上品で紳士風な装いコーデを目指せる「トラッドスタイル」は、多くの年代層からいつの時代も熱い支持を受けているファッションで、メンズショップや紳士服の通販サイトでも変わらぬ伝統的なスタイルとして常に人気です。そこで、今回は「トラッドスタイル」の意味を始め、歴史・種類・おすすめのアイテムなどについて詳しく解説していきます。
トラッドスタイルとは
トラッドスタイルの「トラッド」とは、英語で「traditional(トラディショナル)」=“伝統的な”という意味に由来する和製英語です。伝統的な衣装を英語では「traditional clothing」というような表現がされ、日本でいえば「着物」のように昔から引き継いできた慣習的な衣装も含めた表現になります。現在日本でいうファッションの「トラッドスタイル」は、伝統を引き継いだ基本的なスタイルを意味します。
トラッドスタイルの歴史・特徴
では、日本にやってきたトラッドスタイルの原点とはどこにあるのでしょうか。それは、英国にあります。やがてアメリカでも英国紳士をお手本にした上品なスタイルの流れを汲んだ独自のトラッドスタイルが確立されました。どちらにも共通して言える特徴は、時代の流れに関係なくいつの時代にも通用する定番スタイルだという点です。以降にて詳しく2つのトラッドスタイルについて見ていきます。
トラッドスタイルの種類
「英国的スタイル」は“ブリティッシュトラディショナル”、「米国的スタイル」は“アメリカントラディショナル”と呼ばれており、ブリティッシュトラディショナルは『王道なトラッドスタイル』、アメリカントラディショナルは『カジュアルなトラッドスタイル』として認識され親しまれています。どちらのタイプのアイテムも通販サイトや紳士服のショップで定番アイテムとして販売されています。
王道のブリティッシュトラッド
王道とも言われる「ブリティッシュトラッド」の特徴は、上品でクラシックな点です。伝統を重んじる英国紳士をイメージした定番スタイルには、冬のセーター柄でよく見かけるアーガイル柄、マフラーの柄としてもお馴染みのタータン柄などがあります。
チェック柄は、スーツやスラックスの柄にもよく取り入れられており、1着は持っている方も多いのではないでしょうか。正統派トラッドを目指すならばブリティッシュトラッドがおすすめです。
カジュアルなアメリカントラッド
1900年代にイギリスからトラッドスタイルがアメリカに伝わると、王道トラッドスタイルは独自の進化を遂げます。ブリティッシュトラッドに比べて、カジュアルなスタイルに特化した点が特徴となっており、ウエストの絞り具合が緩やかになっていたり、肩パッドが薄くなっていたりと、全体のシルエットにゆとりが見られます。そのため、体型を選ばず取り入れやすいといった点や、生産しやすいといった点が挙げられます。
アメトラから派生したトラッドスタイル①「アイビールック」
1950年代になると、フットボールチームに所属する大学生が好んで取り入れていた「アイビールック」と呼ばれるアメリカントラッドへと進化していきます。フットボールのリーグに加盟していた大学生たちがこぞって着ていたところから人気を呼び、社会に出てからもアイビールックを取り入れた服装で活動をしていたことから一般にも広く浸透していきました。
品の良さから日本でも1960年代にはアイビールックを取り入れた日本独自のスタイルが流行しました。現在、トラッドスタイルの回帰志向が高まっていることもあり、アイビールックスタイルのアイテムを紳士通販サイトやメンズショップでもよく見かけられます。
アメトラから派生したトラッドスタイル②「プレッピー」
1970年代以降になると、名門学校に通う子息や令嬢をイメージした現在の制服のようなスタイルへと変化します。メタルや金ボタンを使ったジャケットや、エンブレムを付けたジャケット、Vラインにラインが入ったニットやカーディガンなど、品を感じられるカジュアルが特徴です。
カラフルな色使いや、こなれ感があるコーデが魅力となっており、現在もプレッピーの流れを汲んだトラッドスタイルは注目を集めています。
トラッドスタイルの生地素材
トラッドスタイルに使われる生地素材は、季節によってさまざまです。春や夏ならばコットンを使ったYシャツやポロシャツ、コットン生地の織り方に特徴を持たせたシアサッカーなどのジャケット、リネンを使ったジャケット、秋・冬ならばウール素材のジャケットやスラックスなど季節に合わせて生地も変わります。
一見、トラッドスタイルには合わないような、ポリエステルやナイロン・リヨセルでも、コットンなどと組み合わせた混合素材ならば、カジュアルになり過ぎず取り入れられることも可能です。手触りが良さや、光沢感がある滑らかな質感など、品の良さを感じる素材であることがポイントと言えるでしょう。
トラッドスタイルの着こなし方
トラッドスタイルの基本は英国紳士の上品な装いとはいえ、全身を古典的なトラッドスタイルにしてしまうと、仰々しい感じになりかねません。そこで、時代に合わせたトラッドスタイルを取り入れていることでセンスのあるオシャレなメンズトラッドスタイルコーデを楽しめます。
例えば、トラッドスタイルのシンボルでもあるチェック柄を全体に使うのではなく、部分的に取り入れることで柄を取り入れたコーデが苦手な方でもチャレンジしやすく、コーデのポイントにすることができます。合わせるカバンや靴もレザー素材を取り入れると、全体のバランスもまとまり、品のあるトラッドスタイルにしやすいでしょう。

トラッドスタイルにおすすめのアイテムを紹介
トラッドスタイルを上手く引き立てるためのアイテムがあると、よりオシャレな印象になり、周りとの差もつけられます。トラッドスタイルに合うアイテムについて紹介していきます。
トラッドスタイルにおすすめのアイテム①ジャケット&ニット
トラッドスタイルには欠かせないのはまずは、何と言ってもジャケットでしょう。特に紺色・ネイビーのジャケットは、ベーシックなカラーとの相性も良く、信頼がおける品のあるコーデに仕上げられます。
また、ジャケットと合わせて着たり単独で羽織れるセーターやカーディガンは、胸元のVゾーンに効果的にラインを使ったトラッドスタイルのアイテムを選ぶと、一気にこなれ感のあるトラッドスタイルを目指せます。
トラッドスタイルにおすすめのアイテム②ネクタイ
ネクタイは、斜めのストライプが特徴の「レジメンタル」のネクタイがおすすめです。右肩上がりならば英国調、左肩上がりならばアメリカ調のトラッドスタイルを意識したトラッドスタイルにピッタリです。合わせたいトラッドスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
トラッドスタイルにおすすめのアイテム③革のカバン&靴
レザーアイテムを合わせるだけで、落ち着いた品のあるコーデにしやすくなります。特に足元は、キレイ目のブリティッシュトラッドや、カジュアルなアメリカントラッドにも合う「ウイングチップ」がおすすめです。
「ウイングチップ」は、丈夫な労働靴から英国紳士が狩りなどの際に用いたカントリーブーツとして進化してきたルーツを持つシューズで、丈夫でありながら品のあるデザインが特徴となっています。トラッドスタイルを格上げしてくれるアイテムです。
カバンもレザー素材を選ぶと靴と合わせて統一感が出せるので、持ち手にレザーを使用したカバンや、オールレザーのカバンを選ぶと良いでしょう。
トラッドスタイルにおすすめのアイテム④眼鏡
眼鏡を着用している方は、レトロ感が漂うブラックやべっ甲調フレームを使った眼鏡がおすすめです。フレームや、レンズを横からフィットさせるためのテンプル(つる)は、太過ぎず主張しすぎないものを選ぶのがポイントです。
レンズは大きすぎないサイズを選ぶと、カジュアルになり過ぎず全体のトラッドコーディネートにも合わせやすく良いでしょう。また、クラシックさと、現代的な要素がミックスした金属と非金属の組み合わせたフレームを選ぶと、スタイリッシュさが出せるのでおすすめです。
トラッドスタイルにおすすめのアイテム⑤帽子
普段はなかなか帽子を取り入れたトラッドスタイルのコーデにチャレンジしにくいかもしれませんが、思い切って取り入れてみると一気に垢抜けたトラッドスタイルコーデに仕上げられます。ハンチングタイプは、帽子初心者の方にも取り入れやすい帽子なのでおすすめです。
オシャレ上級者には、キャップタイプの帽子を取り入れたコーデもおすすめです。近年、世界でキャップを取り入れたトラッドスタイルが流行しており、スラックスやシャツのカラーや素材をリンクさせることで、不思議と馴染ませられます。こなれ感を出したい方に特におすすめです。
まとめ
今回、トラッドスタイルの意味や歴史・種類・トラッドスタイルに合うおすすめのアイテムについて詳しく解説&紹介をしてきましたがいかがでしたでしょうか。トラッドスタイルについて深く知ることで、今までチェック柄を敬遠していた方も部分的に取り入れてみるなど、トラッドスタイルが身近に感じられやすくなったのではないでしょうか。トラッドスタイルは年齢に関係なくどの方も取り入れやすい定番スタイルなので、ぜひ、積極的に取り入れてみると良いでしょう。今回の記事が参考になれば幸いです。