ビジネスシーンやフォーマルシーンに欠かせないメンズコーデといえばスーツやワイシャツのほかに“ネクタイ”はやはり欠かせないアイテムと言えるでしょう。ネクタイを取り入れることでスーツスタイルもメリハリをつけたオシャレな着こなしコーデにすることができます。そこで今回は、ネクタイの起源から各部分の名称・マナーなど、ネクタイの基本情報について詳しく解説&紹介をしていきます。
ネクタイとは
ネクタイを着用するきっかけの多くは学生服の制服であったり、就活や社会人になって日常的に使用するようになったりしたことが多いのではないでしょうか。特に入社式や入学式など改まった場であればきちんとした身だしなみが求められるため、ネクタイの需要性なども高まります。
また、ビジネスシーンに限らず結婚式などフォーマルシーン・カジュアルシーンにもネクタイはアクセント使いがしやすい定番の人気アイテムとなっています。デザインやカラーなども豊富なため、プレゼントとして選ばれることも多いでしょう。結び方によっても印象を変えられる効果に期待ができるのも特徴です。
ネクタイの定義
ネクタイの定義ですが、ネクタイは洋装に合わせてシャツの上から細長い布の細い方を首に巻き、前で結んで細長い布の太い方を表に垂らすアイテムがネクタイとして定義されています。ちなみに和名では襟を締め付けるというイメージから、襟締(えりじめ)と呼ばれています。
ネクタイの歴史や由来
ネクタイの歴史や由来は紀元前の古代ローマまでさかのぼります。当時、首に布を巻くことで寒さ除けの機能面と、戦場から無事に戻って来るという意味を込めてすでに習慣化されたものとなっていました。群雄割拠する時代において戦いは常に身近にあるもので、妻や恋人・家族などが自分の洋服の一部を使った布を出征する男性の首に巻いて、大切な人の無事を願ったのです。
首に布を巻いた姿の当時の姿は、秦の始皇帝が命じて造らせた『兵馬俑』の兵士像や、古代ローマ時代の姿を彫り付けた『トラヤヌス記念柱』壁画のモニュメントからも知ることができます。
やがて17世紀になると、イギリスやフランスで『クラバット』と呼ばれる首に巻く布が世間的にも浸透していき、幅広く着用されていきました。時代を経ながらシルエットも太くなったり細くなったり、結び方も30を超える結び方が発生するなど変化を遂げ、現在のネクタイへとたどり着きました。意外にも現在の細長い布状になったのは、19世紀後半とされており、よりシンプルなシルエットへと変貌を遂げています。
ネクタイの魅力
ネクタイの魅力は、首元を華やかに彩ることができるといった装飾性や、首元を引き締めることで真面目で誠実な印象が得られるということでしょう。結婚式などのフォーマルシーンでは祝福ムードを盛り上げるのに貢献し、ビジネスシーンでは積極性や信頼性をアピールするのに役立てられます。
特にビジネスシーンでは、ネクタイを着用することで就職を考えている会社への印象アップや、大切な取引先などに真摯な姿勢として受け取られるかなどについて影響を与える可能性があるため、ネクタイの着用は重要です。ネクタイを取り入れるのは、身だしなみの一つと考えると良いでしょう。
ネクタイの名称
ノット
ノットは、「結び目」です。結び方によって結び目の数も種類があり、シーンによって定番の結び方や守るべき結び方があります。結び方を自分で調節できるため、襟のシルエットなどに合わせて結び目の大きさを変えて着こなしのイメージを変えることも可能です。現在は、ボリューム控えめが主流となっています。
ディンプル
ディンプルは、英語の“dimple”=えくぼの意味から、ネクタイの下につくることができる「くぼみ」を指します。意図的にくぼみをつくることで、ネクタイに立体的な表情をつけられます。印象的な着こなしにしたい時におすすめです。
小剣(スモールチップ)
小剣(スモールチップ)は、ネクタイの「細い方の先端部分」を指します。先端部分は“剣先”とも呼ばれます。おおよそ4センチほどの幅が標準とされており、ネクタイの収まりをよくするためのループ部分に通しやすい太さとなっています。
大剣(ブレイド)
大剣(ブレイド)は、ネクタイの「太い方の先端部分」を指します。大剣はネクタイを締めた時に最も人の目に入るメイン部分で、“エプロン”とも呼ばれています。時代のトレンドやブランドによっても幅も異なりますが、スーツの本場であるイギリスでは9.5センチが定番の太さとされています。
小剣通し(ループ)
小剣通し(ループ)は、ネクタイを締めた時に小剣(スモールチップ)を通して収まりよくするための部位を指します。ネクタイを締めた時には裏側にあるため、表からは見えません。
小剣(スモールチップ)の幅よりも通しやすいように余裕をもってつくられています。ブランドタグと兼ねたループデザインとなっているタイプや、ブランドロゴのループ部分とネクタイの素材と揃いでつくられたループのダブルループタイプなどがあります。
中継ぎ
中継ぎは、ネクタイを締めた時に首のまわりにくる部分を指します。ネクタイのほぼセンターに当たる部分で“ダイアゴナルシーム”とも呼ばれています。ねじれが発生しないように混合素材などからつくられた芯地が入れられており、型崩れを防げるようにつくられています。
ネーム(ブランドタグ)
ネーム(ブランドタグ)は、ブランド名が刺繍やプリントなどで記されたタグを指します。 小剣通し(ループ)と兼用のデザインもあり、取り付けの位置はブランドによって異なります。小剣通し(ループ)の下や上などに取り付けられていることが多いでしょう。
かんぬき止め(バータック)
かんぬき止め(バータック)は、ネクタイの裏側にある芯地を固定させてボリュームを持たせるための両端に加えるステッチを指します。デザインの一部とされることもあり、ネクタイのカラーに映えるアクセントカラーの糸が使われることもあります。
また、一カ所だけでなく二カ所にステッチを入れたタイプもあり、各ブランドのこだわりが感じられる部分でもあります。
裏地(フェイシング)
裏地(フェイシング)は、ネクタイを三つ折りにしてつくる際の内側に縫い付けられた布部分を指します。裏地と芯地が合わさることで、ネクタイを締めた時にノットやディンプルを簡単でキレイにつくることができます。
裏地にブランド名を織り込んだ布を使用したタイプや、ネクタイの色味よりもトーンが高く明るい布を使用したタイプもあります。生地素材もポリエステルやシルクなど種類があります。
ネクタイのマナーと取り扱い方
ネクタイを締める時には基本となるマナーがあります。そのため、ネクタイの長さや色選びは大切な要因となります。また、ネクタイの取り扱い方によって、キレイに使い続けられるかも変わってきます。ネクタイの正しい取り扱い方を知って、キレイなシルエットを維持しましょう。
ネクタイの長さ
ネクタイの適正な長さは、ネクタイを締めた時にネクタイの先がベルトのバックルの真ん中あたりにくる長さが丁度良いとされています。身長や首まわりの太さによって適正となるネクタイの長さが異なるため、身長が高い方や首回りが太い方ならば150センチ以上のタイプがおすすめです。
ブランドやメーカーによって長さが異なりますが、平均的な日本人の体型に合うネクタイの長さは140センチ前後と言われています。
シーンに合わせたカラー選び
シーンに合わせたネクタイのカラー選びは必須です。面接や就活・入社式・入学式などの改まった場面では白色・ホワイトや黒色・ブラックのカラーは避けて派手過ぎない落ち着いたカラーやフレッシュさが表現しやすい爽やかなカラーがふさわしいでしょう。
ちなみに、白色・ホワイトや黒色・ブラックのカラーは結婚式や葬儀など冠婚葬祭で使われるカラーであるため、通常ではあまり着用することはありません。
ネクタイの外し方
ネクタイの外し方ですが、ドラマや映画でノット部分を引っ張ってネクタイを緩めているイメージから、ノット部分を引っ張ってネクタイを外している方が多いかもしれません。ですが、正しいネクタイの外し方はノット部分を抑えながら小剣(スモールチップ)を引き抜くのが正解です。
ノット部分を引っ張ってしまうと、生地の一部分に負荷がかかりやすくなるため、ネクタイを傷めることになります。ネクタイ生地はシルク素材が使われたタイプも多く繊細です。ノット部分を抑えながら丁寧に小剣(スモールチップ)を引き抜きましょう。
ネクタイの保管の仕方
ネクタイの保管の仕方によってネクタイにシワが寄るのを防ぎます。ネクタイにシワができてしまうと、不格好になりだらしない印象に見えてしまいます。そのため、ネクタイを保管するときは、ネクタイ専用ハンガーを使用して吊るすか、ネクタイの中央部分から2つ折りにしてふんわりと丸めて保管すると、シワを防止してキレイなシルエットを維持しやすくなります。
ネクタイのシワの伸ばし方
ネクタイにシワができてしまった場合は、コットン素材などの熱に強い生地をあて布にしてアイロンまたはスチームをかけてシワを伸ばします。あて布を使うことで、アイロンの熱によるダメージを防ぎます。
スチームアイロンの場合は、蒸気で伸ばすため、あて布は必ずしも必要とはしませんが、念のため使用しておくとネクタイの生地が傷むリスクを減らせます。
まとめ
今回、ネクタイの起源や各部の名称、マナーや取り扱い方などについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。ネクタイの基本情報をおさらいすることでネクタイをより身近に感じられるようになったのではないでしょうか。ぜひ、ネクタイを上手に取り入れてメリハリのあるビジネススタイルやカジュアルスタイルなどを目指してみて下さい。今回の記事が、メンズ向け通販サイトや紳士服専門店での上手なお買い物のヒントになれば幸いです。