セットアップスーツを愛用する方が増えています。セットアップスーツと聞くとカジュアルなイメージを持つ方も多いかもしれませんが、セットアップスーツを取り入れることでビジネスからカジュアルまで対応した幅広いコーディネートを楽しめます。マンネリしやすいスーツコーデだからこそ、年代問わず活用しやすいセットアップスーツはおすすめです。 そこで今回は、セットアップスーツの由来から一般的なスーツとの違いについてや、選び方・注意点・おすすめのコーディネートなどについて詳しく解説&紹介をしていきます。
セットアップとは
セットアップとは、上下同じ生地でつくられた対になるウェアを指します。スーツの場合、一般的なスーツと同じように見えることから混同しがちですが、TPOに合わせやすいスーツを選ぶならばセットアップスーツがおすすめです。以下にてセットアップスーツの由来や一般的なスーツとの違いについて順に解説していきます。
セットアップスーツの由来
セットアップスーツの由来は、スーツの起源に大きく関係しています。かつてヨーロッパの農民が農作業の作業着や外出用に着ていた「フロック」と呼ばれる上着が発祥であり、上下そろったものではありませんでした。
ちなみに、現在のフロックコートは19世紀中ごろから20世紀初めにかけて時代の移り変わりと共に貴族から軍人へと着用する立場も変わっていきます。現在では、ダブル仕様の丈の長いシルエットのフォーマルなジャケットがフロックコートの定義となり、着用する役割や目的など変貌を遂げました。
セットアップと普段のスーツとの違いは大きく分けて2つ
セットアップと普段のスーツとの違いは、簡単に言うと一般的なスーツよりも選択の自由が利くことにあります。トレンドのファッション性が高いシルエットなども紳士服店やメンズ向け通販サイトでも豊富に売られており、一般的なスーツよりもカジュアルシーンに活かしやすい点がメリットとなっています。異なるポイントは大きく2つに分けられます。
①上下別々にサイズを選べる
一般的なスーツとセットアップスーツの違いの1つ目は、一般的なスーツは上下のサイズを合わせて作られたセット販売がされており、セットアップスーツは上下別売りが基本だということです。
一般的なスーツは、上下のサイズを合わせて作られることで統一感があり、フォーマルな印象を作りやすいのが特徴です。体型に合わせてジャケットとパンツが選べるので、自分好みの着心地に合わせてスーツ選びができます。
また、ジャケットの袖やパンツの裾が擦り切れてしまったという場合も、上下セット売りのスーツを買わなくてもアイテムごとに購入できるので経済的です。
②素材のバリエーションが豊か
一般的なスーツとセットアップスーツの違いの2つ目は、一般的なスーツに比べて素材が豊富なのでシーンに合わせた着こなしもしやすい点です。
一般的なスーツは、ウールなど動物の毛を使用した天然素材が多いのが特徴です。一方、セットアップスーツの場合は、綿(コットン)や麻(リネン)などの天然繊維から手入れのしやすいポリエステルやレーヨンなどの化学繊維、天然素材と化学繊維の組み合わせや化学繊維同士を組み合わせた混紡生地など生地も豊富です。
セットアップスーツの選び方ポイント
では、セットアップスーツはどう選んだら良いかについてですが、セットアップスーツは自分好みのサイズが選べるだけでなく、TPOに合わせて形や生地からイメージするスーツスタイルを作り上げられます。
シルエット
セットアップスーツのジャケットのシルエットは、スタンダードなラペル(襟)ありやラペル(襟)が無いノーカラーなど一般的なスーツのシルエットはもちろん、オーバーサイズのゆったりとしたシルエットや着丈が短いシルエットなどがあります。パンツもストレートタイプから裾に向かって細くなるテーパードタイプやワイドタイプなど豊富です。
シルエットは見た目の印象が大きく影響するので、シーンに合わせて選ぶと失敗しづらくなります。セットアップだからこそ、トレンドを取り入れたオーバーサイズジャケットやワイドパンツを取り入れたカジュアルスタイルにもチャレンジしやすいでしょう。
生地
セットアップスーツ生地は、前述したようにバリエーションが豊かです。ハリ感や身体にフィットしやすいしなやかな質感が欲しい場合は、生地を選ぶことでキレイ目にもカジュアルにも仕上げやすくなります。
セットアップスーツに使われることが多い化学繊維の生地だと安っぽく見えるのはないかと不安に思われる方もいるかもしれませんが、化学繊維でも絹のような質感を持つレーヨンを使った生地ならば艶やかな生地となり、フォーマルなシーンでも使いやすくなります。
カジュアルなイメージがつきやすいセットアップスーツもエレガントな印象になり、肌ざわりも快適です。また、ニット素材のジャケットやパンツならば、温かさをキープしながら快適な着心地を得られます。
色
セットアップスーツのカラーは、着回しが利きやすいネイビー・紺色やブラック・黒色などのベーシックなカラーを選ぶと良いでしょう。定番カラーは、ほかのアイテムと組み合わせた時にコーディネートを考える手間も無く、まとまりやすいのでおすすめです。
機能
セットアップスーツならば、機能に合わせたジャケットやパンツ選びがしやすくなります。特にストレッチ仕様の機能があることで、動きやすく長時間着ても疲れにくくなるのでストレッチ仕様タイプはおすすめです。
また、自宅で洗濯ができる機能がついていればお手入れもしやすくなります。防シワ加工や防臭加工・UV加工・冷感仕様などさまざまな快適機能がついたジャケットやパンツがあるので、状況や希望に合わせてセットアップスーツを選びましょう。
セットアップスーツの「シーン別」取り入れ方
シーンに合ったセットアップスーツの取り入れ方について説明していきます。
ビジネス
ビジネスシーンでは、基本的には落ち着いた色味を選択すると、どの職種にも対応しやすくおすすめです。信頼感ある服装が求められる職場ならば、生地はツヤ感を抑えたマットな質感の生地で作られたセットアップスーツを選ぶと良いでしょう。
また、クリエイティブ系ならば綿(コットン)やポリエステルなどの化学繊維や合成繊維などもカジュアル感のあるセットアップスーツも取り入れやすくなります。インナーで着こなしの変化をつけることもできます。
カジュアル
カジュアルシーンでは、ビジネスシーンとは違った解放感あるデザインがより取り入れやすくなります。身体のラインに適度なゆとりがあるリラックス感のあるシルエットは、最近のセットアップスーツのトレンドとなっており、抜け感のあるスタイルを目指せます。
季節によって素材を大胆に取り入れやすいのもセットアップスーツならではの魅力です。夏ならば綿(コットン)を使ったシアサッカー生地や涼し気な麻(リネン)などのジャケット、秋冬は同じ綿(コットン)でもビロード織りしたコーデュロイなどの生地のジャケットなど取り入れてみても良いでしょう。
冠婚葬祭
慶事であればカジュアルになりすぎないようにツヤ感のある生地、弔事であればツヤ感が無いマットな生地のセットアップスーツを選びます。
結婚式に参加などする場合は、シューズやネクタイも普段よりも気を使ったアイテム選びをするとフォーマルな印象が強まります。ポケットチーフやカフスなどを追加することで、より華やかなセットアップスーツコーデを目指せます。
お葬式に参加する場合は男性はブラックスーツが基本ですが、必ずしも一般的なスーツでなくてもブラック・黒色、または暗いトーンのジャケットとパンツであればセットアップスーツでも問題無いとされています。周囲の雰囲気に合わせた装飾性のないスタンダードなタイプを選びましょう。
セットアップスーツの注意点
セットアップスーツは上下別々に着回せる便利な点はメリットとなりますが、着方や着る頻度により、上下セットで着用した時にどちらかが極端にくたびれて見えないように気を付けましょう。度重なる洗濯なども生地のダメージの原因になります。
また、好みのサイズを上下別に選べるので全体のバランスを考えたサイズ選びが大切です。身体にフィットしたシルエットにこだわるあまり、動きに制限が出たりベストやセーターなどの重ね着が難しくなったりしては快適な着心地とは言えません。少し余裕を持たせたサイズ選びをしましょう。
セットアップスーツのおすすめコーディネート
セットアップスーツは普段のスーツと違い、素材やシルエットを選ぶことでよりシーンに合ったコーディネートが可能です。欲しい機能も自由に選択できるので、自分好みの着心地も得られます。下記にておすすめのコーディネートについて紹介していきます。
セットアップスーツ×ワイシャツ
セットアップスーツを普段あまりビジネスシーンで着用しない方も、スタンダードなシルエットを上下組み合わることで抵抗感なくセットアップスーツを取り入れられます。ワイシャツとネクタイをすればいつものスーツコーデと同じように着られます。
ウールを使用した生地ならばトラディショナルな落ち着いた印象となり、周りからも浮くことなくセットアップスーツ初心者の方も取り入れやすいでしょう。また、ウールライクなポリウレタン素材が含まれた生地などを選ぶと軽さと機動性も得られます。
セットアップスーツ×Tシャツ・カットソー
自由な雰囲気の職場ならばぜひ取り入れたいTシャツ・カットソーとの組み合わせは、クリエイティブ系のセンスを必要とされる職種の方やプライベートでのカジュアルコーデにピッタリです。
ダークブラウン・濃茶色のセットアップスーツにブラック・黒色など同じトーンのTシャツ・カットソーなどのインナーを合わせると、全体的にまとまりが出てこなれた印象に仕上がります。インナーのカラーを反対に明るくするとフレッシュな印象を目指せます。
セットアップスーツ×タートルネック
タートルネックをセットアップスーツのインナーとすることで首元を覆われ秋冬も快適に過ごせます。海外ではスーツとタートルネックの組み合わせは定番化している国もあり、多くの方から支持を受けているスーツスタイルでもあります。
ネック部分をキレイに折り返してきちんと感のあるシルエットのセットアップスーツと組み合わせれば、ビジカジスタイルにも取り入れやすくなります。また、プライベートシーンならばネック部分を折り返さずにクシュっとさせることで抜け感を出し、チェック柄のセットアップジャケットを合わせるとオシャレな季節感ある着こなしを目指せます。
セットアップスーツ×ポロシャツ
ポロシャツは、通気性や吸湿性に優れ、襟が付いていることできちんとした印象にしやすくクールビズにも取り入れられています。セットアップスーツと色味を合わせれば、統一感も出しやすく違和感無く取り入れやすいでしょう。
ポロシャツの襟はハリがあるしっかりとしたタイプのポロシャツを選ぶとセットアップスーツと組み合わせた時もキレイ目に仕上げられます。また、ゆったりし過ぎずタイト過ぎない身体に合ったサイズを選ぶのもポイントです。
まとめ
今回、セットアップスーツの由来やセットアップスーツと一般的なスーツの違い・選び方や取り入れ方のポイント・注意点・コーディネートなどについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。セットアップスーツがあることでビジネスからカジュアルまでスーツのコーディネートの幅もより広げられるので、この機会にセットアップスーツの購入を検討してみてはいかがでしょうか。ぜひ、メンズ通販サイトや紳士服店での買い物の参考にしてみて下さい。今回の記事がスーツ選びの参考になれば幸いです。