高品質な生地を生み出している「カノニコ(CANONICO)」生地についてはご存じでしょうか。カノニコ(CANONICO)の生地は、世界の有名ブランドがこぞって使用している人気ファッション素材で、スーツの生地として大変な人気です。そこで今回は、カノニコ(CANONICO)の生地についての基本情報から生地の種類・季節ごとのおすすめ生地種類について詳しく解説&紹介をしていきます。
カノニコ(CANONICO)とは
世界中のアパレルブランドも使用するカノニコ(CANONICO)社の創業や生地の魅力について紹介していきます。
カノニコ(CANONICO)創業の歴史と産地
カノニコ(CANONICO)は、正式名称をVITALE BARMERIS CANONICO(ヴィターレ・バルベリス・カノニコ)の略名で、イタリア北部ビエラ地方のテキスタイル&ミル(どちらも織元会社で服地を作り上げる生産業者を指します)です。創業は、日本では徳川家綱が治める江戸時代初期にあたる1663年に設立されました。実に350年を超える歴史ある織元メーカーで世界の三大生地産地として知られています。
カノニコ(CANONICO)があるビエラ地方は、硬水が流れるイタリアで唯一の軟水が流れる地域でミネラル分が少ないことから生地の染色に適している恵まれた立地です。そのため、生地生産の拠点としてカノニコ(CANONICO)が設立されました。
カノニコ(CANONICO)生地の魅力
カノニコ(CANONICO)の魅力は、ツヤ感がある繊細な生地で軽く、身体にしなやかにフィットする点などが挙げられます。発色の良いキレイな生地は、織り方によっても表情が異なり、季節問わずビジネスシーンからフォーマルシーンまで幅広く取り入れられる点が人々を惹きつける魅力となっています。
また、カノニコ(CANONICO)は、原料の調達から紡績&染色まで一貫して行うので、ハイクオリティでありながらリーズナブルな価格であるのもポイントです。輸出先も世界40ヶ国に上り、コストパフォーマンスに優れたファッション生地として各ブランドで採用されています。
カノニコ(CANONICO)生地の種類
カノニコ(CANONICO)生地は、織る糸の細さによって生地も異なる風合いに仕上がります。スーツ生地にはSuper(スーパー)と原料となる繊維の細さについて示した世界標準規格が表記されています。
数字が大きくなるほど繊細でなめらかな質感の生地に仕上がり、密度が増すため厚みのある生地を作ることも可能です。
また、経糸と緯糸が交互に編まれた平織りと、経糸と緯糸を2本以上のまとめて織る綾織りなどの織り方によっても春夏または秋冬に適している生地作りができます。以下にてカノニコ(CANONICO)の代表的な生地にて紹介していきます。
ペレニアル(Perenial)|ビジネススーツにおすすめ
ペレニアル(Perenial)は「1年を通して・永遠に・長期間続く」といった意味を持ち、オールシーズンで使いやすい生地です。Super110’sを使用した綾織りで作られており、耐久性やシワにもなりにくい特徴から、ビジネスシーンにも使いやすい生地となっています。しなやかな風合いで体型ラインもキレイに見せやすい生地です。
プリュネルツイル( Prunelle Twill)|麻(リネン)のような風合い
プリュネルツイル( Prunelle Twill)は、フランス語で「瞳」を指す意味があり、カノニコが独自に編み出したツヤ感がある生地です。シワになりにくい特徴があり、オールシーズンに取り入れられます。麻(リネン)のような独特な風合いがあることから、特に春夏におすすめの生地となっています。
サキソニー(Saxony)|微起毛で暖かく軽い
サキソニー(Saxony)は、ドイツのサキソニー地方で作られる微起毛生地から付けられている名前で、起毛した表面が冬にピッタリの生地です。Super120’sを使用したほどよい厚みで保温性があり、軽く動きやすいといった特徴も持ちます。耐久性や通気性にも期待でき、ウールの暖かみを感じる秋冬におすすめの素材です。
トロピカル(Tropical)|サラリとして夏に使いやすい
トロピカル(Tropical)は、名前の通り夏に適した生地です。Super120’sを使用した平織りで、通気性や放湿性が良くサラリとした質感です。汗を吸い取り、素早く汗を乾かすことで蒸し暑い天気の時も不快感を低減しやすいでしょう。やわらかでしなやかな生地感で身体にフィットするのも魅力です。涼しげなエレガントを目指したコーデをしたい時におすすめの生地です。
フランネル(Flannel)|弾力がありチェック柄などもおすすめ
フランネル(Flannel)は、Super100’sを使用した起毛生地で、サキソニーと似た質感を持つ秋冬に適した生地です。綾織りのサキソニーに比べて平織りで作られたフランネル(Flannel)は、弾力性があり耐久性・通気性・放湿性に優れます。やわらかくしなやかでキレイな色味を活かしたチェックなどの柄もおすすめです。
モヘア(Mohair)|クールビズにおすすめ
モヘア(Mohair)は、名前のイメージから秋冬に限定された生地のように思われがちですが、アンゴラ山羊の毛と羊の毛を混紡して作られた生地は、通気性が良く夏におすすめの生地となっています。
羊毛(ウール)の含有率によってモヘアでも2種類に分けられ、モヘアクワトロと呼ばれる平織りの混紡生地は、季節関係なく取り入れやすいことからヨーロッパでも人気です。ちなみに「クワトロ」とはイタリア語の“4”の意味があり、生地の約1/4にモヘアが含まれることを示しています。
もう1つのモヘアツイルは、綾織りで作られた混紡生地でツヤ感がある上品なイメージの生地が特徴です。ハイクオリティな質感でビジネスシーンからフォーマルなシーンまで取り入れやすく上品さが際立つ魅力を持ちます。モヘアクワトロ”とモヘアツイルの両方ともなめらかでシワになりにくくサラリとした着心地が得られるので、クールビズにもおすすめの生地となっています。
リベンジ 150’s (Revenge 150’s)|シルクやカシミヤのようなツヤ
リベンジ 150’s (Revenge 150’s)は、Super150’sを使用した綾織り仕立ての繊細に織り上げられた生地で、シルクやカシミヤのようなツヤ感が魅力です。密度のある厚みのある生地には独特なハリとツヤ感があり、自然と身体にフィットするドレープ性を楽しめます。エレガントなカラーバリエーションもポイントで秋冬におすすめの生地です。
カノニコ(CANONICO)生地の季節ごとのおすすめを整理
カノニコ(CANONICO)生地には、春夏や秋冬もしくはオールシーズン使いやすいタイプの生地があることを紹介してきましたがここで一度、季節別におすすめの生地や柄などについて整理してみます。
春夏におすすめのカノニコ(CANONICO)生地
春夏におすすめのカノニコ(CANONICO)生地は、ペレニアル(Perenial)は、ほどよい厚みで控えめな品のあるツヤ感と耐久性からどのシーズにも取り入れやすく、基本の1着として持っていると使い勝手が良く便利です。
発色性を活かした明るいカラーの無地タイプだとシーンを選ばす気回しがしやすいでしょう。真夏はトロピカル(Tropical)やモヘア(Mohair)など通気性がよいサラリとした質感の生地がおすすめです。
秋冬におすすめのカノニコ(CANONICO)生地
秋冬におすすめのカノニコ(CANONICO)生地は、サキソニー(Saxony) やフランネル(Flannel)の保温性がある起毛生地がおすすめです。濃灰色・ダークグレイや濃紺・ネイビーなど定番色は、見た目の印象が重くなりがちですが、カノニコ(CANONICO)生地ならば、重くなりすぎずしっとりとした落ち着きのある質感を楽しめます。
グレンチェックや千鳥柄などのチェック柄を選ぶと、ワンパターンになりがちな冬のコーデに軽さや暖かみを与えることができ、季節に合ったスーツコーデにしやすくなります。
また、リベンジ150’s(Revenge 150’s)など繊細な織り生地には、カシミヤシルクのような質感を引きたてるスリーピースもおすすめです。肉厚で保温性がありつつ、ゴワつかず身体にフィットしたスマートな着こなしを目指せます。
まとめ
今回、カノニコ(CANONICO)の基本情報や生地の種類・季節ごとのおすすめの生地種類などについて詳しく解説と紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。カノニコ(CANONICO)の生地を知ることで、生地の機能性や質感の美しさにこだわったスーツ選びがしやすくなります。ぜひ、スーツ選びの際にカノニコ(CANONICO)生地を使用したスーツを検討してみてはいかがでしょうか。今回の記事がメンズ服の通販サイトや紳士服店でスーツを購入する際の参考になれば幸いです。