「コードバン」は“革のダイヤモンド”や“キングオブレザー”とも言われ、馬皮を加工したツヤ感が高いオシャレなメンズアイテムとして人気です。無難にまとめがちなスーツコーデも「コードバン」をプラスすることで、大人っぽさやこなれ感のあるスタイルを目指せます。そこで今回は、「コードバン」の種類や混同されやすい『シェルコードバン』や『オイルコードバン』の違いなどについて詳しく紹介&解説をしていきます。
「コードバン」の種類
「コードバン」の種類は仕上げによって主に5種類に分けられています。それぞれの特徴や違いについて順に解説していきます。
『シェルコードバン』と言えばホーウィン社
シェルコードバンの“シェル”とは、 “シェル”とは馬のお尻部分にある1〜2mmほどの緻密な繊維である「コードバン」層を指しており、「コードバン」の英語圏での呼ばれ方になります。オイル仕上げにより耐久性が高められており、高級感あるツヤ感が魅力です。
中でもアメリカにある老舗タンナー(メーカー)であるホーウィン社が作製する『シェルコードバン』は、高価格帯のコードバンアイテムとして世界的に有名です。一般的な「コードバン」に比べて数倍の価格であることも珍しくなく、サラリとした表面の質感でありながら手にした時のやわらかな触り心地が根強い人気です。
ちなみに、各タンナー(メーカー)によりシェルコードバンの仕上げ方は異なりますが、重厚感のあるツヤや耐久性は共通した点になります。ホーウィン社の内装までコードバン仕上げした『シェルコードバン2』は「コードバン」好きな方の憧れのアイテムでもあります。
『オイルコードバン』は市場に多く流通
『オイルコードバン』は、オイル仕上げされた「コードバン」で基本的に『シェルコードバン』とは変わりません。耐久性があることから靴や時計・折り曲げタイプの財布など負荷がかかりやすいアイテムにも使用されています。
革の表面をワックスなど塗布した後に圧力をかけて光沢を出す“グレージング”の強度を各タンナー(メーカー)によって変えることで、透明感などオリジナルな魅力を感じることができます。耐久性が高いのが特徴ですが、水には弱く耐水性が低いので扱いには注意が必要です。特に夏場など汗をかきやすい季節は休ませるなど配慮すると長持ちさせられます。
『蝋引き(ろうひき)コードバン』の防水性効果
『蝋引き(ろうひき)コードバン』は、ロウで加工されているため水に弱い性質を持つ「コードバン」の防水性を高められます。表面にロウが塗りこんであるため、「コードバン」特有の輝きは、使い始めには感じにくいでしょう。使い込むうちにロウの曇りがとれてきて自然とツヤを楽しめます。
普段のお手入れは乾燥している感じが無ければ、お手入れも特に必要がないのもポイントとなっています。濡れやすいアイテムなどに『蝋引き(ろうひき)コードバン』はおすすめです。
『水染めコードバン』革本来の風合いを楽しめる
『水染めコードバン』は、アニリンという合成塗料で仕上げた「コードバン」です。革本来の質感を楽しめるので、経年劣化(経年変化)による魅力を感じたい方にお勧めの種類です。
「コードバン」をアニリン染料にゆっくり時間をかけて繊維内部まで浸透させていくことで、革の特性を活かした自然なツヤ感を出せます。一般の「コードバン」と同じく水には弱いので扱いには注意が必要です。
『顔料染めコードバン』は高級ランドセルにも使用されている
『顔料染めコードバン』は、「コードバン」の表面に顔料を載せることで水分や油分に対して防水性や耐久性を高めた仕上げの「コードバン」です。世界的に見ても独特な製法として知られ、日本では高級ランドセルにも使用されています。牛革と比べて2倍近くの価格差があるほどの高級品ですが、カラフルな発色性や6年間しっかりと使用できる丈夫さから人気です。
ただ、「コードバン」の表面を強固にさせる工程により、一般の「コードバン」よりも経年劣化(経年変化)が起きにくくなるため、使い込むことによる味わいを楽しみたい方よりも機能性を重視したい方におすすめの「コードバン」となっています。
「コードバン」を使用した代表的なアイテム
「コードバン」を使用したアイテムにはコインケースなど身近なアイテムからスーツに合わせやすいアイテムまでたくさんあります。以下にてそれぞれのアイテムごとの魅力について解説していきます。
『財布』シルエット豊富
財布は小銭入れが付いているタイプや別に分けて使うタイプや折り曲げて使えるコンパクトタイプなどシルエットも豊富です。シルエットごとにおすすめのポイントについて見ていきます。
『2つ折り財布』コンパクトで利便性が良い
『2つ折り財布』は、折り曲げタイプなのでコンパクトなバックに入れやすい利便性の高いアイテムです。「コードバン」素材であれば、折り曲げタイプの財布もシワがつきにくく、なめらかな質感を維持しやすいでしょう。使い込むことで経年劣化(経年変化)も楽しめます。
外側にファスナーがあるタイプや内側の小銭入れの部分のみにファスナーがあるタイプ、小銭入れ部分に広くとれるマチがあるタイプなど、ブランドによって形状に種類があります。ファスナーがあるタイプは、折り曲げタイプの財布をしっかりと固定することができますが、使い込むうちに形も馴染んでくるので、自然な風合いを楽しみたい方には外側にファスナーが無いタイプもおすすめです。
『長財布』でなめらかな質感を楽しむ
『長財布』は、お札やレシートなど折りたたまなくても出し入れしやすく、財布の表面素材を楽しみやすいアイテムです。2つ折り財布に比べて細長い広めのシルエットなので、人から見られた時にブランドや質感なども目に付きやすいでしょう。
「コードバン」のなめらかさやツヤ感も活かしやすく、経年変化による独特な風合いを楽しめます。水染め仕上げ加工されたカラフルなタイプの『長財布』なども多く見られ、カラーを選ぶ楽しさもあります。
2つ折り財布と同様に外側にファスナーがあるタイプや小銭入れ部分のマチが異なるタイプなど、ブランドにより仕様が異なります。小銭は別に持ち歩かず大容量の財布を求めている方におすすめです。
『小銭入れ』馬蹄型やボックス型など種類も豊富
「コードバン」素材の『小銭入れ』についても、楕円形を半分に折ったような形の“馬蹄(ばてい)型”や入口が大きく開く“ボックス型”などシルエットも豊富です。表面もツヤ感のあるタイプからスムースタイプなどが見られます。
てのひらサイズの「コードバン」素材の『小銭入れ』ならば、てのひらで全体をムラなく包んで使えるので経年劣化(経年変化)も楽しみやすいでしょう。長財布と分けて使用すると財布も傷みにくく長持ちさせられます。ブランドによりネーム入れサービスなどもあり、オリジナルの「コードバン」アイテムとして愛用できます。プレゼントにもおすすめです。
『名刺入れ』プレゼントにもおすすめ
『名刺入れ』は、高級な「コードバン」アイテムの中でも比較的リーズナブルな価格で購入しやすいので、年配の方などへのプレゼントにもおすすめです。
また、社会人の方でも30代以降となると、年代に応じたアイテムを持つことは品格や信頼性にも多少なりとも関係してくるでしょう。「コードバン」素材のビジネスアイテムならば、品良くオシャレに見せられるのでおすすめです。ネーム入れサービスなどブランドによって利用できます。
『キーケース』経年劣化(経年変化)を楽しみやすい
『キーケース』は、毎日使う機会が多いアイテムなので経年劣化(経年変化)も楽しみやすいでしょう。基本的なお手入れも必要なく、手の油分で自然なツヤを期待できます。
乾燥が感じられる場合や夏場など汗をかきやすい時期に休ませておく場合などは、保湿できる専用のクリームを少量塗ってメンテナンスするとダメージを防げます。
経年劣化(経年変化)をより早く楽しみたい方は、オイルメンテナンスを控える方が経年劣化(経年変化)による表情を楽しみやすくなります。
『ベルト』上品なツヤと強度が魅力
『ベルト』は、ベルトの穴に負荷がかかりやすく、丈夫さが求められます。そのため、「コードバン」素材ならば強度があり身体に馴染みやすいので使い勝手が良いでしょう。ビジネスシーンに取り入れやすく長年使用できるのもポイントです。
ビジカジコーデの場合も「コードバン」特有のツヤとなめらかさを持つベルトを身につけることで、コーデを品良くまとめられます。不要なダメージを防ぐためにもベルト使用後は乾拭きのひと手間を加えると、ツヤ感がある状態を長持ちさせられます。
擦れやすい部分のため、色落ちが見られる部分は革専用の補色クリームを塗ると色落ちした部分が目立ちにくくなります。補色クリームは、通販サイトでも手軽に購入できます。
『靴』トラッドスタイルにおすすめ
『靴』は、「コードバン」素材を使用している場合、シワの入り方で一般的なレザー製品と見分けられるとも言われており、レザー好きな方に根強いアイテムとなっています。トラッドスタイルにピッタリで、メンズ通販サイトや紳士靴専門店でも人気です。形状の復元性に優れ、身体に馴染みやすく丈夫です。
『ランドセル』耐久性や防水効果があり高級
『ランドセル』の中でも、「コードバン」を使用したタイプは高級ランクにあたります。ランドセルのフタの面積は1頭から採取できるかどうかというほどと言われ、希少な素材であることと機能付加をつけることで、牛革ランドセルと比べて価格は倍近くになることもあります。顔料染の「コードバン」の代表格として挙げられます。
まとめ
今回、「コードバン」の種類やシェルコードバンとオイルコードバンの違いなどについて詳しく紹介と解説をしてきましたがいかがでしたでしょうか。仕上げの違いを知ることで、「コードバン」アイテムの選び方の参考にしやすくなったのではないでしょうか。ぜひ、「コードバン」アイテムをメンズ通販サイトや紳士服専門店などで購入する際の参考にしてみて下さい。今回の記事が参考になれば幸いです。