトを繋げて固定するための部分です。ベルト本体に縫い付けられており、ベルトの強度を高めて負荷がかかるのをやわらげる役割があります。
ベルトの剣先
剣先は、ベルトの先端部分です。剣先のようなシルエットが多く、舟形剣先型やハート型、台形型、四角型、ラウンド型など、さまざまなタイプがあります。シルエットによってフォーマルやカジュアルな印象にすることが可能です。剣先の角度が緩やかなシルエットは落ち着いたイメージになります。
ベルトのステッチ
ステッチは、ベルトの両端の縫い目部分で、ステッチが入ったベルトを“ステッチベルト”とも呼びます。ベルト本体と同じカラーの糸以外に、ホワイト・白色などの糸でアクセントとなるようにステッチが入れられたタイプもあります。ステッチ部分が太く目立つタイプは、カジュアルな印象になる傾向があります。
ベルトのマナーと綺麗に見せるコツ
ベルトのマナーについても知っておきましょう。基本的にスーツを着用した際にはベルトもセットで着用するのがマナーになります。また、シーンに合わせてベルト選びをする必要もあります。それぞれのシーン別に合うベルトのタイプについて説明していきます。
ベルトのビジネスシーン
ビジネスシーンは、ブラック・黒色、ブラウン・茶色、ネイビー・紺色などのスーツの定番カラーと同じく落ち着いたカラーのベルトを着用するようにしましょう。スーツの色味と合わせることで、ベルトだけが浮くことなく全体的に馴染んだ着こなしにできます。
また、ベルトのカラーだけでなく、バックルが派手なデザインやブランドが目立つバックルタイプは目立ちやすいので控えた方が良いでしょう。
ベルトのフォーマルシーン
フォーマルシーンは、カジュアルな印象になりやすいデザインは避けます。ベルト幅が太目のタイプやステッチがベルト本体のカラーとは異なるタイプなどではなく、ブラック・黒色でベルト幅が細目のベルトを着用するようにしましょう。
特に葬儀や法事の場合は、ベルトの着用は必ずするようにします。カラーもブラック・黒色が無難です。動物の革の素材タイプのベルトは、殺生を連想させることから避けましょう。
結婚式などのおめでたい場であれば、ブラック・黒色以外のブラウン・茶色なども雰囲気によっては着用OKです。
ベルトのカジュアルシーン
カジュアルシーンは、ビジネスやフォーマルなシーンとは違い、バックルが付いた華やかで個性的なタイプも取り入れやすくなります。革素材だけでなく、キャンバス素材タイプやメッシュタイプ、スタッズが付いたタイプなど洋服のテイストや好みから自由に選べます。
ベルトの穴は3番目が好ましい
綺麗な着用の仕方をするためには、ベルトのつくりを知っていると良いでしょう。ベルトの穴は通常5つ開けられているため、3番目の穴にピンを留めると収まりが良くなるように設計されています。ただ、体型は人によって異なるため、調節しながら上手に着用しましょう。
ベルトと靴の色を合わせる
ベルトのカラーは、シューズのカラーと合わせると簡単にまとまりのある着こなしコーデになります。色が統一されることでベルトだけが浮き上がらず、統一感のあるスタイルを目指せます。
ベルトの調整方法
ベルトは体型によって合う・合わないという問題も起きてくるでしょう。ですが、ベルトを調整することにより自分の体型に合ったオーダーメイドサイズのベルトをつくることができます。難しそうに感じる調整も方法を知ることで簡単に調整できます。
ベルトのカット部分を測定する
胴回りの数値を測定しなくても普段、着用しているベルトと比較することで簡単にカットする部分が分かります。通常、使用しているベルトと新しく購入したベルトの端をそろえて並べて置き、差となる長さの分を測定しておきます。
バックル部分を取り外す
ベルトに嚙ませてあるバックルを先端が平らになっているドライバーなどで押し上げてバックルをベルト本体から取り外します。バックルにグッと差し込みねじると外しやすいでしょう。滑ってバックルにドライバーが当たり傷つかないようにゆっくりと作業しましょう。
長さの差の分をマークしてカットする
バックルが付いていた端の方から①で測定しておいた長さの差の分をベルトにマークします。マークをつける際はベルトに対して直角になるように直線を引いておくと、ハサミでカットした時にガタつかずにキレイに仕上げられます。ハサミは通常使っているタイプでOKです。マークするアイテムは、鉛筆やベルトと同色のペンなどがおすすめです。
バックルを元に戻す
外していたバックルにカットが済んだベルトの先を差し込み、バックルを閉じます。しっかりとベルトに噛ませられたら終了です。引っ張ってみて外れなければ調整成功です。
まとめ
今回は、ベルトの部位名称やマナー、キレイに見せるコツ、調整方法などベルトの基本情報について詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。ベルトについてよく知ることで普段、何となく使っているベルトに対してのこだわりも感じられるようになったのではないでしょうか。ぜひ、ベルトを上手に活用したステキなビジネススタイルやカジュアルスタイルなどを目指してみて下さい。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店でのベルト選びのヒントになれば幸いです。